表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/195

第142話:軍派閥の動き(アラン拘束案浮上)

直線の長机。


そこに並ぶのは、

軍上層部――将官派だ。


「結論から言う」


先日の司令室でアランを詰問した将官が口を開く。


「ルクレディア家十二子、アラン・ルクレディア。

彼は“戦力”だ」


異論はない。


「だが同時に、統制不能だ」


空気が動く。


「命令を優先しない戦力は、

兵器として致命的欠陥を持つ」


「しかし、彼の戦闘能力は対闇戦において唯一無二です」


副官が慎重に言う。


「だからこそだ」


将官の声は低い。


「唯一無二である以上、

我々の管理下に置かねばならん」


静かな沈黙。


「提案する」


机上に資料が投げられる。


案:アラン・ルクレディアを軍直轄特務隊に編入

名目:対闇特別対策要員

実質:常時監視下配置


「学院所属のままでは不安定だ。

評定庁の“裁量”など、戦場では意味を持たん」


「評定庁が反発します」


「させておけ」


将官は鼻で笑う。


「彼らは理論家だ。

我々は、被害を見ている」


「拘束は?」


一人が、低く問う。


「即時ではない」


将官は、冷静に続ける。


「まずは“同行命令”の強化。

拒否した場合――」


一瞬の間。


「軍法会議の対象とする」


空気が凍る。


「学生ですよ」


「学生であろうが、

帝国に対する戦力である以上、例外はない」


机を指で叩く。


「被害は出た。

責任を曖昧にするな」


誰も、すぐには反論しない。


それが、軍の空気だ。


「ルクレディア家は?」


「公爵家は沈黙している。

動かぬなら、我々が動く」


将官は、最後に言い切った。


「自由な切り札など、存在してはならない」


会議は、静かに終了した。


だが。


廊下の陰で、

一人の将校が、眉をひそめていた。


「……やりすぎだ」


小さく呟く。


軍内も、一枚岩ではない。


同時刻。

評定庁・監察室。


監察官が、机に資料を叩きつけた。


「軍が動いている」


評定官が、目を閉じる。


「予想通りだ」


「拘束案まで出ています」


「……早いな」


静かな沈黙。


「止めますか」


監察官の問いに、評定官は答えない。


しばらくして。


「止める」


だが。


「正面からは無理だ」


軍の論理は単純だ。


被害が出た。

だから統制する。


それは、表向きは正しい。


「学院に動いてもらう」


評定官は、決断する。


「政治戦になる」


帝国魔導学院・中庭。


アランは、何も知らずに槍を振っている。


だが。


空気が、変わっている。


監視の目が増えた。


すれ違う視線が、重い。


リリアが、近づいてくる。


「……何か動いてる」


「軍か」


「ええ」


短い沈黙。


「拘束、かもしれない」


アランは、槍を止めない。


「そうか」


声に、驚きはない。


「怖くないの?」


「怖い」


即答。


「でも」


槍が、風を切る。


「俺が逃げたら、

全部“軍の正しさ”になる」


リリアは、歯を食いしばる。


「派手に行くわね」


「始まったばかりだ」


遠くで、鐘が鳴る。


帝国は、外だけでなく内でも揺れ始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ