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最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


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第150話:撃つな

帝都南東区画・第一層形成域。


黒い紋様が広場を覆い、

石畳は半ば闇の回廊へと変貌していた。


第二層形成、進行中。


「砲撃準備!」


軍の魔導砲が再び展開される。


「目標、構造中心!」


アランが振り返る。


「撃つな!」


声が、夜空を裂く。


将官が、冷たい視線を向ける。


「ルクレディア、退け」


「ここで撃てば、都市構造ごと反転される!」


「仮説だ」


「さっき見ただろ!」


空気が凍る。


背後で闇の少年は、静かに立っている。


止めない。


ただ、見ている。


「命令だ」


将官が言う。


「退け」


アランは、動かない。


槍を構える。


砲門と、闇の中心の間に立つ。


軍の兵がざわめく。


「……正気か」


「撃てないだろ」


誰かが呟く。


「帝国兵に向けて撃つ気か?」


将官の顔が歪む。


「君は、軍命令を妨害するのか」


「妨害じゃない」


アランの声は低い。


「最善を守るだけだ」


「軍の判断が誤りだと?」


「結果が証明してる」


沈黙。


魔導砲の魔力が限界まで溜まる。


発射寸前。


リリアが前に出る。


風を展開。


軍とアランの間に、薄い結界を張る。


「撃つなら、私も貫いて」


将官が、歯を食いしばる。


「学生風情が……」


その瞬間。


闇の少年が、初めて口を開く。


「撃って」


全員が、そちらを見る。


「君たちが撃つほど、

僕は強くなる」


淡々とした事実。


「さあ、証明して」


魔力が震える。


軍は迷う。


一瞬の隙。


闇が動く。


地面から、黒刃が噴き上がる。


軍の前列が吹き飛ぶ。


「防御陣展開!」


混乱。


統制が崩れる。


アランが、叫ぶ。


「全軍、後退!」


将官が睨む。


「指揮権は君にない!」


「今はある!」


《ホーリードライブ》。


光が爆ぜる。


《バッシュ》。


衝撃波で闇刃を押し返す。


《ルミナ・リゾナンス》。


共鳴場が広がる。


都市の魔力乱流が、わずかに鎮まる。


闇の少年が、目を細める。


「やっぱり」


「君は、壊す光じゃない」


アランが、槍を構える。


「帝国も壊させない」


「僕も壊してないよ」


静かな返答。


その言葉が、重い。


軍の後列から、別の声が響く。


「拘束命令、発令!」


黒装束の特殊部隊が、アランの背後に現れる。


「アラン・ルクレディア」


「帝国軍命令違反の疑いにより拘束する」


リリアの顔色が変わる。


「今!?」


闇の少年が、わずかに笑う。


「なるほど」


「君たちの戦争は、内側にもある」


特殊部隊が結界鎖を展開する。


光の拘束術式。


アランを包囲。


「やめろ!」


だが命令は止まらない。


アランは、一瞬だけ目を閉じる。


選択。


軍と戦うか。


闇と戦うか。


それとも――


槍が、強く震える。


拒まれない。


導かれない。


ただ、応じている。


アランが、静かに言う。


「リリア」


「三秒」


彼女は即座に理解する。


風が圧縮される。


アランは足元に光を走らせる。


《ルミナ・シェル》拡張。


拘束結界を受け流す。


跳躍。


闇の少年の前へ着地。


軍と闇の“間”に立つ。


「これ以上は、俺が止める」


少年が、静かに笑う。


「面白い」


背後で、軍が再編成される。


帝都は揺れ続けている。


戦争は、三者戦へと変わった。


帝国軍

そして――アラン


光は、どこに立つのか。


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