1:お付き合いしてみたい!けど……
やはりあらすじでは、大仰なことを書いていますけど。
内容なんて、あって無きがごとし。
すかすかに軽い小説、シリーズ第2作目です。
とりあえず読んでやってください。
宜しくお願い致します。
女子高に入って、しばらく経って。
何とか中間考査が終わったー。
英語や数学なんてボロボロだろうけど、終わったからもういい!
あたし、加藤琴音は、半分ヤケになってそんなことを思った。
どこにでもいる、フツーの高1。
成績だってずば抜けているわけでも無くて。
容姿なんてありふれた、
『村人A』
な、ごくごくフツーの感じ。
当然、彼氏なんていない。
そりゃ欲しいけど、お付き合い、なんて何か怖くって。
「あ~あ。誰かいいオトコ、いないかな~」
教室でガッコからの帰り支度、仲良しの庄村一海がつぶやいた。
カズミとは、附属の中学校で友達になったの。
正直に言って、カズミはあたしなんかより、ずっとかわいらしくって魅力たっぷりだと思う。
それに比べて、あたしなんて……。
「コトネ。帰ろっ」
沈んでたあたしに声をかけてくれた。
「うん。試験終わったし。何かいいこと、ないかなあ」
「いいよね、コトネは。成績いいもん」
「ダメ。英語と数学がめちゃくちゃ」
「小テストで、満点取ってたじゃん」
「国語だけはね。少しは得意だけど」
それがせめてもの救いだったり。
「カズミはどうだった?」
「訊かないでよ。全滅」
教室を出て、昇降口へ向かいながら、
「今日はどうする?」
あたしは訊いた。
「オトコつかまえに行こっか」
「もー。そんなの苦手」
「コトネって、いっつもそんなこと言ってる」
「だって……。カズミはいいよ。すっごくカワイらしいもん」
これで誰とも付き合って無いんだから、不思議だよ。
でも、口グセのように、
『オトコが欲しい』、
って言ってるの。付き合っちゃえばいいのに。