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最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


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第163話:第七層 核の光

闇が再び落ちる。


魔脈接続型最終個体が、拳を振り下ろす。


だが――


当たらない。


いや、当たっている。


なのに衝撃が通らない。


アランの周囲、半径数歩。


空間が静かに整っている。


爆発も閃光もない。


ただ、揺らがない。


胸の奥の光点が、確かに回っている。


「……完成したのか」


少年の声がわずかに低くなる。


アランはゆっくりと息を吐く。


痛みはある。


だが乱れない。


《ホーリードライブ》も使っていない。


出力を上げていない。


それでも立っている。


「出力じゃない」


アランが言う。


「基準だ」


胸の奥で、光が一拍強く脈打つ。


《ルミナ・コア》。


未完成だった核が、静かに安定する。


光が外へ噴き出さない。


周囲を包みもしない。


ただ、存在する。


だがその存在が、魔脈の流れを変える。


最終個体が再度突進する。


闇と魔脈を纏い、圧倒的質量で迫る。


アランは踏み込む。


《ルミナエッジ》。


最小出力。


刃が闇に触れる。


その瞬間。


再構築が止まる。


闇の接合点が、自然に“ずれる”。


少年の目が見開かれる。


「……位相を固定した?」


アランは続ける。


《ホーリー・ディバイド》。


だが今度は違う。


核を通して放たれた断線は、単なる分断ではない。


闇と魔脈の接合“前提”を切る。


構造式そのものが崩れる。


最終個体の胸部が裂ける。


再結合が起こらない。


「不可能だ」


少年が低く言う。


「それは僕の体系内だ」


「だからだ」


アランは答える。


「体系の外から触ってない」


「基準を一つ増やしただけだ」


魔脈が揺れる。


だが暴走しない。


核の光が、流量を安定させている。


最終個体が咆哮する。


全出力を解放。


闇流と光流が同時に叩きつけられる。


第七層が裂ける。


だが。


アランは槍を地面へ突き立てる。


《ルミナ・アクシス》。


縦光が立つ。


核を通して固定された軸。


魔脈の揺らぎが整列する。


闇が弾かれるのではない。


整えられる。


最終個体の腕が崩れる。


足が崩れる。


構造が保てない。


少年が初めて、後退する。


「……君は」


「排除もしない」


「支配もしない」


アランが踏み込む。


《ホーリー・ディバイド》。


今度は一直線に、少年の体系接続点へ。


命中。


闇と魔脈の半融合が剥がれる。


少年の身体から光脈が抜ける。


第七層の紋様が停止する。


巨大構造体が崩壊する。


静寂。


魔脈は安定している。


完全な暴走は起きなかった。


少年が膝をつく。


左半身の闇が薄れる。


呼吸が荒い。


「……ここまでか」


アランは槍を向ける。


だが振り下ろさない。


少年が顔を上げる。


「壊さないのか」


「壊さない」


アランは静かに言う。


「お前の体系は、必要だ」


少年の瞳が揺れる。


「だが」


アランは続ける。


「強制接続はしない」


「帝国とも、お前とも違うやり方でやる」


魔脈中枢が、安定した光を放つ。


黒白の流れが、今は穏やかに循環している。


少年は小さく笑う。


「負けだな」


だが、その目は穏やかではない。


まだ終わっていない。


戦争も、思想も。


ただ――


第七層の戦いは、アランの勝利で終わった。


光は爆発しなかった。


だが、世界に新しい基準を刻んだ。


《ルミナ・コア》は完全に目覚めた。



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