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遠い場所で声を震わして  作者: とーてん
見聞者となり、
9/15

2/2 冒険者登録にて

だいぶ遅くなりました。

すみません。

「お?アイリスじゃねえか

無事に音狼ボイスドッグを倒したのかい?」


街に近づきアイリスがなにやら

カードの様な物を取り出し衛兵に

見せると衛兵はカード確認し返すと

話しかけてきた。


「ええ……まあ隣にいるソウに

助けられちゃったけどね」


少し照れた様にアイリスは言うと

衛兵はソウの方を向き言った。


「にいちゃんアイリスを助けて

くれたのかい?この子は最近冒険者に

なったばかりで、危なっかしくてよ。

心配してたんだ。」


衛兵のおっちゃんはそう笑うと

一枚の書類を取り出しなにやら

書き始めた。


「その紙は?」


「これはな、身元不明者及び、身分証明書ステータスプレートを持たない物に発行する一時的に身分証明書ステータスプレートの代用になる書類だよ……


よし、これでいい。にいちゃんは

街で役人にあったらこれを見せれば

大丈夫だからな。」


そう言って衛兵はソウに書類を持たせると

門の方に行き、扉を開けた。


「ようこそ、アーバス帝国が誇る首都ウィンクルへ。」


そう言われながら二人は街の中に入った。



街の中に入ってみると、石造りの家が左右にあり、わりと均一に建物が建っていた。

中央には少し舗装された道が真っ直ぐと続いていて、その両端に屋台らしき物があり

人間種や亜人、等が屋台を覗き買い物をしていたりと活気がある街だった。


「これが首都か。」


ソウはアイリスにそう言った。


「そうよ、取り敢えず最初に冒険者登録をする為に協同組合ギルドに向かうから逸れないでついてきてね?」


アイリスは少し茶化したように言って

ソウの前を歩き始める。


一瞬ムッとしたが、確かに土地勘の無い

自分では一度逸れたらヤバイと思い

黙って後ろをついて行く。


ケータイも無いしな。


そんな事を考えつつ、街の様子をみながら

着いて行くとアイリスが立ち止まりいった


「ここが協同組合ギルドよ。」


そう言ってあんま歩かないなと思い

ソウは中に入ると、むわっとした熱気が

あり眉を顰めつつも、真っ直ぐ受け付けらしき所に行き声を掛けた。


「冒険者登録をしたいんですけど」


ソウはそう言うと受け付けらしき人が


「承りました。では此方の書類に必要事項を書いて下さい。」


そういって受け付けの人は紙をだしソウに渡す、そしてアイリスにソウは言う。


「なあここなんだけさ……」


ソウがアイリスに質問しようとすると

突然後ろから大声で声を掛けられた。


「おい!小僧!お前そんななりで

冒険者になんのかよ!」


ソウがなんだ?と思い後ろを振り返ると

体長が2m近くあるだろう大男が馬鹿にした様な顔でそうを見ていた。


ソウは、怪訝に思いながらも答える


「そうだけど?」


言い返すと、大男は大きく笑い始めて

協同組合ギルド内に向けて話し始めた


「おい!聞いたか!?こいつこんなひょろっこいもやしで冒険者になるんだってよー!」


ソウが周囲を見ると他の似たり寄ったりの冒険者が一緒になって馬鹿にし始めて

大男は気を良くしたのか、ソウに続け様に言った。


「最近の新人が死亡率が高いって聞いてよ不思議に思ってたけどよ、お前みたいなもやしだったら確かにあがるよな!」


大男は心底バカにした様に言うが

そこにアイリスが言った


「ちょっとなにしてんのよ!ザックス!」


ザックスと呼ばれた大男は振り向くと


「おお!アイリスじゃねえか!無事だったんだな、今からこのもやしに冒険者の大変さを教えこむからそこでみてろよ!」


「馬鹿じゃ無いの!?ザックス!そんな無駄なーーー」


アイリスが喋っていると、他の冒険者がアイリスの口を塞ぎ込み喋れ無くし、いつの間にか周囲に出来ていた円の中に引き込まれて行った。


「おら!流石に協同組合ギルドの中で荒事はできねぇからよ、表来い!」


そう言ってザックスは外に行き、

ソウもここで無視を決め込むのは

得策では無いと思い外に出て行った。




「おし!そしたらこの1ルピアが地面に落ちたら戦闘開始だからな!野郎共ちゃんときいたな!?」


ザックスとソウを囲む様にして出来た冒険者達からおう!と声がかかりザックスはコインを宙に弾いた。


ソウはコインが弾かれ、地面に落ち、ザックスが勢い良く殴りかかってくるのを確認し、魔術を唱える。


三点結界トライアングルバリア


ソウの目の前にお馴染みの結界が出現し

ザックスの攻撃を防ぐ。


「てめえ魔術師か!?」


ザックスは目を見開き、ソウに聞く。

ソウは不思議に思いながらも、頷く。


「ちっ……仕方ねえ!」


ザックスはそう言うと、少し距離を開け

腰に下げていた剣を抜く。


「ちょザックス!それはやりすーーー」


またもやアイリスは声を遮られる。

ソウは思案する。


さて、倒すのは簡単……だよな。

あいつ……ザックスだっけか?

魔術に対する障壁も発動してねぇし、な。

てか俺の魔術で非殺傷の魔術があんまねえしな。…ここは師匠の真似でもするか。


ソウは決めると、様子を見ている

ザックスに向け掌を向ける。

ザックスは警戒した様に剣を構えた。


衝撃ショット


ソウが可能な限り魔術の威力を落とし

ザックスに向け使用すると、ザックスは

見切ったのか剣をソウの掌の軌道上に構えなおし、魔術を弾いた。


「なっ!」


ソウは少し吃驚した声を出すと

ザックスは気を良くしたのか、

喋り出した。


「たかだか無属性初級下位クラスの魔術、しかもひよっこが放つ魔術でやられるわけねぇだろ!」


まあ、確かにな。

今の魔術、数値に直せば

100をMAXだとして、

威力10 精密 100 速度 10だしな。。


まあそれでも俺とザックスの距離なら

ほぼ一瞬で届く速度なんだけどな、

仕方がない……


ソウは少しめんどくさく思いながらも言う


「おい、おっさん。」


ソウはザックスに向けて言う


「頼むから、死ぬなよ?」


ザックスはそれを聞き、怒り狂った

表情で突撃してきた。いきなり速度を上げてザックスは突撃し、ソウの展開した結界に攻撃をしようとするが、ソウは後ろに即座に下がり、魔術を使用する。


爆散バイス


ソウは自らが展開した結界を爆散させる

甲高い音を出しながら結界が爆散すると

ザックスはそれから身を守る様に後ろに一時的に下がる。そしてすかさずソウは魔術を使用する。


魔弾フォースブリット


ソウの前に魔法陣が出現し、そこから

無属性の魔力弾が複数ザックスに向け

発射される。ザックスはそれを何とか

躱そうとするが何発か当たりよろめいた。

そして、止めとして、ソウは手を抜きまくった魔術を使用する。


魔砲フォースカノン


展開された魔法陣を再利用し、再び魔力マナを込める。すると魔法陣の中心から太いレーザーの様なモノが発射され

よろめいていたザックスに当たり、今度こそザックスは倒れた。


「まあ、こんなもんだろ。これでいいのか?」


ソウは周囲の人間に聞くと

誰一人として、文句は言わなかった。


「ったく、アイリス行くぞ」


そう言ってソウは協同組合ギルドに入って行き、冒険者登録の続きを受けた。






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