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剣と龍と神  作者: カナメ
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三十五話

ツンデレっていいよね~。リアルツンデレはイラッとするけど。

昨夜は死闘だった…



激しい戦いの後に日の光は眩しすぎる。



もうオレフラッフラッ!

腰に鉛でも入ってんのかって叫びたい程に重い!

それに今日はコロシアムの参加予定!

こういう事に神剣の力を使うのは不本意だが…後で肉体疲労を取り除かねば。

そんな疲れはてたオレとは逆に、ファラとルシスは元気一杯、お肌スベスベってか。

くそぅ、何か悔しいので二人のお尻をなでたらゲンコツが二発おみまいされた。ルシス…昨夜も思ったけどキミは着痩せするタイプなんだね。

しかしこの二人は…むしろあんだけ飲んでて二日酔いしないのか?

驚嘆すべきは肝臓機能か?そんなオレに対して



『あの程度のアルコールなら数分で分解だ』



とはファラの言葉。

数分で分解するからひたすら飲むのか。

あの時、ゴリラ男共の誘いにのったのも今なら納得だ。逆に酔い潰せるのだから。



「さてカイン、今日はしっかり稼ぎなよ」



「そう思うなら昨夜はもっと加減してくれ」



昨夜は干からびて死にそうになったり、変な所を攻められたり…危うく新しい世界を開拓するとこだった。

…なるほど、オレが妙に躊躇ちゅうちょしたのは本能の警告だったのか。

今更気付いたわ!



「何をあの程度…今夜はもっと激しく攻めるぞ」



「今夜も!?オレを殺す気か!!?」



しかも昨夜以上って……どっか別の宿屋に避難しようかな。



「予備の避難場所は大事だな」



しまった、筒抜けだった!



「まぁその前に戦いだ。荒稼ぎしてこい」



「…あぁ。昨日の酒代と、ファラに借りたカネを返す為にも勝たないとな」



「マスター、ワタシも全財産を賭けておきます」



いやだからプレッシャーかけないで。



「大丈夫だ。カインは初出場で無名だし。初戦の相手もきっと無名の奴らばっかりだ、気楽にいけ」



…何か不安だ。

そういう時に限って不運を呼び寄せるのがオレなのだから。

……そして予感は当たる。







あの後、体調を万全にしてからコロシアムへと向かい、出場を申請。

この街はコロシアムが名物なだけあって、毎日何らかのイベントをやっているので飛び入り参加も自由だ。

予定しているイベントに追加される形でオレも参加。

受け付け係員の人が「本日のイベントはチーム戦です」と告知。

どうやらその内容は二人一組で争い合うもので、全四組、計八人で生き残りをかけるらしい。

最後まで残ったチームの勝ち。

尚、チームメンバーが死のうとも戦いは続行される。

ちなみに相手が降参、戦闘不能と運営側が認めたら負け……そんな事は建前であるのは周知の事実。

完全に殺すか殺されるかまで終わらない。



……分かってはいたが過激な街だ。



心中でボヤキながらチラッと隣を見る。そこには今日のチーム戦の相方がいる。

見た感じオレより年下だ。

体格も小柄だし、魔素もあまり感じない。装備している青いブレストプレートはあまりキズらしいキズがないし…

よくてC級ってとこか?

互いに会話はなくオレが一方的に値踏みしている。

こちらには何の興味もないらしい。

ただ…そいつの腰に差した剣が気になる。ルシスが持つ魔剣『虎狼』より更に異彩を放っている刀。何かこう……何だ?

なんだかすっきり疑問が解消されぬまま、オレ達は所定の位置に立つ。

コロシアム内の四隅に配置された四チーム、八人が揃い……始まりの合図を待つ。



あ~緊張する。



ブーーーーー!!



戦いが始まる合図!

オレを含む全八人が動き出す。

急造されたチームに連係など期待できない。

最低限、自分の負担にならなければご自由に、だ。

オレの相方が一気に突出する!

勇ましいと言えば聞こえはいいが、要は何も考えてないだけだろ、アレは。

仕方ないのでオレが合わせる事にする。あれでも一時的とはいえ相方だし、何かの役には立つかもしれん。



視界の隅に大男二人組…歴戦の雰囲気に魔素量から厄介と判断。

アレは後回しだな。幸い別のチームと争っているので時間はある。

しかしこういう時には当たり前の事なんんだが…事前情報がないと、対策もしようがないので、全員まずは目の前の相手から手当たり次第か。

勇ましいオレの相方もその一人。

早速戦闘に突入した。

まぁ合わせるのはオレだって割りきっているから、敵チームの残った方を狙う。

藍色の髪をした優男が、オレに剣を向ける。

直後に剣技発動。

こいつ魔剣使か。

オレに飛来する雷の球体を、立ち止まる事なく赤帝刃で弾き飛ばす。

驚愕している魔剣使の反応など無視して、そのがら空きの腹部に一撃叩き込む!

崩れ落ちるのを見届け周囲の確認。

相方はまだ戦闘中。

要注意の大男たちは……血だらけだ。



その足元には対戦相手らしき物体。

あれは返り血か…

コロシアムの観客達は興奮し、叫んでいる。

その戦いぶりはさぞ大層なパフォーマンスでも見せたのだろう、大男達はその全身が真っ赤に染まっている。

オレは客席へと視線を向けた。

………程なく目当ての人物を探しあてる。



やっぱ美女は目立つね。

そしてそんな美女二人…ファラとルシスの表情はあまり機嫌のいいものじゃない。

やっぱり二人にとっては愉快なパフォーマンスではなかったと確信。

よし、あの大男どもはオレが片付けよう。

理由?

美女の顔を歪めさせたアホは処刑あるのみ!



可愛いは正義だよ!

それが作者のジャスティス!意味わからん。

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