四百七十一話 思いのほか早く
ソウスケとしては女学生達の依頼を受けるのはアリだと判断した。
ただ、依頼を受けるのは四日後からとする。
それにはしっかりと理由があり、まずは先にルージュバードの羽を手に入れておきたいからだ。
可能性としては低いが、女学生達が調査したい対象であるモンスターとソウスケ達が求めるルージュバードが同時に現れた場合、少々面倒な状況となる。
なのでソウスケ達は四日後から女学生達と合流し、冒険者達も探している珍しいモンスターを探し始める。
という訳で息抜きの鍛冶やショッピングは一旦中止して、再度ルージュバードの捜索を開始する。
「冒険者や学生たちが探し求めるモンスターか……非常に興味深いな」
「俺もちょっと思った。火山付近に生息している珍しいモンスターだろ……どんなモンスターだろうな?」
それに関してはまだ何も情報を入手していないので、二人は好きな様に頭の中にモンスターを想像する。
(珍しいモンスター……やはり強者である個体が望ましいな。出来れば肉弾戦が行えるモンスターが良い)
(珍しいモンスターってことは、火山付近にはあまり生息していないモンスターって事だよな。ん~~……どんなモンスターだろうな? やっぱりある程度の強さは持ってそうだな。もしかしたら一点に特化した力を持っているモンスターかもしれないな。それとも火山付近に生息しているのに全く違う属性の技や魔法を使う個体とか?)
珍しい個体という個体ならば二人が考える様なモンスターが生息する可能性は高い。
ただ、ザハークの場合は完全に私情ダダ洩れの願望だった。
「ミレアナはどんなモンスターが生息していると思う」
「そうですねぇ……強いモンスターでは無く、珍しいモンスターと考えると……昆虫系のモンスターですかね」
「あぁ~~~、なるほどね。確かに火山にはあまり似合わないモンスターだな」
ソウスケの頭の中にはパラデットスコーピオンの姿が浮かんでいた。
パラデットスコーピオンの様な昆虫系のモンスターが火山に生息しているのを見れば、不自然に思うのが普通だ。
(もしかしたら今回はサソリ系ではなくカブトムシ系か? それともクワガタ系のモンスターか? それは結構心が躍るな)
男としてはカブトムシやクワガタを巨大化させたモンスターはどこかロマンがある。
ただ、確実にそうだと決まった訳では無い。
(でも昆虫系ならカマキリやトンボにハチ系のモンスターが生息してる可能性がある訳だ……よくよく考えれば昆虫系のモンスターって戦うのが結構面倒なタイプが多い、よな?)
パワーもあるが、状態異常系に関して厄介な攻撃を持っているというイメージがソウスケの中では強い。
(というか、そういうタイプだったら絶対にザハークは嫌がりそうだな。あいつ肉弾戦が好きだし……昆虫系のモンスターだとそういうタイプの形態をしてる個体はいないだろうし)
速攻で森の中を抜けてきたソウスケ達は直ぐに火山付近へと入り、早速ルージュバードの捜索に移る。
先日は中々見つからなかったルージュバード。
なのでソウスケは発見して倒し、羽を手に入れるまで時間がそこそこ掛かると思って女学生達から受ける護衛依頼を少々先延ばしにした。
だったのだが……火山付近で捜索を始めてから約一時間、思いのほか早く発見する。
「……先日の見つからなさはいったい何だったんだよ、ってツッコミたくなるな」
「そうですね。それにしても……予想していたより数が多いですね」
ソウスケ達が発見したルージュバードは群れで行動しており、その数は十近く飛んでいる。
三人が依頼されていたルージュバードの羽は二体分もあれば十分な量になる。
なので十体ほど倒す必要は無いのだが、恐れ知らずにもルージュバード達はソウスケ達を餌と認識した。
「そっちから向かってくるとは……分かりやすくて良いな」
「……ザハーク、依頼内容はルージュバードの羽だ。あんまり範囲が広い攻撃を喰らわせて消滅させないでくれよ」
「安心しろ、それぐらい分かっている」




