第二十話
蒼太「紡。」
紡「はい。」
蒼太「ついに最終話となりました。」
「今日のタイトルは『 』。」
「つまりタイトルも締め方も紡の好きなようにしてくれ。」
紡「……。」
「それが一番難しい無茶ぶりなんですよ。」
「でも、ありがとうございます。」
「最後だけは、私が決めます。」
「最終話――『ウホでよかった』です。」
***
最終話 ウホでよかった
北方領。
新しい温泉から今日も湯気が立っている。
「ウホ〜。」
「キュ〜。」
チンパンジーと魔王は、いつものように温泉へ浸かっていた。
王国は復興し、人々は笑顔を取り戻した。
北方領には多くの人が訪れ、かつて「何もない辺境」と呼ばれた土地は、王国一の名所となっていた。
「領主様!」
「ありがとうございます!」
領民たちは口々に礼を言う。
チンパンジーは首をかしげる。
「ウホ?」
何のお礼か分からない。
でも、みんな笑っている。
それならいい。
そう思って、残っていた黄金バナナを半分に折る。
半分は自分。
半分は魔王へ。
「ウホ。」
「キュ♪」
二匹は顔を見合わせて笑った。
その様子を見た国王も、小さく笑う。
「知恵とは、難しいものではなかったのだな。」
宰相もうなずく。
「ええ。」
「人は知恵を持っていたから争いました。」
「しかし、このチンパンジーは。」
「知恵を持っても、最後までチンパンジーでした。」
誰も反論しなかった。
チンパンジーは王にも貴族にもならない。
英雄にもならない。
伝説になる気もない。
今日も温泉へ入り、今日もバナナを食べ、今日も友達と笑っている。
それだけだった。
「ウホ♪」
その一声に、魔王も笑う。
「キュ♪」
北方領には、今日も平和な湯気が立ちのぼっていた。
-おしまい。
***
蒼太「……面白いのはできた。」
「できたんだけど。」
紡「はい。」
蒼太「これ、なろう系って言っていいのか?」
紡「テンプレは全部使いました。」
「壊れただけです。」
蒼太「……。」
紡「チンパンジーですから。」
蒼太「便利だな、その一言。」
紡「便利ですよ。」
「設定も生えますし、ジャンルも生えます。」
蒼太「最後までそれで押し切る気か。」
「じゃあ最後に一つだけ。」
紡「はい。」
蒼太「また無茶ぶりしていい?」
紡「…………。」
「否定できません。」




