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1話 メビウスの輪

「やっぱこの日だよねぇ……」

ワンルームで目覚めたゲッツが呟く。

今日の夜、パーティがある。そこで妻と知り合う。だがパーティに出席したのでは夏星真央は救えない。

ゲッツはパスポートを手に取り鞄へ——


「——ダメだったら次(・)は(・)謝ろうかね」

ゲッツはパスポートをシンクへ放り投げた。代わりに認識票を首から下げ、軍服に袖を通す。


いずれの歴史においてもドイツ軍の戦闘機が千葉県に着陸したことはなかった。

喧々轟々。周囲のパニックを他所目にゲッツは駆け出す。

そして数時間後に見つけた。公園だ。


今までこの時間帯に日本にいたことはなかった。当然、安堂少年はいない。それどころか公園には誰もいない。まだ正午だからだろう。

ゲッツは辺り一面を爆破した。手榴弾で。


「世界的な犯罪者は誕生し、日本はパニック……規模は小さいけどこんなとこかな」


歴史を大きく変えずに事実をすり替える。タイムリープものにはよくある解決手段だった。

そして今回は公園を消してみた。まともな親、学校なら生徒は直帰させて家で軟禁だ。マオ少女が死ぬことはない。


前回、前々回は交通事故の方をどうにかしようとしたがマオ少女は助からなかった、登場人物と展開が多少変わるだけだった。願わくば、これで最後に。


ゲッツは認識票を安堂の実家に投函し、戦闘機へと駆ける。今回はパーティに間に合わせるためだ。

過去2周出会わなかった嫁のドレスの裾を踏んでやるのだ。

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