自立、自立 ♪ 強制終了のお知らせ ♪
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★自立できました、本編終了です?
(嘘です)
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とうとう二回目ご招待契約終了日。
わたしは首都のはずれに一軒家――通称ブナハウス――を勝ち取りました!
頂くものは頂いたし、これで伯爵家とは完全におさらば!
反対されるかもしれないと思ったので、ブナハウスの件についてはランベール様には黙っていた。
終了日には、前回同様ランベール様がウォルティーさんと一緒に迎えに来た。セレーナさんとタンディーさんも一緒にウエスト邸から離れることに。
ゲットした一軒家のことをランベール様に白状したら、『なぜ事前に言わなかったんですか!?』と、滅茶苦茶怖い顔をされた。
ジェシー・ウエストからプロポーズされたことはまだ内緒ですのよ。
何とそのとき、ランベール様から、『養女になりませんか』と提案されたのだ。
(わたしが娘に? ランベール様はパトロンではなくなるの?)
初恋は実らないって言うものね。
言っておくけど、アイラ・サウスになってからの初恋だから。北橘佳奈としてではないから。佳奈の初恋はショボい男子同級生だから、ハンカチを交換しただけの。今思えば実らなくてよかった。
しかも、サウス家タウンハウス周辺の土地がわたしのものになるらしい。その手続きが進んでいるとか。
まさか、わたしが地主になるとは。
という訳で、まっすぐブナハウスへ行くつもりがギーズ邸に変更になりました。遺産相続手続きを済ませたのち、わたしは説得されてギーズ家の養女になったのである。
待っていたのはパーティー三昧。
ミシェルの超絶技巧ピアノが鳴り響く。
シェフのジャン・ジロー特性キッシュが飛ぶように無くなる。
知らない人たちがゾロゾロやって来てはわたしに手の甲キスをする。
「我が家のお姫様のお披露目です、目いっぱい着飾りましょう。ところで奥様は、義娘のお披露目パーティーに出席しないのですか?」
「好きにすれば? しばらくセントレに帰るわ」
「帰る?」
「里帰りよ」
「あ……あぁ、そうですか……それでは奥様、僕もときどき様子を見に行きますから、近況などお知らせください。フリップに聞いた方がいいですか?」
「フリップは関係ないわよ」
エレン奥様は二人の侍女と屋敷を去った。
(わたし、奥様に歓迎されてなかったの?)
※
ジェシー・ウエストから頂いた一軒家、ブナハウス。
二階建てのこじんまりしたイエローハウス。リゾート風の洒落たプチペンションっぽい。日本人から見たら高級別荘ですかね。
サウス邸の三分の一くらいだけど、一階はキッチン・ダイニング・大小のリビング、二階に三部屋とバスルーム、三階は使用人のトビーさんとリタさん夫妻の居住部屋と物置。
ジェシー・ウエストから侍女を付けようと言われたけれど、ウエスト邸との繋がりが切れなくなるので断った。そしたらセレーナさんがやって来た。
ギーズ出版社の人なのに、わたしの侍女なんてしていてもいいの?
タンディーさんはゴルフクラブの支配人に戻りました。
元祖アイラはタンディーさんが好き――だけどゴメン、その恋は叶えてあげられない。でも心配しないで、ときどき会いに行くから。
※
アイラの両親から受け継いだ旧サウス邸は『アイラ邸』というミドルクラスの下宿人用屋敷に改装することにしました。管理人はライオネルさん。家政婦長はマリオンさん。
これならサウス邸周辺からの土地代と下宿代が入るし、一生結婚しなくても大丈夫。女流作家としての足がかりもなんとか掴めそうだし。
結婚?
必要ないかな。
しばらくは二度目の青春を楽しみたいものね!
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転生3年目にして手にした真の自立!
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わたし――アイラ・サウス、十八歳。北橘佳奈としては二十七歳。サウス家から独立して小説家やってます。
ジェシー・ウエストから紹介されたという使用人さんは、トビーさんとリタさんという中年のご夫婦。小さい屋敷だし、わたしは掃除も料理もそれなりにできるので、十分です。あ、洗濯は下着くらいなら何とか。
ありがとうジェシー・ウエスト。ランベール様の大きな肖像画のナナメ下くらいに、あなたの小さい肖像画を飾ってもよろしくてよ。
この世界でつかんだ青春。伸び伸びしたひとり暮らし。
何時に起きても寝ても、いつ小説を書いても自由。食事もわたし好み。
ただしギーズ出版社のスパイ、セレーナさんに見張られている。
「筆の進みが遅くありませんか」
「は、はい、頑張ります」
ジェシー・ウエストですって?
アレは異界の魔王『フェロモン大王』ですのよ。契約時に渡された指輪はもちろん返却しましたよ。プロポーズなんかされちゃったけど、アレはわたしをお屋敷という監獄に縛り付けるだけ。子供が欲しいなんて言われたら恐怖しかない。だって、この世界の医療水準ってどうなの?
そして忘れてはならない、タンディーさん!
わたしに言葉を教えてくれた人。北橘佳奈を取り戻してくれた人。元祖アイラのお兄ちゃん。
みんなの支えがあって今のわたしがいる。
その後ランベール様から聞いたことなのだけど、サウス叔父は足と目に致命傷を負って車椅子生活、エリーゼはカレドニア伯爵家長男と結婚したそうな。
※
緑は濃さを増し、庭の花々が次々と咲き、二作目の長編小説『薄幸令嬢は咲き乱れる(フリップ修正 悲劇の令嬢/百花繚乱官能の日々)』が出版された。なぜか十八禁になっていた。犯人はたぶんあの人。最近知ったんだけど、エレン奥様のパーティー用ペット。
確かにフリップさんは見目麗しい青年、女性誌用のデルモみたいですよ?
それでもってペット。よく分からない世界。
わたしは直射日光を避け、庭園のガーデンテーブルのチェアで侍女のセレーナさんとティータイムを楽しみながら、物思いに耽っていた。
セレーナさんは首都に詳しいし、話題も豊富なので、友達感覚。侍女といってもギーズ出版社の社員なのだから。
最近はランベールお義父様と一緒に行動することが多い。
義理とはいえ父娘だものね!
出版社へ行くときも、パーティーに行くときも。
伯爵様? どうしようかしらね。
「とうとう目標の【自立】を果たしたわ! わたしの物語はこれで終わり、ヲ〜ッホホホホホ!!!」
これまで読んでくださった読者の皆様方、誠にありがとうございました!
『転生薄幸令嬢の奇妙な愛人契約』終了のおしらせ。
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『これで終わりと思うなよ!』
ジェシー・ウエスト談
『おやおや伯爵様、アイラとは何の約束もしていないのでしょう、クックックッ』
ランベール・ギーズ談
~完(違います)~
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☞義娘にしたアイラをランベール・ギーズが手放すはずがありません。ジェシー・ウエストもこのままブナハウス(ちょっとした秘密有)にアイラを置くはずもありません。これから二人のナイトの壮絶な戦いがはじまります。勝利するのはアッチか、コッチか、それとも?
☞三角関係のラストに向かって少しだけ盛り上がる予定です。
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