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第四十一話 彼女が知る小早川隆景と小寺官兵衛

小早川隆景のことかいてたら黒田官兵衛の名前もあがっちゃった






 小早川隆景。


 大名ほど権威がない国人領主という立ち位置であった毛利を一代で安芸を治める強大な戦国大名家へと成長させた稀代の謀略家・毛利元就の三男。


 実兄である毛利隆元や吉川元春と協力し毛利家の発展に尽力、元春とセットで毛利両川と名を轟かせていた。


 また豊臣政権下でも秀吉からの信頼が厚く、彼が亡くなる直前に制定した “ 御掟 ” に連署した大名の一人である。

 この御掟に連署した大名が後に五大老と呼ばれる大名である。


 間違っても、天下分け目の戦とされた関ヶ原の戦いで西軍を裏切った小早川秀秋とは異なる人物である。

 小早川秀秋は隆景の養子である。




「また隆景は黒田官兵衛とも仲が良かったようで、半兵衛が死んだあとのお友達って感じ」

「黒田官兵衛? 誰ですか、その方。僕の友人にそんな名前の方はいませんよ」

「ん? えっと、あ、そうか。まだ黒田じゃないんだっけ。秀吉の元に正式に仕えるようになってからだからまだか。黒田の前は……小寺?」

「小寺……官兵衛……今の姫路城の主か。僕と友達になる人なんですね。小早川殿もですが、その方にも会ってみたくなりました。今はどこにいるんですか?」

「半兵衛が調べた方が正確な気がするんだけど……確か織田家にもういるんじゃないかなぁ。中国攻略の最中に一緒にいたはずだし」

「では今回の戦で会えるのですね。小早川隆景と小寺官兵衛、楽しみがまた一つ。これは死ねませんね。むしろ寧々子殿の世界の僕はなかなか未練ある状態で死んだのでは」




 まるで来年以降に舞台やイベント、ゲームの発売などを控えたオタクのごとく先に予定を見出してキラキラ輝く半兵衛に、寧々子は自分と同類の匂いを感じる。

 現代に生まれて友達になっていたら彼もまたなにかしらのオタクであったのではないかと思う。




「私ががんばって奔走して薬を手に入れたのだから死なれては困るよ。小早川隆景には私も会ってみたいし、三人で呑みでもできるようなセッティングでもしてみたいものね」

「せってぃんぐ」

「どうして未来語だってすぐに分かるのかしら。意味は複数あるけど、この場合は会談の約束を取り付けるみたいな意味よ」

「ほうほう」




 まるで歴史と語学の勉強を同時にさせている家庭教師の気分である。


 寧々子は用意していたお茶を一口飲んで、話題を戻す。




「それで、軍議のあと私を追いかけてきたのは小早川隆景のことだけではないのでしょう?」

「勿論です。相手が相手故に、軍略を練らねば。今回は僕の病のこともありますのできっと主に動いてもらうのは寧々子殿や佐吉殿になりましょう。まずは知っていることを教えてください」

「その前に確認なんだけど、今回未来視ってなにもないの?」




 私の未来視発言に半兵衛は急に「ああ、未来視ね……」みたいなことを言うような影を帯びた表情へと変化した。




「何もないと言うか、真っ暗」

「え」

「ここ最近、ずっとです。多分、夢を見ようとしているんだと思うんです、僕の力が。でも、ずっと暗いんですよ」




 それってやはり死は避けられないということか。

 それとも変化の兆しととるべきなのか。


 なんとも確信のとれない夢見の結果に重たい空気になってしまったが、寧々子は明るく話題を変えることにした。




「そ、それはきっと未来が定まっていないということかもしれません! それなら半兵衛が生きる未来につなげるためにもがんばって策を練りましょう!」

「――はい」




 その後、寧々子は自分が知っている中国攻略について半兵衛に話した。

 半兵衛の死後に起きる状況ももちろんセットで話すのだが、寧々子はここでふっとある出来事を思い出す。


 本能寺の変。

 織田信長の死という天下的にも一大事のイベント。


 これを受けて秀吉は大急ぎで京へ戻るために毛利と和睦という手段にでた。

 それで中国攻略は完了したといえる。

 逆にそれがなかったらどうなっていたのだろう。


 この世界の歴史はすでに長篠や知る事情とは違うものの金ヶ崎でも変化が起きている。


 信長の死自体起きるのだろうか。



 どこまで話した方がいいだろうかと一人悩むと、途中で口を閉ざし始めた寧々子に半兵衛は顔を急接近させてくる。




「うおわあっ!?」

「アハッ、なんですか、その声。ほんとに姫らしくないですよね、寧々子殿は。よく今まで猫を被り続けていられましたね」

「必要とあらば。でも今は必要ではなくなったのでね」

「それはそれは無理にでも吐き出させたかいがあるというもの。それで、何を悩んでいたのです?」

「――私が知る歴史から少しずつ変化が起きているから果たしてこれからどこまでの事件が起きるのかなぁと。死んでいるはずの人間を一人生かしているだけでも少なからず影響を与えていそうだし」

「確かに。僕の未来視が真っ暗なことから見てもやはり未来の書き換えがあるのかもしれませんね。近く、大きなことが?」

「そうですね……」

「とりあえず話してみませんか? 僕たちの仲でしょう?」




 やはり薬の一件以降、距離が近い気がする。


 


読了ありがとうございます。

ブクマ・ptよろしくお願いします!


明日はお休みで、金曜更新予定!

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