第1話
ある日の学校帰り、坂道を自転車で下っている最中に、急に草むらから飛び出してきた
半透明でゼリー状の何かをプチュっとひいてしまった。
【スライムを討伐し、レベルアップを確認しました】
突然、そんな女性の声が頭の中に響いた。
これはまさか、小説によくあるアレなのか?
地面に足をつき、自転車にまたがったまま、周囲を見渡し、誰も近くにいないことを確認して
ぼそっとつぶやく。
「ステータスオープン・・・」
誰に聞かれるわけでもないが、誰かに聞かれたら恥ずかしいので、ついつい小声になる。
すると目の前に、半透明のステータスウインドウ(以下ステータス)が表示された。
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名前:霧型 藤次
レベル:2(1→2)New!
職業:なし(選択可能)New!
スキル:なし
SP:10(0→10)New!
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「うわっ、まじかよ・・・」
突然のことに頭がついてこない。
だいぶ混乱しているも、とりあえず深呼吸をして頭を落ち着かせ、自転車を走らせ急いで家に帰った。
自分の部屋に戻り、扉を閉め、ベッドに腰掛け、落ち着け、落ち着け・・・と口に出す。
こういうパターンの小説だと、こういう新たなる力が手に入る意味があり、それが何を
意味するかというと、いままでの何気ない日常や、世界が壊れる前兆だ。
ステータスオープンと口には出さず、念じてみる。
目の前に半透明のステータスが表示された。
口に出さなくても良いのだと、いちおう確認しておく。
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名前:霧型 藤次
レベル:2
職業:なし(選択可能)
スキル:なし
SP:10
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まず上から確認していく。
名前は、霧型 藤次、俺の名前だ。
レベル2ということは、この世界は、強さがレベルで表示される世界に変わったということだ。
つまり、この世界が弱肉強食の世界に変わったことを意味している。
ぞわっと背筋に冷たいものが走り、体が震える。
そして自分はそんな世界で、かなり運が良い方だと思った。
次に目の前のステータスウィンドの「職業:なし(選択可能)」という部分にそっと震える指で触れる。
すると、そこにいくつかの選択肢が表示された。
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・戦士
・魔法使い
・僧侶
・盗賊
・それ以外のランダム
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5つの選択肢を見て、いったん保留とする。
次が、スキルだが、ここに触れるとステータスに膨大な文字列が浮かび上がった。
職業スキルと一般スキルと書かれているが、職業スキルの方には職業が選択されて
いませんと書かれているのみで、一般スキルの方には、【料理】やら【運動】など、
見ただけで意味が分かる項目がずらりと並んでいる。
そしてそれらのスキルの名前の横にSP1で習得可能と表示されていた。
なるほど、とりあえず職業を決めてからまたスキルを選択するべきことが分かった。
職業欄だが、4つ目までは、だいたい理解できる。
そしてたぶんだが、それに応じて覚えられるであろうスキルもおおよそ見当がつく。
戦士:各種武器スキル、肉体強化系スキル
魔法使い:各属性の攻撃魔法スキル、魔力関連スキル
僧侶:回復魔法スキル、補助魔法スキル
盗賊:罠設置&罠解除スキル、敵感知スキル
といったところであろう。
どれも弱肉強食となった世界で生き残るのには有用なことだろう。
だが当然気になるのは「それ以外のランダム」である。
ランダムというからには運によって左右されるのであろうが、当たりハズレも当然あるだろう。
そして「それ以外」ということは、前者4つの職業以外ということだ。
これから世界が大変なことになっていく、と仮定して。
手堅くいくべきか、ギャンブルにかけるべきか、それが問題だ・・・。
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