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転移したらダンジョンの下層だった  作者: Gai


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四百七十話 この世界でも需要があるブランド

(珍しいモンスター、ですか。ザハークが喜びそうな対象ですね)


女学生達と別れた後、ミレアナはお願いされた護衛依頼の内容について考えていた。


(ルージュバード自体はそこまで珍しいモンスターでは無い。おそらく数日の間に見つけられる筈。素材に関しても難無く手に入るでしょう)


三人の実力を考えればCランクのモンスターなど容易に倒せる。

なのでミレアナとしては女学生達の依頼を受けても良いのではと考えている。


(ザハークとしてはその珍しいモンスターは気になるでしょうし……でも、最終的に決めるのはソウスケさんですからね)


そう、最終的にパーティーの進路を決めるのはソウスケ。

だから女学生達の護衛依頼を受けるのはソウスケの意思次第。


護衛依頼のことを考えながらもミレアナは街中のアクセサリー店を見て回り、夕食時には宿に戻ってソウスケ達と合流する。

そしてソウスケ達に今日起こった出来事を話す。


「……とりあえずそいつら阿呆だな」


「そうですね。とりあえず阿呆かと」


ミレアナの話を聞いてソウスケは一先ず、女学生達をナンパした冒険者達はアホだと断言した。


(そもそも冒険者が貴族をナンパするって時点で馬鹿だなよな。最悪その場で攻撃されるかもしれないのに……いや、逆ギレすればそれは冒険者も一緒か)


どちらも沸点が振り切ってしまったら手が出てしまうのは確実。

ただ、男のソウスケからすれば阿呆だとは思うが、男達の気持ちが解からない訳ではない。


(まぁ、女学生にナンパしてしまうのはしょうがない、のか? やっぱりこの世界でも学生ってのはブランドなのかもな。でも、学生ってのは大半が貴族な訳だから普通は警戒するもんだと思うんだが……自身の性には逆らえないってところか)


「……うんうんと頷かれてますが、どうしたんですか?」


「いや、なんでもない。やっぱり馬鹿だなと思っただけだ。女学生の方も少しは警戒した方が良いと思ったけどな」


「私もそう思ったので一応忠告しておきました。ナンパしていた三人の冒険者はそれなりに動ける者達だったので」


「そうか、それならいくら貴族の令嬢とはいっても後れを取る可能性大だな」


戦闘のエリート教育を受ける貴族の子息と令嬢、そして冒険者の違いなにか。

それは命を賭けた実戦の経験数。

模擬戦の数であれば子息や令嬢達の方が多いかもしれない。


ただ、本当に命を賭けた戦いに関しては圧倒的に少ない。

それは何故なのか? 簡単に言えばそれだけ大切扱われているからだ。

その差は実戦で大きく発揮され、大抵はその差に驚く貴族は多い。


一部の子息や令嬢は自ら実践に出て死線を超えようとする者もいるが、それはそこそこ例外だ。

そして今日ミレアナがであった三人の女学生はその例外には当てはまらない。


「そんで、その女学生達を助けた後に護衛依頼を出されたって訳か」


「そうです。学園からの依頼らしいですよ。成功すれば成績が上がるらしいです」


「……ま、あるあるな依頼という課題というか。にしても珍しいモンスター、ねぇ……ミレアナは本当にそのモンスターがいると思うか?」


ソウスケは別に女学生達の依頼を受けても構わないと思っていた。

ただ、依頼を受けるならばやはりその珍しいモンスターに会ってみたいというのが本音だ。


護衛依頼で貰える金より珍しいモンスター。そちらの方が断然気になる。


(火山付近に生息するモンスターで珍しい……いったいどんなモンスターなんだろうな。あんまり想像出来ない)


初めて遭遇するかもしれないモンスターに少々ワクワクするソウスケ。

だが、まだ完全に遭遇すると決まった訳では無い。


「そうですねぇ……もしかしたら、いるのではと思っています」


「その根拠は?」


ミレアナらしからぬ曖昧な答えにソウスケは首を傾げる。


「街中で歩いている冒険者の方が多かったのです。なのでもしかしたらその珍しいモンスターの存在を聞きつけ、この街にやって来たのではと」


「なるほどねぇ……納得できなくはない理由だな」


確かにソウスケも少々冒険者の数が多いなとは思っていた。


(一般的な地域では遭遇しないモンスターの素材が手に入るからかと思っていたが、もしかしたらそういった理由があって数が多いのかもな……受けてみても良いかもな)

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