松本琉刃
松本琉刃。
6歳。
肌は真っ白。
身長は低い方、痩せ型、髪はサラサラ長髪黒髪で、しっとり型。
瞳は深い深い濃い碧。
日陰では瞳は真っ黒に見えるが、日の元に出ると、深い深い濃い深碧である事が判る。
切れ者の瞳を見れば、誰でも理解する。
ああ、賢い者だと、相当な切れ者だと。
その瞳は何でも見透かす魔法のレンズのように。
琉刃は、体力は無いし、足も遅い、体のキレも無いに等しい。
そのような琉刃は簡単に始末されそうなものだ。
蒼龍、白虎、朱雀、玄武の四神は所詮獣であり、ペットに過ぎない。
誰のペットか?
「天之御中主神」「高御産巣日神」「神産巣日神」
左から、アメノミナカヌシカミ、タカミムスビカミ、カミムスビカミ。
琉刃には、生まれつき、超強力な霊力が宿っている。
本人もそれは生まれた瞬間からなんとなく理解していた。
物を宙に浮かせる、物体をねじ曲げる、遠くの景色が見える、壁が透けて見える。
これらを完璧に生まれつきコントロール出来ていた。
外国にも、日本にも、呪術合戦は実在し、それに伴う法律は未だに設立されていない。
しかし、設立されていないのは、その方が権力者達にとって都合が良いからである。
それは2028年8月の出来事であった。
中華人民共和国、総帥の部屋。
その総帥の周りに呪術師達、超能力者達が囲んでいる。
その部屋のみならず、屋敷の土地からして、呪術結界を強力に、幾重にも張り巡らされた結界。
呪術時計の羅針盤、易経、水盆占い、その刻を指し示す。
そしてー《ガチ、ボーン、ボーン、ボーン、ボーン、ボーン、ボーン、ボーン、ボーン〉
8回の鐘が鳴り終わる。
中国総帥「刻は満ちた、やれ」
《ボボボボシュウウウ!!》中国沿岸部からのミサイル搭載車列。
25000車から一気に放たれたミサイル群は真っ直ぐ遥か上空へ音速を超えて上昇中。
日本司令「てええええ!!」
指向性EPM波兵器発動。
簡単に言えば電子レンジで飛んでくるミサイルの脳を焼き切る電波兵器。
宇宙から降りてくるミサイルを次々と航行不能にしていく。
中国総帥「アレは長くは続かん、どんどん撃ちなさい」
そう、あまりにも電力を使う為、長時間は無理であった。
まだまだミサイルは落ちてくる。
EPM兵器、ダウン、クールダウン3分間。
中国総帥「勝った」
日本司令「てええええ!!」
日本海側の島々や、県に配置されていたレールガン群が射撃開始。
次々と爆破せずに日本海へ墜落していくミサイル群。
中国総帥「アレを出して、レールガンの弾を吐き出させろ」
超高度、巨大飛行空母から落とされていく、箱達。
バラバラと箱らが落ちていく。
その箱はある高度まで落下すると、自動で分解。
放たれた10万機のドローン群。
そのドローンには一つ一つ、火薬が使われていない、質量兵器、小さい小さいミサイルの形をしている直径5cmの鉄の塊。
ドローンのお腹が開き、大量にバラバラと、完全自動で日本、本土遥か上空から落下させていく。
その小さな鉄の塊は、フレシェット弾を思わせるが、それよりも遥かに安価で、最終的に自爆するドローンに搭載する事により、超コスパを実現していた。
その た だ の 鉄の塊は、落下させた時点で、対策は不可能。
東京に、鉄の雨が振り注いだ。
犠牲者は一瞬にして6000人超え。
車内に居ても軽々貫通して来る威力であった為に、交通事故が多発し、二次被害、三次被害と拡大し、火災も発生したのも大きい。
ある高度までドローンが落下すると、飛行可能な高度まで達し、プロペラが自動起動、予め設定しておいた自衛隊基地、アメリカ基地の滑走路に真っ直ぐ突っ込む設定にしている事だろう。
日本司令「鉄の雨の被害は仕方ないが、低空ドローンは全て撃ち落とせええ!」
AIレールガンにより完璧に撃ち落としていく。
音速の5倍の速さの不規則な動きをするミサイルを1発で撃ち落としていく。
一方その頃、アメリカ艦隊、潜水艦からミサイル群が発射されていた。
インドの潜水艦や艦隊からもミサイルが発射された。
中国軍も空対戦網で撃ち落としていく。
その時。
中国総帥の周りの呪術師達が苦しみ出した。
中国総帥「!?な、なに?」
呪術師1「馬鹿な!?そんな馬鹿なあ!?破られた!?破られたあ!!?う!!?うえおおろろろろ《ドサァ》
呪術師2「うわあ!嫌だあ!嫌だあ!地獄は嫌だあ!!助け《ゴパアアアアアア》お、あ?《ドサァ》
血反吐を文字通り吐いて、33名の呪術師達が一気に全員死亡。
中国総帥「何が起きて!?おい!おい!」
超能力者の肩を揺さぶる。
彼は遠隔パイロキネシス。
邪魔な者は地球の反対側に居ようが、人体発火現象で燃やせる実力者だ。
彼「総帥様、逃げ《タラア》あ、ああ、うああああああ!!ごめん!やめて!いやああ!!助けてえ!!ああああ!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさいいいいいぃいいいぃいいいいいいえああああ!!!!《ゴトン》《ドサア》
中国総帥「一体何が起きてる!!〈カチ〉おい!誰か!誰か居ないのかあ!!おい!誰か!直ぐに来るんだ!返事をしろお!おい!」
館内に虚しく流れる音声。
誰一人。
《ポタ、ポタ、ポタ》 血反吐から逃れた者、無し。
呪術館内、結界を施された土地。
何故か位置電波が、インド、アメリカへキャッチされた。
インド、アメリカ『ん?んー?とりあえず撃て、あ?構わん』
《ボボボボボシュウウウウウウゥウウウーーー》
中国総帥館内は地下600mにあった。
しかし、半径1キロにも及ぶ爆撃による完全地域燃焼により、一帯の酸素消滅。
熱風が換気口から突き破り、出口を求めて熱気が地下を巡る。
地下300mまでの空気が失われ、失われた大気は復元しようとする為に、一気に地下600m地点から空気が上の階へと移動し、吸い上げる。
中国総帥「なんだ?なんだ!?何が起きてる!誰か!説明せんかあ!!」
中国総帥の部屋は完全に密閉されていた為に無事であった。
しかし、持って4日分の酸素である。
アメリカのステルス爆撃機が先ほどの声紋認証により、中国総帥だと認定。
位置上空飛来、お腹が開いた。
バンカーバスター3.5改良型、投下。
地下300mを貫通した後、爆発、あらゆる通路、通気口を塞ぐ。
中国総帥、真っ暗闇の中、2日目の夜、腐敗臭に嘔吐し、死体を食べ、3日目の夜に、酸素欠乏症により、死亡。
何も無い、がらんとした神社内。
出雲大社奥院内。
藤原宗一56歳「終わった」
三菱達也56歳「ふぅぅぅぅ、終わったか?」
藤原宗一「ああ、終わった」
三菱達也「ならば良い、お疲れ、ラーメン食いに行こうぜい」
藤原宗一「お告げがあった」
達也「?…なんだよ?」
宗一「まだまだ先だが、王がお生まれになるそうだ」
達也「は?王?王ってあの、王様の王?」
宗一「そうだ、中国が倒れた今、代わりが必要なんだと、倒した後放ったらかしでは、業は深まるぞ」
達也「はあ?アッチから攻めて来たんだろ?」
宗一「人間の言い訳は効かんよ」
達也「……で?なんて?」
宗一「6年後、松本家という家が栄える、その家をサポートせよ、と、生まれになられるのは、ずっと先だがな、だが、その家は日本の旗となる、三菱家は衰退する」
達也「……ええー」
宗一「まあ、まあ、これからの時代は移民問題やら、財政問題やらでしこたま悪うなる、面倒から解放されると考えい」
達也「王ってどんな奴?」
宗一「……綺麗な御仁だった、まあ、会えば一目で分かるさ、ああ、この人か、ってな」
達也「儂、会えるか?」
宗一「会えん、儂らはな」
達也「うわー、残念やのー」
宗一「まあ、しかし、藤原家は松本家と内々になるがの」
達也「血がか?」
宗一「うむ」
達也「三菱家はどうなる?」
宗一「外国勢力に乗っ取られる、戦争に今回圧勝してしもうたからの、大人しゅーしとけと外圧食らう」
達也「日本はどうなるんじゃい!?」
宗一「松本家が立て直す、しかし、我らのサポート無しでは不可能じゃ」
達也「…」
宗一「嫌か?」
達也「……今まで、時代や時代やって言うて悪行三昧して来た、今更、自分の番が来たから言うて、ごちゃごちゃ抜かさんわい、ふん」
宗一「……ラーメン食い行こか」
達也「おう!」
中国人民解放軍は戦意喪失、白旗を上げた。
その後、日本、アメリカ、モンゴル、チベット、インドからの補償の追撃と、内政混乱により、あらゆる汚職や裏金問題が浮上し、内戦と呼べる物には成らず、内乱から、中国政府消滅となった。
台湾から王家を呼び戻せという民達の声が高まって来た。
新たな国名候補の中で、華国という候補が今のところNo.1である。
中国政府の裏金問題は、銀行業の信用不審という問題へと波及。
金本位性が偽物の金の登場により、これも失墜。
完全にデジタル通貨に移行し、隠せない紙幣と言う銘の大義名分の元、既存の金融業からの移行へ波及。
新たな金融の軸の出現が急務となり、仮想通貨全体を一旦実験を終了、各国のデジタル通貨への切り替えを3年ですり替えた。
スマホを持ってない人々に強制的に持たせたのだ。
どうしてもスマホが嫌という人と、希望者には、マイクロチップを手に注射器で埋め込む。
そこにはクレジットカード、家の鍵、個人ナンバー、身分証明書、あらゆる機能がセットとなっている。
会社のゲートを帰りに潜る際に、一日分の給料が振り込まれる仕組みがマイクロチップ派の主流になった。
スマホの人はQRをイチイチ読み込む必要がある為に、マイクロチップへの移行が人気となっていく、世の流れ。
現在。
琉刃の宗教部屋。
琉刃は禁忌の仏教の本を読んでいる。
《オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ》
ロシア正教会の地下。
《ガチャコン、ギイイイィー…》重厚な扉を開ける雑用係。
《キイウ、ジリリリリリリリリリリ、ドザアアアアアアアアアアアアアア》 スプリンクラー作動、非常ベルが鳴る。
扉を開け、男性呪術師見習い雑用係が、下を向きながら報告しようとしたがー。
雑用「え?、あ、あの!?うわ!?総統がお呼びひひひひひいいいああああああああ!!??ああああああぁぁー…」
逃げて何処かへ行ってしまった。
ロシア正教会、正義、聖なる呪いと銘を打ち、松本琉刃を呪った者達地下大ホールオペラ演劇場風の施設。
聖歌を歌いながら、松本琉刃の写真にナイフで傷を付ける行為をしていた筈だった。
550名収容出来る大地下ホール。
全員黒焦げ、悶え苦しみ、のたうち回ったであろう死屍累々。
何故か雑用係が扉を開いてから作動したスプリンクラー。
ロシア総統は何故か生かされた。
北を制する象徴は必要悪という事なのだろうか。
松本琉刃「あ」
ビビアン「?どうされました?」
琉刃「ううん、何でも無い」
ビビアン「ひゃい、るはひゃま、あーん」
琉刃「あーん」
ビビアンから口移しで貰う葡萄。
ビビアン「ふふ、美味しい?」
琉刃「とっても甘いね」
ビビアン「まだまだありますわよ!ひゃい、あーん」
琉刃「あーん」
この葡萄も、魂も。
どんな味がするのだろうか?
《パク》
end




