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紗奈と安心の物語  作者: たい


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雪景色の宿


第四十五話では、四人が温泉旅館へ到着します。


雪景色と温泉に囲まれた冬の旅が本格的に始まります。



長い移動を終えた四人は、夕方前に目的地の温泉街へ到着した。


駅を降りると、冷たい空気が頬を撫でる。


「寒い!」


美咲が肩をすくめた。


「でも気持ちいいですね」


悠斗は白い息を吐く。


道路の脇には雪が積もっていた。


屋根の上も真っ白だ。


「本当に雪だ……」


莉奈は思わず足を止める。


写真では見ていた。


けれど実際に目の前で見る景色はまるで違った。


静かな冬の世界。


吐く息が白く空へ消えていく。


「来てよかったね」


紗奈が微笑んだ。


「うん!」


美咲は嬉しそうに頷く。


旅館までは送迎車で向かうことになっていた。


車窓から見える景色も美しかった。


雪化粧をした木々。


静かな山々。


温かな灯りの並ぶ温泉街。


やがて目的の旅館が見えてくる。


雪の中に佇む落ち着いた建物。


「すごい……」


莉奈は思わず見入った。


まるで絵本の中に入り込んだようだった。


チェックインを済ませる。


案内された部屋へ入った瞬間、


美咲が声を上げた。


「広い!」


和室に大きな窓。


窓の向こうには雪景色が広がっている。


そして窓際には小さなテーブル。


ゆっくり景色を眺められるようになっていた。


「いい部屋ですね」


悠斗も感心している。


紗奈は窓際へ歩いていく。


外では静かに雪が降っていた。


「落ち着くね」


その言葉に全員が頷く。


荷物を置いて一息つく。


「温泉どうする?」


美咲が聞いた。


「先に行こうか」


紗奈が答える。


全員賛成だった。


それぞれ荷物を整理する。


旅行中の準備も含めて、


もう慣れた流れだった。


誰も慌てない。


誰も特別視しない。


安心して旅を楽しむための、


いつもの準備だった。


しばらくして四人は大浴場へ向かった。


広々とした浴場。


湯気の向こうに見える雪景色。


「わあ……」


莉奈は思わず声を漏らす。


露天風呂から見える雪景色は想像以上だった。


静かに降る雪。


白く染まった木々。


温かい湯気。


時間がゆっくり流れているようだった。


「気持ちいいね」


美咲が空を見上げる。


「うん」


紗奈も頷く。


悠斗も静かに景色を眺めていた。


温泉を満喫した後、


四人は部屋へ戻る。


「気持ちよかったー!」


美咲が畳の上へ座り込んだ。


「本当に」


紗奈も笑う。


悠斗はお茶を淹れる準備を始める。


莉奈は窓の外を見た。


雪はまだ降り続いている。


部屋へ戻ると、


四人はそれぞれ自然に夜の準備を済ませた。


誰かが特別に何かを言うこともない。


安心して過ごすための、


いつもの流れだった。


準備を終えると、


再びテーブルの周りへ集まる。


温かいお茶。


雪景色。


仲間たちとの時間。


それだけで十分幸せだった。


「夕食も楽しみだね」


美咲が言う。


「食べることばかりですね」


悠斗が笑う。


「大事なことだもん!」


その返事に全員が笑った。


窓の外では雪が静かに降り続いている。


冬の旅はまだ始まったばかり。


たくさんの思い出が、


これから四人を待っているのだった。


第四十五話のテーマは「落ち着ける場所」です。


美しい景色と温かな時間。


そして一緒に過ごす仲間たち。


それが四人にとっての安心できる場所なのでした。

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