表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知らない、とは怖い事なのですね  作者: 猫卜雪乃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/16

06:スキルとレベル




 『空白の地』の中で佇むブリーゼ。

 あら? いつものキラキラが無いからでしょうか。ブリーゼが普通の女の子にしか見えません。



 あれほど輝いていた白金(プラチナ)の髪は、煤けて見えます。

 いえ、普通の白金髪(プラチナブロンド)なのですが、今までが女優ライトを浴びたかのように輝いていたから、その差が歴然過ぎて……。


 瞳も明るい赤だと思ってましたが、妖精効果だったのですね。

 可愛い事に変わりはないのですが、瞳の色が暗くなるだけで、人の印象ってこれ程変わるのですね。

 いや、肌も今までと違う?

 肌自体が変わるわけないから、やはり女優ライト、もとい妖精の効果だったのですねぇ……。



「クリーマ嬢?」

 私がブリーゼをしげしげと眺めていたからでしょう。エールデ様に呼ばれてしまいました。

「すみません。妖精の居ないブリーゼを初めて見たもので」

 素直に理由を話しました。

 私の言葉を受けて、エールデ様の視線がブリーゼへと向きます。


「あぁ、邪魔なものが無くなって、きちんと姿が見えるようになっているな」

 邪魔なもの?

 ピカピカ眩しいとは思ってたけど、邪魔とは思わなかったし、妖精に対してそのような事を言う人を初めて見たわ。


 こちらを向いたエールデ様は、私の驚いた表情に気付いたらしく、口の端を持ち上げて悪戯っぽく笑いました。

「私の眼は、人の魔力が色で見える。だから、スキル持ちの人は属性とは別の色が見えるのだよ」

 これは、暗に私がスキル持ちだと知ってるって言ってるよね。


「彼女は周りの妖精の色が濃くて、今までは顔もまともに見えなかったからな」

 エールデ様が、もう一度ブリーゼの方を向きました。

 言うほど可愛いか? ヴァッサーとは趣味が合わぬな、と小声で言っていたのは聞こえなかった事にしました。




「私は【鑑定】というスキルが有ります」

 ここの土地を再生するのに【鑑定】は絶対に役に立つので、私はエールデ様に自分のスキルをばらしました。

 あれ? エールデ様の表情が少し残念そうに曇ります。


「鑑定とは、宝石や骨董品や絵画などを本物かどうか見分けるものだよな」

 それは、鑑定師が勉強と経験で身に付ける資格で、スキルではありません。

 でも、少し前の私の【鑑定】は、それ以下の性能でした。

 その頃だったら、その表情をされても何も言わずに終わったでしょう。


 だがしかし! 今の私の【鑑定】は優秀なのである!!

「エールデ様、貴方を【鑑定】しても良いですか?」

 ヴァッサー達は勝手に【鑑定】してしまったけど、今回はきとんと了解を取る。

 なぜなら、結果を本人に告げるつもりだから。


「そう、だな。お願いしよう」

 戸惑いながらも、エールデ様は了承してくださいました。

 いや、これは、戸惑いではなく、期待していない態度だな。

 ふふん。驚け、私の能力に!



 [エールデ・ホルスト・アンドロシュ 公爵家後継者 土属性 称号真実を()る者]

 真実を視る者? それならば、本当は魔力が色で見えるだけでは無いのかな?

 鑑定結果を、そのままエールデ様へと伝えました。


「真実を視る者?」

 あれ? これは、エールデ様も意外だったようです。

「私のスキルは【共感覚】というものだ。魔力が色で見えるというだけの能力なのだが……」

 共感覚って、前世では文字とか数字とか音に色がついて見えたりするのだったよね。

 だから魔力に色がついて見えるのかな?


「あ、そういえば、ついこの前まで私の【鑑定】は、人間は名前と属性しか判らなかったし、物は見ただけで判る情報しか見えませんでした」

 豪華な壺、高い、みたいなのね。

「それが、暇つぶしに(かた)(ぱし)から【鑑定】していたら、スキルレベルが上がったんですよ」

 私の説明に、エールデ様がぽかんとした顔をしています。


「片っ端? 上がったんですよ?」

 しまった! 貴族の令嬢は片っ端なんて言葉は使わないわ!

「端から順番に【鑑定】しておりましたら、スキルレベルが上がったのです」

 一応言い直してみたけど、無駄……だよね。




 あの後エールデ様は黙ってしゃがみこみ、肩を震わせていました。

 笑うなら声を出して笑えば? と言おうかと思ったけど、追い討ちを掛けそうだったので止めました。

「はあ~ぁ、うんん!」

 大きな溜め息が聞こえ、その後大きな咳払いをしてからエールデ様が立ち上がりました。


 目が合うと一瞬彼の口元が歪みましたが、小さく咳払いをして真顔に戻りました。

 貴族としての正しい行動です。

「すまない、話を戻そう。クリーマ嬢自身の鑑定結果を聞いても良いだろうか」

 エールデ様の言葉に頷きます。

「確かに私だけが一方的に知っているのは不公平ですよね」

 私は前と同じように、自分の手を見ながら【鑑定】しました。


 [クリーマ・イリーネ・クロイツァー 伯爵家当主 風属性 称号精霊の愛し子]


 はい?! 精霊の愛し子とは?

 前回は伯爵家当主の方に驚き気を取られ、その後の称号に気付いていませんでした。

 これは、当主だから付いている称号なのでしょうか。

 今度、アンドロシュ公爵をこっそり【鑑定】しても大丈夫でしょうか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ