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つぎはぎマリーの子守唄  作者: 宮澤


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19/19

匿名文通〜ある少年の手紙①〜

 初めまして。

 あなたの手紙は、僕のところに届きました。

 僕は街で広告を見かけて気まぐれに応募したのだけどまさか本当に届くとは。

 

 僕は自分の好きなものがまだ何かわかりません。

 きっとこの手紙を受け取ってあなたはなんてつまらない人に届いてしまったのだろうと残念に思うのかも。

 でも僕は、顔も名前も知らないあなたの手紙に心が温かくなりました。

 歌。正直に言えば歌うことも聴くこともそこまで興味がなかったのですがいつかあなたの歌を聴いてみたいな。

 僕は大きな声で歌うのは少し恥ずかしいので子守唄を練習しておきます。

 いつ、あなたに会えても良いように。


 好きな色はあります。新緑の、瑞々しい緑が好きです。

 僕は部屋に篭って勉強ばかりしてるのだけど、ふと窓から見える木々の若葉が僕を癒してくれるからです。

 これからは、桃色のものにも目を向けてしまうかもしれないね。

 

 こんなにつまらない返事でごめんなさい。

 あなたが嫌になったら返事は要らないよ。

 だけど、手紙。本当に本当に嬉しかった。


 それでは。



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