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第二章 庇委籠 ⑨

 中に入ると祝音さんがソファでくつろいでいた。祝音さんがこちらを向いた。

「ただいま」

「おかえり」

「今からお昼を作るのですが、何か食べたいものがありますか?」

「特にないです」

「では、そうですね。今から挙げる中から選んでください。うどん系なら、肉うどんとかきつねうどん、かき揚げはできるけどちょっと面倒。あとは、アスパラの豚バラ巻き、おにぎり。まだ、作ってほしいものがあれば作りますよ」

「う~ん。おにぎりでお願いします」

「分かりました。」

「手伝いたいです」

「分かりました」

 具は何が良いだろうか。とりあえず、冷蔵庫にあるものを見てみるか。冷蔵庫にあるのは……。う~ん。特に良さそうなものがないな。梅もないし、昆布もない。定番系は塩とおかか以外作れそうにないな。じゃあ、お肉はあるからしぐれ煮でも作っていれよう。それから焼きおにぎり。おかかは焼きおにぎりにしよう。他は、野菜系を作りたいけど。漬物があるし、漬け物でもいれよう。よし。では作ろう。そういえば。ご飯を炊いてないな。どうするか。今からでは時間もかかるだろうし、もらってこようか。

「すみません、ご飯を炊いてなかったので食堂に連絡をしてご飯を分けてもらいにいってきます」

 早速食堂に連絡をした。取りに行くということだったのだが、届けてくれるそうだ。おにぎりも作るという風に言ってきたのだが、一緒に作ってコミュニケーションを取りたいと言うと了承してもらった上にこちらの方まで送ってくれるそうだ。

「ご飯は、送ってくれるそうなので私たちは中の具材でも作っておきましょう」

「了解です」

「そうですね。まずは、エプロンに着替えて、手を洗いましょう」

「はい」

 エプロンに着替えると二人とも手を洗った。これは重要だ。食中毒にならないように気を付けなければ。特に他人に食べてもらうには重要だ。

「はじめに作るのは、しぐれ煮です」

「しぐれ煮って何ですか」

「え~と。ショウガを加えて、醤油でとかで似た料理です」

「へぇ~」

 改めて聞かれると少し困りますね。こういう質問は、何となく作っているのでどんなものか聞かれると分からないものですね。さっきの説明もあっているかよく分からないですし。

「祝音さんは今から出すお鍋に醤油をまず、え~と大さじ4入れてください」

「大さじ4ですか?」

 祝音さんは大さじが分からなくてあたふたしている。小学生は調理実習とかもやっているし、何となくわかるかなと思ったけど。無理か。

「え~と。この計量スプーンを満杯まで量って鍋に4回入れてください」

「はい、わかりました」

 祝音さんが醤油を入れている間に肉を細々と切った。祝音さんは、計量スプーンギリギリに入れるのを一生懸命している。自分は結構こういうのは適当だから、そんなに丁寧にはやらないな。後から、味見しながら整えることの方が多いしな。入れ終わったぽいな。

「次にみりんを大さじ3入れてください」

「はい、これですね」

 祝音さんは、みりんを手に取るとまた丁寧に鍋にみりんを入れ始めた。その間に私はショウガを取り出し、細切りにしておいた。

「次は、料理酒を大さじ3入れてください」

「は、はい」

 料理酒を取り出すと少し、戸惑いながら入れ始めた。あ~、そうか。お酒だもんな。

「変わりましょうか?」

「はい、お願いします」

 においももしかしたらだめかもしれないから、変わった方がいいだろう。料理酒を大さじ3、今回は丁寧に量りながら入れた。

「次は、砂糖ですね。大さじ2と半分入れてください」

「はい」

 祝音さんは砂糖を量りながら入れた。丁寧だな。しっかりと摺り切りまでして。

「これで、一通り終わたのであとは煮るだけです。あとで、好みに合わせて調整するので安心してください」

 ショウガ入れてから火を入れ、沸いてから肉を入れた。煮ている最中にご飯を持ってきたと連絡が入った。

「すみません、ご飯が届いたそうなので取りに行ってきます」

 火を止めて、外に出て連絡門まで行き、ご飯を取りに行ってすぐに戻った。

「すみません、待たせて。再開しましょう」

 火をまた入れて灰汁が出てきたら祝音さんに取ってもらった。その間におかかの準備と漬物の水分を取っていた。終わって祝音さんの方に行ってみれば、出来ていた。あとは、少し冷ましてから使う分だけ残してタッパに入れて冷蔵庫の中に入れて置いた。

「では、今からおにぎりを作ります。ここに具材あるのでご飯をとって中に好きな具材を入れておにぎりしましょう」

「はい」

「このようにラップを使うと手は汚れないのでどんどん作ってください」

 祝音さんはしぐれ煮を入れたようだ。私は焼きおにぎりでも作っておくか。ご飯をラップの上に少し平べったくおき、その上に醤油に漬けた鰹節をのせ、少し強めに握って、見たことがある三角形の形にした。そこに醤油を塗りトースターにクッキングシートをのせ、その上に醤油を塗ったおにぎりをのせた。そして、焼けた醤油の香ばしい香りが出るまで焼くことにした。その間に祝音さんは綺麗なおにぎりを作るのに苦労していた。祝音さんの小さい手では、少し難しいようだ。頑張り屋さんなのかもしれないな。ものを作るのももしかしたら好きかもしれないな。相談の時の話のネタとして持っておこう。私も祝音さんと談笑をしながら、おにぎりを作った。できた。でも、多いな。まぁ、いいか。また別の時に食べるか。事務の人に渡すのはどうだろうか。やめておいた方がいいか。でも、一回、祝音さんが触ったものからはダメなのかは聞いてみようか。私たちが使った車から調べてそうだけど。少し考えごとをしていると祝音さんに食べようと言われた。

「では、いただきます」

「いただきます」

 おにぎりは美味しかった。やっぱり、祝音さんはお肉系のものが好きなのか。まぁ、今回、野菜は漬物しかないし、漬物は子供にはあまりかもしれないな。祝音さんの好みの把握をしながら、食事を楽しんだ。

「「ごちそうさまでした」」

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