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13: 忠実なる友の感情 ~ 復讐の執念!

レッキンは、自分の足跡から目を離さずに歩き続けていた。

昨夜、仲間に見捨てられた光景が、頭から離れなかった。

ヴァナと共に部屋に戻った後、何が起きたのか?

自分のレベルを知った途端、なぜあんなに激怒したのか?


歩き続けるうちに、彼は目の前に見覚えのある足跡を見つけた。

不安げに顔を上げた。

「クロサワ……?」


だが、よく見るとその足跡は自分のものだった。

直径約二メートルの円を描くように、同じ道をぐるぐると回っていたことに気づき、目に涙が浮かんだ。


心も体も、あの仲間から離れることができなかった。

自分をただの道具ではなく、「レッキン」という存在として見てくれたその男に見捨てられることが、どうしても耐えられなかった。


「違う、クロサワ……違う! 聞いてくれよ……俺は……何もしてない……」


眉をひそめながらも、涙は止まらなかった。


そして間もなく、宿屋が視界に入った。

なんて馬鹿なんだ、俺……。一晩中歩いて、たったこれだけしか離れていなかったのか? ……でもいい。今回ばかりは、この愚かさが役に立つ。


レッキンは宿の前に立ち、深く鼻から息を吸って口から吐き出した。

緊張で手のひらは汗ばんでおり、心臓の鼓動が「ドクンドクン」と耳に響いていた。

右手のひらで扉を押し開けた瞬間、彼の膝が崩れ、その場に膝をついた。


恐怖と戦慄に言葉を失い、口を開けたまま凍りついた。

叫ぶことも、呼吸することも、声を発することもできなかった。


昨夜のまま、多くの人間の死体がバラバラになって、壁、天井、床にまで散らばっていた。

内臓と血があらゆる場所に飛び散っていた。

凝固した血液が苔のように壁や床、テーブルにこびりつき、

机から流れ落ちた血は、まるで逆さに垂れた氷柱のように固まっていた。


その氷血の一部が崩れて地面に落ちた瞬間、レッキンの硬直していた体が突如動き出した。


「うわああああああああっ!!」


悲鳴を上げ、涙を流し、強烈な死臭を嗅ぎながら、

入口に立っていた体を後ろに引きずって仰向けに倒れた。

手足を使って這うように後退し、宿のポーチにある階段から転げ落ちて、

首から地面に打ちつけられた。


すぐに立ち上がったが、目は閉じた扉から離れることができなかった。


レッキンの叫び声は、上半身裸で武器を携え、顔に傷跡のある数人の男たちの注意を引いた。

そのうちの一人、だみ声で問いかけた。


「何があった?」


レッキンは声の主の方を振り向いた。

片目に黒い眼帯をした、白と黒が混じった無精ひげを生やし、

不潔で強烈な体臭を放つ、四十代ほどの男が立っていた。


「お前……山賊か?」


男は左腰に片手用の曲刀をぶら下げており、胸を張ってから左手の人差し指で自分の胸を突いた。


「俺の名は“沈んだ船の船長カリーナ”。山賊じゃねえ。」


「でも……その名前、女の名前じゃないか?」


カリーナは激怒し、剣を鞘から引き抜いた。


「てめぇ、なに言いやがるッ!?」


レッキンは震えながら、宿の扉を指さした。


「あそこだ……あの中にいる人、全員殺されてた……」


カリーナは剣を構えを解いたが、鞘には戻さなかった。


「全員だと? 宿の女将もか?」


レッキンが無言で頷くと、カリーナは剣を鞘に収め、背後に控えていた巨漢の双子に向き直った。

彼らは筋骨隆々で、全裸に近い上半身、スキンヘッド、そしてゴムバンドで頭に固定された丸眼鏡をかけていた。


「全員に知らせろ。錨を上げるぞ。復讐に出航だ!」


「了解ッス!」


双子は声を揃えて答え、完璧にシンクロした後方宙返りを連続で決めながら走り去っていった。

カリーナは宿の方へと向かい、一蹴りで扉を開け放った。


中に満ちた死臭を深く吸い込むと、眼帯を左目から右目へと移動させ、

外からの光が入らない真っ暗な宿の中を、死体を踏みしめながら進んでいった。


太った女将の死体は、下半身がバーカウンターに沿って伸びており、

上半身は両手を重ねて頭の上に掲げるような体勢で、

一本の刃物によって壁に突き刺さる形で固定されていた。


彼女の腸は切断された胴体の隣に山のように積まれていた。

全身が硬直し、紫色に変色し、膨張し始めていた女将の顔に、カリーナはそっと手を伸ばしかけたが、寸前で引っ込めた。


「……カリーナを守れなかった自分を、ずっと責め続けていた。

一度でいい……本当の名前で呼んでやりたかった。

お前は、夫に見捨てられたと思い続けていたな……ああ、愛しい我が妻よ。

宿屋のレディよ……娘の名にかけて誓おう。

俺は、“沈んだ船の船長”なんかじゃない。

俺の名は、アーサー・ヴィン。お前の復讐、必ず果たす。」


キャプテンが宿を後にして扉を閉めたが、レッキンの姿はそこになかった。


「くそっ、あのガキ……どこに行った?」


──


場面は変わり、クロサワは立っていた。

ネクロンは地面に倒れていた。

クロサワがその頭にもう一発を撃ち込むと、

骸骨たちは完全に動きを止め、

ヴァナはほっと息をついてバリアを解除した。


しかし、二人ともわかっていた。

地面の下から何か大きなものがこちらに近づいてきているのを――


地中から現れたのは、黒い皮膚を持ち、

人間の身長ほどもある真紅の硬い棘に覆われ、

鼻が顔にめり込んだような姿をした、八本足の盲目の怪物だった。

その体長はおよそ十七メートル、

高さは五メートルを超えていた。


音を立てることなく、

その平らな壁のような顔をクロサワに向けたとき、

彼は一瞬目を細めた。


目が見えない……そして酷く醜い。なんだ、この生き物は?


ヴァナが走り寄りながら叫んだ。


「ググムシよ! 魔力でしか生きられないわ。武器は置いて!」


クロサワはその平たい顔の中央にある、髭のような灰色の毛を凝視した。

怪物はその毛の裏に隠された口で空気を吸い込み始め、

クロサワの銃から、魔力が赤い粉となって引き寄せられていく。


「なんだこの化け物……!」


彼はすぐに数メートル後方へと跳び下がった。

怪物は胴体をくねらせ、足を強く地面に叩きつけながら突進を始めた。

そしてその巨体は、倒れていたネクロンの体を無慈悲に踏み潰した。


──だが次の瞬間、怪物の胴体が真っ二つに裂けた。


立ち上がったネクロンは口から黒煙を吐き、

その眼には闇が宿り、顔には不気味な笑みが浮かんでいた。


彼は剣を右手に持ち、左手を空に掲げ、指を鳴らした。


裂かれた怪物の流れ出ていた血が一気に引き戻され、

裂けた肉は再生し、傷は癒え、再び一体となった。

ネクロンは高く飛び上がり、怪物の背中に飛び乗る。


ヴァナは電流のような軌跡を残しながら疾走し、

半透明な蒼い刃で構成された三本の短剣を手に、ネクロンの首元を狙って襲いかかった。


ヴァナの剣がネクロンの首筋に迫った瞬間、

ネクロンは骨の剣を振るい、ヴァナの半透明な刃を砕いた。


ヴァナは寸前で頭を引いて斬撃をかわし、

怪物の硬い皮膚に指先だけを触れたその反動で、

自分の体をひねって回転させ、右手で斬撃のような一撃を放った。


ネクロンは右足で後ろに跳ね、攻撃を回避したが――

その瞬間、クロサワの銃声が響き、

ネクロンの右足に銃弾が突き刺さった。


重心を乗せていた足を打たれたネクロンはバランスを崩し、

背中から倒れ込んだ。


その瞬間、ヴァナは上からネクロンの胸に向けて、

槍のように手を突き立てようとした。


だがネクロンは、怪物「ググムシ」に命令を出し、

その動きを変えさせた。

巨大な体が動いたことで、ヴァナのバランスは崩れ、攻撃が逸れた。


ヴァナは体勢を立て直すために宙に跳び、

骨の剣の一閃を間一髪でかわした。

それでも、腹部に細い一筋の傷を負ってしまう。


ヴァナの体がググムシの背中から落ちた瞬間、

クロサワがさらに一発撃ったが、

怪物が予期せぬ方向へ動いたため、ネクロンには当たらなかった。


ヴァナは地面に落ちたあとすぐに起き上がり、

鋭く言い放った。


「クロサワ、すぐ追うのよ! 奴が逃げたら、もっと強くなって戻ってくる!」


クロサワは一瞬も迷うことなく行動に移った。

テレポートスキルを五回連続で使用し、

ネクロンの目の前に瞬間移動して現れた。


ネクロンは驚きもせずにニヤリと笑った。


「お前……妙なNPCだな」


クロサワは銃をネクロンの額に向けて答えた。


「俺はNPCじゃない。プレイヤーキラーだ。」


ネクロンの目が見開かれた。


「なん……だと? お前、レベル50で一体何をしたんだ?!」


クロサワは答えず、引き金を引いた。

だがネクロンは頭を傾けて回避し、

骨の剣でクロサワの腹部に深い一撃を加えた。


クロサワは血を吹き出して仰向けに倒れた。

それでも左手でググムシの棘をつかみ、地面に落ちるのをなんとか防いだ。

硬い棘にしがみついた手のひらは裂けて、血を流していた。


ネクロンは立ち上がらず、横たわったまま、

残った魔力を使ってググムシを操り、距離を取ろうとしていた。

裂けた体を保つために、彼の魔力は激しく消耗していた。


クロサワは腹の傷口に小さなバブルを生成して出血を抑えたが、

内部出血は止まらなかった。


マズい……生き延びるには、こいつを倒してレベルアップするしかない……

お読みいただきありがとうございます!でも、この章を理解するには、ぜひ前の章も読んでくださいね。

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