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最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


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161/195

第161話:第七層 体系化形態

魔脈中枢が脈打つ。


白でも黒でもない光柱。


透明に近いそれは、内部で幾層もの流れが交差している。


規則正しいはずの脈動が、わずかに揺らいでいる。


その内部へ、闇がゆっくりと侵入する。


少年は一歩、前へ出た。


「ここが交点だ」


足元の闇が、魔脈の根へ触れる。


本来なら弾かれるはずの闇。


魔脈は排除を前提に設計されている。


だが今は違う。


第五層で断層が開いた。


帝国軍の禁術で、接続は“緩んでいる”。


理論上、あり得ない隙間。


「ありがとう、帝国」


少年は本当に静かに言った。


皮肉ではない。


淡々とした事実確認のように。


「君たちが強く押し広げた」


「だから、僕は触れられる」


闇が魔脈へ絡む。


拒絶反応。


閃光。


空間が震える。


脈動が一瞬、乱れる。


だが少年は退かない。


歯を食いしばり、踏み込む。


「普段の僕では届かなかった」


「闇の体系だけでは、この中枢には干渉できない」


「閉じられていた」


「帝国の干渉があって、初めて道ができた」


闇がさらに侵入する。


光柱の内部に、黒い回路が走る。


魔脈が軋む。


まるで拒絶と受容の間で揺れているかのように。


アランが叫ぶ。


「やめろ!」


少年は振り向かない。


その視線は、魔脈の奥だけを見ている。


「これは破壊じゃない」


「再定義だ」


光と闇が、反発ではなく“絡み合う”。


半融合。


少年の身体が浮き上がる。


背後に巨大な黒白構造式が展開される。


数式のような紋様。


体系そのもの。


闇の紋様が、魔脈の流路へ接続される。


少年の左半身が黒く染まる。


右側には透明な光脈が走る。


血管のように、魔脈が身体へ入り込む。


完全融合ではない。


だが――


「体系化形態」


少年の声が二重に響く。


重なり、共鳴する。


「闇は、排除対象じゃない」


魔脈の流れが一瞬安定する。


濁りが整列する。


黒と光が、同じ軌道で流れる。


アランの目が見開かれる。


(……安定した?)


確かに、流れは整った。


だが。


次の瞬間。


過剰接続。


流量が増幅する。


設計上の許容量を超える。


空間が裂ける。


第七層の壁面に亀裂が走る。


魔脈が暴走寸前。


「まだ耐えられない」


少年の表情が歪む。


苦痛が混じる。


「器が足りない」


闇と魔脈が身体を軋ませる。


半融合は不完全。


だが少年は笑う。


血が滲みながら。


「でも、証明はできる」


巨大な構造体が背後に顕現する。


闇の最終戦闘形態。


魔脈接続型。


内部で光流が循環し、外殻は闇で覆われる。


今までの個体とは次元が違う。


単なる戦闘兵器ではない。


“理論の具現”。


第七層全体が震える。


光柱が激しく明滅する。


「止められるか、アラン」


少年の瞳が、真正面から射抜く。


「これが、含める力だ」


闇が一斉に襲いかかる。


魔脈を巻き込みながら。


最終戦闘、開始。


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