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最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


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160/195

第160話:第七層 交点

第六層の紋様が崩れた瞬間だった。


床が抜ける。


闇が開く。


アランの身体が落下する。


光を展開する暇もない。


深い、深い闇。


だが――


衝撃はない。


足が触れたのは、硬い石。


目を開く。


そこは巨大な円形空間だった。


天井は見えない。


空間の中央に、巨大な光柱。


白でも黒でもない。


透明に近い光。


脈動している。


それは帝都魔脈の“中枢”。


地下深層の交差点。


光流と闇流が、極めて近い距離で擦れ違う場所。


「ようこそ、第七層」


少年が背後から歩いてくる。


ここでは霧もない。


隠れもしない。


完全な対面。


「ここが、僕の目的だ」


アランは中央の光柱を見る。


「……魔脈の交点か」


「正確には“接触未完点”」


少年が言う。


「帝国の魔脈は、完璧に循環していると思われている」


「でも違う」


光柱の内部に、微細な歪みが走る。


「交わりかけて、遮断されている」


闇流が、わずかに弾かれている。


「帝国は、闇を排除したまま魔脈を組み上げた」


少年の声は静かだ。


怒りはない。


ただの分析。


「だから不安定になる」


「だから歪みが生まれる」


アランは少年を見る。


「それを、繋げるつもりか」


少年は微笑む。


「その通り」


「僕一人では届かなかった」


視線が魔脈中枢へ向く。


「帝国は、魔脈を強制接続した」


「軍禁術で、深層まで無理やり干渉した」


第五層での砲撃。


断層の拡大。


「そのおかげで、ここまでの道が開いた」


少年は言う。


「ここまで来れた」


「帝国に感謝しないとね」


皮肉でも挑発でもない。


事実としての言葉。


「普段の僕では届かなかった」


「深層は閉じていた」


「でも、帝国が“戦争”を選んだ」


少年が一歩踏み出す。


闇が足元に広がる。


「だから、交わらせる」


「闇も魔脈の一部として再構築する」


アランの瞳が細まる。


「強制接続か」


「違う」


少年の声が鋭くなる。


「対等接続だ」


空間が震える。


第七層の紋様が起動する。


巨大な構造式が浮かび上がる。


闇の体系核と魔脈中枢が重なりかける。


「帝国は“選ぶ”」


「僕は“含める”」


「それだけの違いだ」


アランは槍を構える。


「強制的にやれば、また歪む」


「歪みは、排除されるから生まれる」


少年の目が光る。


「君は、どっちだ」


光柱が激しく脈動する。


闇が絡み始める。


魔脈が不安定になる。


都市へ波及する可能性。


「止める」


アランは言う。


「止めて、やり直す」


「やり直す?」


少年が笑う。


「帝国と一緒に?」


「違う」


アランは一歩踏み出す。


「お前とも違う」


沈黙。


二人の間に、魔脈の脈動音だけが響く。


少年の瞳が、ほんのわずかに揺れる。


「……そうか」


闇が凝縮する。


今までとは違う。


感情が混ざっている。


「なら、ここで決めよう」


第七層の構造が閉じる。


退路が消える。


光柱と闇核が中央で揺らぐ。


「僕を止めるか」


「それとも、帝国が壊れるか」


空間が完全戦闘状態へ移行する。


最終対峙。


闇の少年 vs アラン。


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