第74話
東高。
四つある高校の中で成績優秀な者のみが入学することができる学校である。
その中でも成績優秀かつ運動神経も抜群で、異性からも人気があるという、まるで絵にかいたようなハイスペック高校生がいた。
その名も、高渕清。
そんな彼は東高の生徒会長でもあるのだ。
「では、生徒会会議を始める」
生徒会室に集められたのは高渕を含めた合計四名。
副会長、須藤静姫。
書記、細山毅。
会計、眞城咲。
四人とも正義感あふれる生徒であり、同時に全員ビースト使いでもある。
ビースト能力に覚醒する条件として、深い絶望に陥った者に手を差し伸べるがごとく、ビーストカードは出現する。
しかし例外もある。
彼らは別に何かしろの絶望に陥ったわけではなく、強い正義感故にビーストカードに選ばれたというレアケースの集まりなのだ。
奇跡か偶然かは不明だが、こうして強い正義感故に集結したビースト使いが、生徒会室に集まり、一つのチームとして活動している。
これから生徒会会議というものを行うらしいが、それは表向きの行事であり、本当はビーストを利用してあくどいことをしている者を懲らしめるための会議なのだ。
「今回の議題はこれだ」
清がホワイトボードを叩いた。そこにはこう書かれていた。
『謎の施設の解明』
「ここ最近各校の女子生徒が怪しげな場所に出入りしているという情報が入ってきた。その中には我が東高の女子生徒も含まれている。名誉ある東高の顔に泥を塗るようなことだが、これにはどうもビースト使いが絡んでいるらしいんだ」
「どうしてそのようなことがわかるんですか?」
聞いてきたのは副会長の須藤だった。
「目撃者の証言によると、その怪しげな場所に入っていった女子生徒たちは、まるで操られているかのような目をしていたというんだ」
「つまりなんらかのビースト能力が関わっていると?」
「ああ。それにこれは女子生徒たちだけの問題じゃないんだ。君たちは『突風』という代物を聞いたことがあるかい?」
小さく手を挙げて「それなら聞いたことがあります」と静かに答えたのは会計の眞城だった。
「たしか以前少年院から脱走した少年が使用していたと言われている覚せい剤のことですよね?」
先原盛幸の事件は東高生徒会もある程度把握していた。
本来ならば自分たちで解決しようとしていたビースト事件だが、永一たちに先を越されてしまったのだ。
「ああ。その覚せい剤がその場所で使用されているらしい。これはビースト使いを懲らしめるだけの問題ではないということだ」
するといきなり席を立って元気ハツラツな声を上げてくるものが一人。書記の細山毅だ。
「なるほど! 今回の事件は怪しい施設を仕切っているビースト使いの退治と、悪い薬を使用している人たちを解放してあげるための戦いですね! わかりました会長! 僕ぁイッコーにOKです! さっそくその施設に潜り込みましょう!」
「了解しました。すべては学園の平和のために」
「私もいつでも行けますよ、会長」
テンション高めの細山と、クールな眞城、そして高渕に対して忠実な須藤、三人の了承を確認した高渕はホワイトボードを叩きながら宣言した。
「僕たちの力でこの事件を解決するんだ!」




