二十七話
フレイが何気に優遇されていくの巻き
かつての同僚であり、あの角アリの包囲網を生き延びる為に別行動した元相棒…
なんでお前がここにいる?
ここは限られた存在しか入る事を許されない聖域だぞ?
「…少しは強くなったかと思ったら、まだまだ成長途中か。あの包囲網を生き延びればマシになるかと思い、別行動をとったがスパルタすぎたか?」
何か今サラッと聞き捨てにできない内容があったぞ!?
「…貴様、剣神でもなければ候補者でもあるまい?」
「ましてや剣鬼でもないな」
ちょっとフレイさん、剣鬼ってなんすか!?
「あそこに放置してあるようで、結界で保存してあるの剣鬼だろ?」
フレイが指さす方角には、最初ホトが引きずっていた人間?らしき死体がある。
…………ってアレが剣鬼!!?
「フレイそれは…ッグゥッ!」
本当かと言いたかったが、痛みでそれどころではなかった。
「…よく意識を保てたな。ボクだったら早々に諦めて死を待つよ」
ネガティブ発言しつつ、フレイがオレの側に座る。
「属性剣技、光生治癒」
その剣技にオレだけではなくホトも驚いている。
それもそのはず、光と闇の属性剣技を使える剣使の数は少なく、その総数は二桁だと言われている。ちなみに二属性合わせてだ。
そして治癒できる属性は光のみ。痛覚遮断や自己再生は人間以外…(剣龍とか剣鬼)なら誰でも出来るが治癒となると話しは別だ。
これだけは光属性の専売特許!そしてそれは人間のみが使える。
フレイの剣技により、オレの折られた右腕がみるみる間に回復。
わずか十秒足らずで完治した。
「すごい……おいオレは今、初めてフレイが光属性を使えると知ったぞ」
「だろうな。使った事もなければ見せた事もない」
シレッと流しやがった。
「むしろ……剣神が何故驚いているのかが、ボクには不思議だ。剣神は神剣のおかげで全属性を使えるだろ?」
…つくづく神剣って存在が反則だな。
それを使える剣神もだが。
「…ワタクシが驚いたのは展開した魔素の量だ。……久々に見たよ、S級剣使を」
……S級?
フレイが?
剣神に次ぐ最高位剣使だと!?
「ほ、本当かフレイ!?」
「あ~どうだったかな~もうボクの中ではB級で止まっているからな~」
騙されたー!
本人がB級って言ってただけで確かに確認してなかった!
ってか数々の任務で本来の力を隠してたのか!
まっっったく気づかんかった!!
「まあそんな事は些細な問題だ、うん」
「全然些細じゃねぇよ」
「今はどうでもいい。……それより剣神はボクが足止めするから、その間に剣龍と契約してこい。あのままじゃどのみち長くはない」
「フレイの治癒なら……」
「もうそんな段階じゃないよ。龍の自己再生はすごいレベルだ。だが……その自己再生すら、もはや起動してない」
そんな!?
「だからさっさとカインが契約してこい。このままだと龍を屈服させたホトの所有権限でどこぞの誰かに手渡されるぞ」
ファラやルシスがあんな外道やその類いに?
「そんなふざけた事をさせるかよ」
「その意気だ」
……なんかうまい具合に、発破かけられたがのっかるとしよう。
「後で教えろよ、なんでフレイがこの聖域に入れたかを」
S級だからなんてのは言い訳にもならん。こいつはまだ何かを隠してる、絶対に!
「互いに生き残れたなら教えるよ。ほら急げ、龍の生命力はすごいが何事にも限度はある」
「あぁ、生き残るさ。必ず」
オレは強化剣技で限界まで脚力を強化しファラ達の元へ!
「止めないのか?」
フレイはさも意外そうに、動こうとしないホトに疑問をなげかける。
「あれはあれでワタクシの望んでいる過程だ。出来れば結果も含めて計画通りにいってほしいが」
「ならボクたちはしばらくこのままでいいかな?」
「いや、せっかくのS級剣使が相手だ。お相手願おう。」
ホトが剣を構える。
「それほど期待されても…剣龍に比べたら随分と格は下だよ?」
「謙遜するな。あの若造はまだ気付いてないみたいだが……恐らくお前は八師の一人、だろ?」
「…………」
「沈黙は肯定と受け取る。やはりな、ならここに入れるのも納得できた」
「色々と詳しいね。八師各々が秘密主義だと思ってたけど、口が軽いのもいたのかな?」
「思惑があるのだろう。お前もいずれは表舞台に引っ張りだされる……いや、すでに出されたか」
「最悪だ。やっぱりカインに関わるんじゃなかった」
「人生は後悔だらけ…さっさとこちらも始めよう。あの若造が契約したら去る気だろ?」
「バレてたか。…ボク自身もロードギアを荒らす剣神にはムカついててね、一発くらいは殴らせてもらうよ」
「やってみろ」
瞬間!
互いの魔素がぶつかり、弾け、閃光!
X級とS級が火花を散らす!!
次話はやっと剣龍契約ですかね。予想以上に長引いた。




