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(そういえばこの鈴、どこで鳴らしてもいいのよね、たぶん……)
あなたは手に持った鈴を揺らしてみた。
「……」
音が出ない。
そんなはずはなかった。
きっかけは軽い気持ちだったが、あなたはちゃんと思いこめて鈴を振った。
音が出ないのは、なにかに邪魔されているということだ。
背筋が凍りつく。
なんの変哲もない畳敷きの部屋が、急に恐ろしく見えてきた。
ゆっくりと辺りを見回す。──なにもない。
あなたは早足で扉へ向かった。
プロの退魔師からの依頼だ。妖怪少年たちのことも信頼している。
(それでも……)
これは自分に可能なことだったのだろうか。
(ううん、大丈夫。だってわたしが勘違いしてたんだもの)
退魔師たちはあなたに悪霊退治を依頼したわけではない。
それどころか幽体になって結界をくぐる前に、今も悪霊が巣食う二階の西角部屋には近づくなと注意を受けていた。
強い霊力を持つと言われて舞い上がり、調子に乗ってこの部屋に入り、おまけに外に連絡するための鈴で悪霊に攻撃しようとした自分が悪い。
──でも、どんなに頭を振って追い出そうとしても、あなたの心に沸きあがった不安の黒雲は消えなかった。
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