2:オトコ運なんてあるのかな?
「コトネだっていいじゃん」
「ダメだよ、あたしなんて。カズミは理想が高過ぎなんじゃないの? またフッっちゃったんでしょ?」
ローファーに履き替えながら言った。
「だって。カラダ目当てっぽいヤツばっかなんだもん」
――それほどまでに、カズミってスタイルいいのよね。うらやましいよ。
「でも、いっつも告られてるんだから、試しに付き合ってみれば?」
あたしなんて、高校生になっても、告られたことなんて1回も無いのに。
彼氏いない歴なんて、年齢と一緒だよ。
情けないため息が出ちゃう。
「ヤだ。『白馬の王子様』待ってるんだもん」
「古くさいよ、そんなの」
「じゃあ、オトコつかまえに行く?」
「言ってること、めちゃくちゃじゃん」
「とにかく、彼氏欲しいの!」
あーもう。カズミって、こんなところがワガママなんだから。
「はいはい」
テキトーに切り上げないと、カズミは延々繰り返すからね。
「コトネの方が、おっとりしてるからオトコに受けって、いーんじゃないの?」
「あり得ない。だったらとっくの昔に付き合ってるよ」
ホントのこと。
オトコ運なんて、あるのかな……?
そんなことを考えちゃう。
小学校のころから付き合ってる友達だって、いるって言うのに。
自分が情けなくって、またため息。
「そんなため息してたら。オトコも近寄って来ないぞ」
「あー。そーかもねー」
「何で投げやり」
「だーってさ。あたしがお付き合いなんて、出来ちゃうと思えるの?」
「ん~。今のままじゃムリかな」
「じゃあ、いつ」
昇降口から出て、あたしは訊いてみた。
「もっと、オトコに慣れないと」
「そんな勇気、無い」
「だからっ! そんなこと言ってないで。オトコはこっちがつかまえなきゃ!」
そうかもしれないけど。
カズミの言ってる、
『白馬の王子様』、
は、どこへ行っちゃったのよ。
そのことを訊いたら、
「それとこれとは別!」
って答えが返って来た。どっちよ。
あたしは仕方が無く、
「んで。どーやってつかまえるの?」
「これから考える!」
実にカズミらしい、と言うか。
これがマジで言ってるから、救いようが無い。
考えてよねー、ホントに。
「せめてさー。人を誘うんだったら、前もって考えといて」
「考えるのは、コトネの方が得意じゃん」
「何で?」
「成績いいだろー」
「カズミ。さっきから、めちゃくちゃなことばっかだよ」
ガッコの正門を通る。ここから先は、駅まで歩きだ。




