3:タイキ君
「オトコが欲しいんだよー」
「んじゃ。駅前のドトールでも入って、考える?」
ラチが空かないので、あたしは言った。
私立の女子高だから、その辺はルーズなんだ。
補導された、なんて聞いたこと無いし。
さすがに、喫煙席には座らないけどね。
座ってたら、店員さんに注意されちゃうと思う。
「そろそろ暑いし。アイスコーヒーでいーや」
「うん。珍しく同意」
なだらかな坂を下りながら、ドトールへ向かう。
高校生のあたしたちでも入れるんだから、お店も規制ゆるいね。
厳しかったら、商売にならないか。
あたしたちは店内に入った。
アイスコーヒーをトレイに乗せてもらって、3Fの禁煙席へ上がる。
「あれ?」
「何だよ。カズミじゃん」
「大樹! ひっさしぶり~」
カズミが声をかけたのは、ぱっと見にもカッコいい男の子だった。細いメガネが良く似合ってる。カズミの知り合い?
「何やってんだよ、こんなトコで」
「タイキこそ。あ。コトネ。こいつ、タイキって言うの。小学校からの友達。ウチらの近くにある、男子校に通ってる」
「初めまして。コトネちゃん」
「は、初めまして」
つっかえちゃった。だって、ホントにカッコいいんだもん。
「んで。何やってんの、そんなに散らかして」
タイキ君のテーブルには、ノートやらルーズリーフやら、教科書やら。
「見りゃ分かるだろ。試験勉強」
「へー。がんばれー。あたしたち、今日で終わったもん」
「全然気持ちが入って無い。まあ、カズミに期待してもムダか」
カズミも言いたい放題だなあ。




