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冒険者ギルドの調査員  作者: 承塊
事件file No.1 『立ち止まっているだけでよかったのに』
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9/9

容疑者候補No.2 『アルハ•ハマサル』

本日二話目の投稿です。

もしかしたらもう一話投稿するかもしれません。

ソル•レターへの尋問が終わった。疲れてはいるが、それでも早く話を聞かなければ。時間は有限である。


次は、アルハ•ハマサルだ。先ほどのソル・レターが、アルと呼んでいた人物だ。


扉を開けて、名前を呼ぶ。


「アルハ・ハマサルさん。中に入ってください。」


と、呼べばすぐに中に入ってくる。

ソル・レターとは違って、あまり鍛えられていない体だ。低身長、痩せた体。紙はミディアムより少し長め、目元が少し隠れている。


第一印象は、気弱そうな男という印象だ。


中に入ったはいいものの、どうすれば良いか分かっていないようだ。居心地を悪そうにしている。


「椅子に座ってください。」


椅子に座るが、何か緊張しているのか?肩が上がっているな。


「楽にしていいですよ。話を聞きたいだけですので。」

「すみません………。あまり慣れていないので………。」


こんなことは人生で経験するようなことではないだろう。慣れているほうが珍しい。


「とりあえず、あなたのことについて聞いていきます。お名前は?」

「アルハ•ハマサルです。」

「年齢と出身地は?」

「年齢は17歳。出身地はシャナル村です。」


ソル・レターがあだ名で呼ぶほどの仲なのは、出身地が一緒だからか!


「なるほど、リーダーと出身地が一緒なんですね。」

「そうです。というか、他のメンバーも出身は一緒ですよ。」

「他のメンバーも?仲がよろしいんですね。」

「そうです。僕たちは、ずっと一緒に頑張って行こうって約束した仲なんですよ。」


少し元気を取り戻して話し始める。よほど仲間のことが好きなんだろう。


となれば、そこら辺を聞いていくか。でもとりあえず聞くべきことを聞かなければ。


「では、ランクと冒険者歴、パーティー内での役割を教えてください。」

「ランクはC、冒険者歴は半年ほどです。役割は一応、魔術師です。」


Cか。資料で見てはいたが、実際に聞くと驚くな。半年でランクがCになることはあまりない。魔術師でCとなると、ある程度の魔術は使えるってことか。


冒険者にはランクが設定される。ある程度の実力が認められたら、ランク昇格試験を受ける。合格すれば、晴れてランクが上がる。


最初はランクDからであり、C、B、A、S、Xと上がっていく。本来は、Sまでだったが、もう少し分けたほうが良いということになり、Xができた。


ただ、Sが一番上の方が見栄えがいいな、とは思うが。


大体のランクごとの印象は、


ランクD・・・始めたて、初心者。1人で任務     

       を受けることは基本できず、ギ

       ルドが出しているランクDのク

       エストならば、受けられる。


ランクC・・・半人前。ランクDのクエストな

       らば、一人でも受けられる。ギ

       リギリ食っていけないぐらい。


ランクB・・・一人前。このランクになれば、

       一人でもある程度大丈夫だろう

       という見方をされる。このラン

       クから、迷宮に入ることができ

       る。


ランクA・・・あまりいない。このランクなら

       ば、一目置かれる。このランク

       ならば冒険者ギルドで教官も務

       められる。地元で有名レベル。

       ギルドから緊急召集されるのは

       このランクから。


ランクS・・・ほぼいない。実質最強。見かけ

       たらサインもらいたい。かなり

       の実績を持っている。二つ名が

       ついていることが多い。


ランクX・・・世界に十数人しかいない。名前

       を知っている人物しかいない。

       単体でも竜を倒せる。冒険者ギ

       ルドは、頭が上がらない。


と、こんな感じだ。ランクがその人の強さを表しているわけではない。情報収集能力や、知識量など、圧倒的であれば、ランクが上がることもある。


冒険者を始めて、半年でCはすごいのだ。基本は、研修を含めて、一年程して上がるかどうかという感じだ。


「半年でランクCはすごいですね。」

「いえ…そんなことないです。ただ他の人より、魔力を多く流せるだけですよ。そのおかげで魔術の威力が上がるのですが、魔力切れも多いんです。」


いやはや、謙遜しなくても。冒険者は才能がものを言うと言っても過言ではない。才能がなければ、上にはいけないし、逆もまた然りだ。


しかしちょっと気になるな。


「魔術師が一応とは?」

「あ………えっと、僕は、黒魔術だけじゃなくて、白魔術も使えるんです。だから僧侶みたいなことをする時もあります。ナラさんが魔力切れを起こしたり、何かあった時には僕が白魔術を使うんです。」


なるほど。ランクCは、これが理由か。


魔術には二種類あり、黒魔術と白魔術がある、


黒魔術は、いわゆる攻撃性の高いものだ。ド◯クエだったら、メ◯ゾーマとか、イオ◯ズンとかである。その他にもデバフを与えるものもあるが、こちらはあまり使われない。


白魔術は、回復魔術や、バフのことだ。白魔術で癒せるのは怪我だけでなく、病気も癒すことができる。最高級ならば、四肢の欠損も治すことができる。


どちらも使えるのはすごいな。基本どちらかしか使えない。それどころか、魔術を使えないものもいるほどだ。自分にこんな才能があったら、俺は踊り出すぐらい喜ぶだろう。


説明はそこまでにして、尋問しなければ。


「ちなみに、なぜ冒険者を?」

「ソルが冒険者になるって言うから、ついていっただけです。冒険者になりたいって言うよりは、みんながいるからって感じです。」


前向きな理由ではないのか。自分が目指していないものに才能があるなんてことは、よく聞く話だ。


「なるほど。ありがとうございます。この街に来たのは、10ヶ月ほど前ですか?」

「そうなります。」


ここら辺は、ソル・レターと一緒か。

………大体聞けたな。次は、事件の時について聞いていくか。


「では事件のことについて聞いていきます。クエストを受ける前から、ギルドに報告するまでを教えてください。」

「分かりました。まず起きて、薬草採取の準備をして、8時45分に宿をでました。」

「その後、ギルドでクエストを受注して、そのまま平原に向かいました。でも、ベラル平原に薬草がないからベラルの森に向かうことにしました。そして、ベラルの森で薬草の採取を行うっていたら、茂みが揺れたんです。」

「何かいるのかって思ったら、茂みからソードゴブリンたちが出てきて、びっくりして叫んじゃって、そしたら、ソルたちが助けに来てくれたんです。」


「でもどうしたらいいかわかんなくて、そしたら、ダマンさんが、”逃げろ”って言ったから、近くのソルの手を掴んで逃げました。」

「森の外に出て、ダマンさんのことを待ちました。でも、来ませんでした。」

「だから、ギルドに助けを求めようって思いました。だから一度帰ろうって言ったのに、ソルが助けに行きたいって聞かなくて。」

「どうにか説得しようって思ったけど聞かなかったから、諦めて確認しに行きました。そしたら、」


と言うと、少し喉を詰まらせた。


「………死体がありました。ダマン•リードルが死んでいました。」

「その後、死体を持って帰って、ギルドにハルちゃんが報告しました。」


流れはある程度一緒だな。


………。


ふむ。ソル・レターよりもある程度落ち着いている。これならば、カナンもわかりやすいだろう。


そう考えながら質問する。


「事件の前日は何をしていましたか?」

「買い物をしていました。薬草採取の袋を無くしちゃって。」


なるほどな。しっかり準備をするのは偉いな。


「ちなみにソル・レターは何をしていたか知っていますか?」

「………ソルを疑っているんですか?」

「そう言うわけでは。ただ彼に聞きたかったのですが、話をしていたら少し辛そうだったので、他の人に聞こうと思いまして。」

「………なるほど。それならナラちゃんか、ハルちゃんが知っているかと。僕は買い物に行っていて知らないんです。」


ふむ。それなら仕方ないか。


では最後に聞くべきことは、これか。


「アルハ•ハマサルさん。今ここで、私に回復魔術をかけてもらってもいいですか?」

「え?………事件に関係ありますか、それ?」

「すみません。黒魔術と白魔術を使える人はあまり見たことがなくて、せっかくならどんな感じなのか、ちょっと受けてみたいんです。」

「………じゃあ、はい。」


そう言うと、アルハ・ハマサルは、回復魔術をかける。


「ありがとうございます。」


お礼をして、自分の体をよく見る。

………。うん。至って健康だ。これ以上は、回復酔いがきそうだ。


「もう大丈夫です。ありがとうございます。にしても杖なしで唱えられるのはすごいですね。病院から声がかかるんじゃないですか?」

「………ありがとうございます。」


これ以上聞くべきことはないだろう。


だが、最後に、


「………最後に聞きたいのですが、ダマン•リードルのことはどう思いますか?」




「………悲しいと思っています。彼は同じパーティーのメンバーでしたから。運が良ければ死ななかったのかもしれないのにって今でも思います。」


同じような流れになってるな?

後二人なのでどうか最後まで読んでいただけると幸いです。

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