-7 カマキリ-
-7 カマキリ-
子供の頃、秋に野原で鼻水を垂らしながら遊んでいる最中に、トゲトゲの実を体中に付けながらも、そんなバッタとかを意味もなく追いかけながら、ついでにカマキリの卵を拾って家に持ち帰り、それをそのまま机の中にしまっておいたら、サラッとその事を忘れて、そんなモズのはやにえヨロシクな感じで、スクスクとそこで越冬をされてしまい、翌年の春にはそれが一気に羽化しちゃって、家中をパニックに陥れてしまった、とかの経験をした事はありませんか?まあ私は当然ありますよ、しかも二度も。
そこはすっとぼけたところで、托卵されちゃったモズを上手く騙す事みたいには出来ないから、なんせそんな事をするのは私しか居ない訳で、従ってその犯人は当然すぐさま母親からは「ホント、バカなんだから、掃除機で全部吸うまで許しません」と弁解なしで極刑を言い渡されました。
それにしてもモズって、買ってきたお土産をそこらに忘れちゃったり、兄夫婦が泥沼の離婚をして、その上どっちも我が子の親権を放棄しちゃって、仕方なくその子供を引き取ったりする、そんな、なんか結構気の良い、うすら禿げたどっかの係長的な感じですよね。まあそこは私の印象なのですが。
まあ、そんな事はどうでも良いのです。
私が言いたい事は、そのカマキリの卵を産卵する前段階の出来事の事についてです。
カマキリのオスは、もう本能のままエッチがしたくて、だから自身より一回り大きなメスに特攻をかけて、その欲望を一応なんとか成就する訳ですが、その直後疲れ果て、すっかりアンニュイな状態の所をメスがすかさず急襲をかけ、そのオスを食ってしまう事は、かなりの方がご存知の筈。
私はさかなクンチックに、そんな好きこそ物の上手なれとかでも無いので、ある意味成功者の彼の様にはなれませんし、ギョギョとかの持ちネタもないし、そもそもカマキリの生態とかには特別興味が有る訳では無いのです。
格別に私が惹かれる所は、そのリスキーなオスカマキリの行為についてです。
だってそうでしょう?
その一回の行為をするにあたり、その代償が共食いされちゃうって、そこまですげー気持ち良いのだろうか?と。
人間に置き換えたら、オスが「さて今日も食っちゃうよ、ベイビー」ってズコバコよろしくやって、早々と満足をしていたら、そこがどうも中途半端だったメスが、逆に尚更火が付いてしまって、「ああ、これだけじゃ満足しない、こっちも食べちゃうから」って図になる訳ですが、もうそれって、食ったら食われた状態に当たる訳ですが、そこは別に単に言葉の綾ですからね。
でもカマキリの場合は、言葉そのまま、本当に、食ったら食われたなんですよ。
だから考える訳です、そんなオスカマキリの覚悟と同等の、それだけ価値のある行為が果たして私には有るのだろうかと。
うーん、やはりまだ私にはそれって無いな。




