第26話
「藤次に言われた通りのダンジョンは出来たけど、なんで1階層はスライム推しなの?」
小首を傾げて、マリアがそんな疑問を口にする。
「RPGの最初の敵は、おおよそスライムと相場が決まっておる!というのは冗談として、ゴミを置いて
おいたら、酸性の体で溶かして処理してくれるのではないかという、今後の打算的な目論見が大きい」
人間生きている限りゴミは出る。
ゴミ処理という施設も仕事も消えた世界において、出るゴミをどうするのかは人それぞれである
だろうが、現代人として、そこら辺にポイ捨てするにはまだだいぶ抵抗がある。
かと言って生ごみなどは、腐るし臭うし、とても不衛生である。
そこで今回ご紹介するのが、この何でも食べちゃう雑食スライムくん。
アメーバの親戚のようなこの雑食スライムくん、名前の通り何でも食べるけど、逆に何も
食べなくても岩肌についた少量の水分や、空気中の水分を吸収することによって、ほぼ半永久的に
生き続けることができるという優れたモンスター!
「な、なんだってー!?」
しかも、吸収分解した個体の経験値が上昇するというおまけ付き!
「でも・・・お高いんでしょう?」
普通はスライム1体20DPのところ、初回特典として500DPで、
一定時間毎に、無限にスライムが湧き出る設置型召喚陣をプレゼント!
「まぁ、なんてお買い得なの!
ダンジョンマスターのダンジョン作成における初期の手持ち1000DPでお釣りが来るわね!」
「いやいやいや、初期の手持ちDPの半額って、どんだけぼったくりだよ!」
そんな茶番に、思わず藤次はツッコミを入れてしまった。
ダンジョンマスターにおけるDP、つまりダンジョンポイントは、ダンジョンを運営するうえで、
なくてはならないポイントシステムなのである。
例えば、ダンジョンに石畳の通路を作るのにも、4m四方の部屋を作るのにも、その他の環境を
整えるのにも、モンスターを配置するのにも、ダンジョンに関わる運営費用のすべてがダンジョン
ポイントを消費することで成り立っている。
では、一体どうやったら、そのダンジョンポイントを稼ぐことが出来るのか?
1.ダンジョン外の生命体が、一定時間ダンジョン内にいることで時間に応じたDPを入手。
2.ダンジョン内において、モンスターを含む何かしらの生命体が倒されることで、倒された
生命体の強さに応じたDPを入手。
3.ダンジョンコアに、魔石を吸収することで、魔石に応じたDPを入手。
「そういえば、たぶん俺、ゴブリン2体分の魔石を持ってたような気がする」
ごそごそとポケットをまさぐると、以前に拾っていた小さな赤いビー玉のような魔石が2つ出てきた。
そのままマリアに手渡して、ダンジョンコアに吸収してもらうと、1つ50DPだったので、
2つで100DPとなった。
「あれ・・・待てよ?
オークの魔石って、もしかしたら外に転がってるんじゃないか?」
不思議部屋から出ると、ありましたオークの魔石。
巨大おはじきというか、石けりのような感じ、で伝わるかな?
ダンジョンコアに吸収したら1つ300DPでした。
全部で6個あったので1800DPとなった。ウマーである。
「これ、ダンジョンで倒したスライムの魔石で荒稼ぎできるんじゃないか?」
無理でした。
そもそもマリアのダンジョンで発生したモンスターは、経験値こそ変わらないが、魔石は
落とさないとのこと。
そうそう甘くは無かったわけだが、こうして見ると、主なダンジョンポイント稼ぎの手段は、
外のモンスターを倒しての魔石の入手、これがもっとも効率が良いことが判明した。
不思議部屋の壁に、荘厳な感じのドアが設置された。
まだ実際には行ってはいないが、そこから階段で降りて行くことで、マリアのダンジョンに
行けるらしい。
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【マリアのダンジョン】(残り100DP)
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ダンジョン1階層:地底湖のある洞窟(地底湖がオプション):200DP+300DP
主なモンスター:雑食スライム
雑食スライムの召喚陣(設置済み):500DP
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ダンジョン2階層:青空の下のただっ広い草原(天候がオプション):300DP+500DP
主なモンスター:ゴブリン
ゴブリンの召喚陣(設置済み):1000DP
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