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紗奈と安心の物語  作者: たい


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はじめての約束


第二十一話では、旅行後に四人が再会します。


旅の思い出を振り返りながら、莉奈は少しずつ「安心」の意味を理解し始めます。



旅行が終わってから一週間。


紗奈は仕事帰りにスマートフォンを見ていた。


四人のグループチャットには、相変わらず賑やかなメッセージが並んでいる。


美咲が送った写真。


悠斗が撮影した景色。


そして莉奈からのスタンプ。


旅行が終わったのに、旅はまだ続いているようだった。


⸻


「ねえねえ!」


その日の夜。


美咲からメッセージが届く。


「今度みんなで集まらない?」


すぐに既読が付いた。


「いいですね」


悠斗が返事をする。


「私も行きたいです!」


莉奈も続いた。


紗奈は思わず笑う。


「じゃあ予定合わせようか」


それだけで話はどんどん進んでいった。


⸻


数日後。


四人は駅前のカフェで再会した。


旅行以来の顔合わせだった。


「久しぶり!」


美咲が元気よく手を振る。


「そんなに経ってないのにね」


紗奈が笑う。


莉奈も嬉しそうだった。


「なんだか久しぶりな気がします」


悠斗も穏やかに頷く。


「分かります」


四人は席についた。


⸻


旅行の話が始まる。


あの展望台。


雨の日の待合室。


旅館の朝食。


商店街の散策。


思い出話は尽きなかった。


「今なら笑い話だね」


美咲が言う。


「そうですね」


悠斗も笑う。


莉奈も少し照れながら頷いた。


「あの時は本当に必死でした」


その言葉に四人は笑った。


⸻


しばらくして。


莉奈が少し真面目な顔になる。


「実は……」


三人が顔を向けた。


「旅行から帰ってから考えてたんです」


静かな声だった。


「安心のこと」


紗奈は優しく頷く。


莉奈は続けた。


「今までは、何も起きないようにって考えていました」


「でも、それだけじゃないんですね」


美咲が嬉しそうに笑う。


「うん」


「少し分かってきた気がします」


莉奈はそう言った。


⸻


紗奈はその言葉を聞いて嬉しくなった。


少し前までの自分を思い出したからだ。


不安ばかり見ていた頃。


何も起きないことばかり願っていた頃。


けれど今は違う。


準備がある。


仲間がいる。


だから前へ進める。


莉奈も、その一歩を踏み出したのだと思った。


⸻


帰る時間が近づいた。


美咲が突然言う。


「次は日帰りでどこか行こうよ!」


「また旅行ですか?」


悠斗が苦笑する。


「いいじゃん!」


美咲は楽しそうだった。


莉奈も笑う。


「私も行きたいです」


紗奈も頷いた。


「賛成」


四人は顔を見合わせる。


そして自然と笑った。


⸻


旅行は終わった。


けれど友情は終わらない。


新しい約束ができた。


新しい楽しみもできた。


安心できる場所は、少しずつ広がっていく。


その中心には、いつも仲間がいた。


四人の物語は、これからも続いていくのだった。



第二十一話のテーマは「約束」です。


旅は終わっても、人とのつながりは続いていきます。


そして新しい約束は、新しい思い出の始まりでもあります。


四人の関係は、これからさらに深まっていくことでしょう。

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