ステラの愛すべき家族
『『『おかえりなさい!!』』』
エントランスホールに皆が集まって、しばらくぶりに屋敷へお帰りになったお父様をお迎えした。
『おぉ、ステラも、ロミオも、ジュリエッタも元気そうだっ!!』
家族の姿を見たお父様は、目を細めとっても嬉しそうにしている。
『おかえりなさいませ、旦那様』
丁寧に頭を下げたセオドアも、笑顔でお父様を出迎えた。
『セオドア、私が留守の間変わったことは何もなかったか?』
『はい旦那様、何も問題はございません。レティシア王妃主催の舞踏会も、無事に終えることができました』
『それは良かった!! ステラはおてんばだからなっ。重要な社交の場で何かやらかしてはいないかと帰路の際、フィリップに気がきではないと話していたんだ!! はっはははーー』
『ふっふふ。見事に堂々と振る舞われていらっしゃいましたよ』
ジャスティン様の足を堂々と踏みつけてきただなんて、口が裂けても言えないわ……
『ご心配なさらずとも、ステラお嬢様でしたら大丈夫ですと、旦那様に申し上げましたとおり、ご立派に務められたようで何よりでございます』
お父様の側に仕えるフィリップがしっかり私をフォローしてくれていたみたいだけど……
ご、ごめんなさい……フィリップ……褒めてくれてるけど……やらかしてきちゃった、、
『フィリップもおかえりなさい!!』
『はい、ステラお嬢様。ただいま戻りました』
お父様の秘書もこなすフィリップは、今やお父様の右腕としてどこへ行くのも常に一緒だから、フィリップに会うのも久しぶりで嬉しいなぁ。
セオドアもお父さんに会えて嬉しいだろうし。
隣に立つセオドアの顔つきもなんとなく和んでいるよう。
実はセオドアも幼少期にお母さんを亡くしているのだ。
私の母様と同じ疫病で。
セオドアのお母さんはこの屋敷で侍女をしていたらしい。
大変気立が良く、綺麗なお方だったと話に聞いている。
是非お会いしてみたかったなぁ。
ーー明日、大切な人が傍にいてくれる保証なんてどこにもないのよね……明日のない別れはあるから……
そう考えると……こうして皆が揃う日は、本当に幸せなことだわ。
お父様にはたくさん話したいことがあるの。
『ステラ、あとで私の部屋へ来なさい。話したいことがあるんだ』
わぁ〜〜やっぱり親子だわ!!!!
以心伝心よ!!
私だってお父様に話したいことが山ほどあるもの!!
『はい、お父様っ!!』
思わず嬉しくって大きな声で返事をしてしまった、、
『僕も父上の部屋に姉上と一緒に行きたいっ!!』
お父様の腕を掴んだロミオが食い入るようにして言う。
『ステラと二人で話したあとに、ロミオとジュリエッタも来ればいいさ。それまで待っていてくれるか?』
『はぃ…… 父上……っ』
しょげちゃってる……ロミオ……
『偉いぞ、ロミオッ!!』
しょんぼりしたロミオの頭を、お父様がご機嫌をとるようにクシャクシャとして撫でる。
ロミオ……ごめんね。
ロミオには悪いけれど……お父様と二人っきりでゆっくり話せる時間がもてるのはありがたいわぁ!!
束の間だけ、私にお父様を一人占めさせてちょうだい。
私もあとでいっぱい遊んであげるから!!
あ〜〜今回はどのようなお土産話を聞かせてくれるのかしら?
お父様のお話はいつも面白くって、小さな頃からお父様がお留守の間、どんなに寂しくても、それだけを心待ちにしながら首を長くして帰りを待っていたのよねぇ。
お父様のお話、楽しみだわぁ!!!!




