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つかれれた

「お願いだ!俺の友達を救ってくれ」

「うん!」

彼女は覚悟した顔立ちでそううなずいた。

俺は彼女の返事を確認しあのバッチを生成することにした。

生成するには多くの魔力が必要になる。

そのため1分位時間がかかるのだ。

「雪ちゃん少し待っててね」

「うん」

雪のは険しく何かを考えているような感じだった。

相当複雑な気持ちなのだろう。

それはそうだ、妊娠し、拓馬が暴走しているのだから。

彼女の病はおそらく深いものだろう。

一気に降りかかったそれはらは確実に雪の精神を大きく傷付けただろう。

そのためwizardになった時の力は大いに期待できる。

 そして間もなくバッチが出来上がった。

「雪、バッチできたよ」

「あ、ありがとうございます!」

「それ、胸につけて」

「はい…!」

彼女の顔がさらに険しくなった。

少しだけ迷いがあるのだろう。

また失敗するのではないのかとかでも考えているのだと思う。

数秒ほどたった。

俺の考えは良い意味で外れた。

彼女の決意は今確実のものとなった。

「頑張る…!私のせいでああなったんだよね…。だから責任取らないと」

「うん…。ごめんね」

彼女は自分の胸にバッチを付けた。

「きゃっ」

瞬間に変化していった。

頭には魔女の代表的な帽子が生成され、フードつきのパーカを羽織った。

そのパーカーの袖は長く手がきれいに隠れるほどの長さだった。

髪の毛の色は真っ白になり、瞳の中にハートが浮かんだ。

「え!?なにこれ!?」

雪の顔に笑みが浮かび上がった。

先ほどの険しい表情すでに消えていた。

「ね?すごいでしょ?」

「これすごい!すごいね!」

この間の前の拓馬のようにきゃぴきゃぴしていた。

この通り本当にwizardの力は偉大なのだ。

「詳しい話はあとでするから拓馬を止めるのを手伝って」

「あっ、うん!」

俺はブレーキをかけ、素早くカーブし拓馬の方を向いた。

そしてそのまま突撃することにした。

「うぉおたあああ」

拓馬の顔に向かって強力な水を発射し目をくらませることに成功した。

雪は俺の背中から降りそのまま突撃した。

「雪!頼むよ!」

しかし不思議なことに雪は拓馬の目の前で止まりこちらにUターンしてきたのだ。

「雪!?どうしたの!?」

「何したらいいのかわかんなくて」

「あ…魔法は使える!?」

「わかんなっ」

ドゴっ

油断していた雪に対し拓馬が攻撃した音だった。

嫌な予感がしていたが本当にそうなるなんて…。

雪はそのまますごい速さで飛んで行った。

そしてさらに追撃が繰り出された。

拓馬の手が大きな手をパーにし雪をはたき落した。

数秒しないうちに雪は地面に打ち付けられた。

よっぽど強かったのだろう、一回ほどバウンドした。

彼女は苦しそうに仰向きになった。

お腹に手を乗せ、苦しそうにもがいていた。

「ううう…」

「雪!早く起きろ!」

雪はゆっくりと起き上がろうとするが何度も地面に倒れてしまう。

やはりいくら深い病みとはいえまだ発揮できていなかった。

これでは本当に殺されてしまう。

俺は焦った。

拓馬は雪にとどめを刺そうと高速で近づいてきた。

何度も拓馬に魔法をあてるがひるまない。

ピンチだ。

「ぼるとおおおおお!」

電気を流し、再び動きを止めようとする。

が、片方の大きな手によって防がれる。

その間も雪との距離がどんどん狭まっていく。

雪はやっと立つことに成功した。

震えた足で安定しない中その場で立ち尽くしていた。

「雪なにしてるの!?」

が、しかし俺の声に対して応答はない。

しっかりとした目で拓馬を見つめていた。

そして拓馬が大きな手を振りかざした。

これはもう終わった。

最後の救いで連続で電気を打つが全部無意味。

あきらめた瞬間雪が思わぬ行動に移った。

それを受け入れるように雪は抱きついた。

ゆっくりと拓馬を抱擁した。

不思議と拓馬は動きをぴたりと止めた。

彼女の能力か?

と思ったが違った。

少しだけ残っていた拓馬の感性が反応したのだ。

「拓馬君ごめんね…」

掠れた声でそう話しかけていた。

「あ、あああああああああああああああああああ…!」

それに反応したように拓馬が苦しそうな声を上げた。

羽のような手は消え、拓馬だけになった。

しかし肌の黒色は消えることなくひき続きクラミティ化は進んでいた。

雪を振り落とした。

彼女が落ちる直前で追いついた俺は何とかキャッチできた。

拓馬が暴れているうちに雪を寝かせた。

彼は引き続き声を荒げていた。

頭を何度も建物に打ち付け自分と戦っていた。

そんな彼の姿は見苦しくもかわいそうだった。

今までの不安、恐怖、不満、感情を自分に対しひどくぶつけていた。

「うぉおたあ」

俺は水の魔法で拓馬を包んだ。

もう見てられない。

ゆっくりと気絶させることにした。

拓馬は大きな水の級の中でごぼごぼと空砲を吐き出していた。

しばらくすると黒色は消え失せ気絶してしまった。

水を蒸発させ、落ちてきた拓馬を担いだ。

「さて、早く帰るか」

俺も複雑な気持ちになった。

大切なものって本当にすぐに失いそうになってしまう。

嫌だな、もうパパとママみたいに失いたくない…。

本当に拓馬が帰ってきてよかった。

そんな思いで拓馬の頬にキスをした。

「あ、うぅうぅぅ…。うわああああん。ああああよかった…。よかったよおお…」

我慢できずに泣いてしまった。

俺のいつものスマし顔が崩れくちゃくちゃになってしまった。

我慢しようとしても不思議とぽたぽた流れてくる。

久しぶりにまともな涙をながしたと思う。

「あああ…。俺も俺で強くならないと…。これじゃあ昔の俺と同じじゃないか…」



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