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第八話 魔人、再び

 大分体調も回復して、保健室から出る。

 カマルを肩に乗せて、教室までの長い廊下を歩いていく。

 講義中の為か、廊下は静まり帰っており、自分の足音だけが響き渡っている。


 もう少しで教室に着くというところで、目の前から一人の女性がフラフラと向かってきた。

 彼女も保健室へ向かうのだろうか。

 俺は特に気にする事も無く、スルーしようとしたその時ーーー


「ーーーもう我慢できない……!!」


 間近で起きた爆風に、身体を大きく吹き飛ばされる。気付いた時には、彼女は魔人に変貌していた。


「ちっ……やっぱりまだいたのか……! ベガ早く!!」


「ああ……わかってるよ……!」


 俺はカマルからあらかじめ渡されていた注射器を左腕に刺す。


「じゃっ☆ さっさと片しますか☆」


 敵はアクタの時と同じように触手を伸ばして、俺の身体を捉えようとしてくる。


「【魔廻転鋸(マジカルステッキ)】☆」


 だがその先に、回転刃が相手の触手を切り刻んでいく。


「残念☆ 当たりませ〜ん☆」


 そのまま一気に距離を詰めて、相手の腹部に刃を押し付ける。


「あがががががががが!!!!!いっ、いだいいいいいいいいいいい!!!!!!」


 相手はその痛みに耐えかねて、すぐに人間の姿へと戻った。

 それを見て、自分も変身を解除する。


「流石だな、一件落着って言ったところか」


「カマル、今の攻撃……」


「ああ、アクタの時と同じだったな」


「……ねぇ君」


「うっ……はっ……はい……!」


 先程まで魔人だった少女は、頭を抱えながら返事をする。


「その薬は、誰からもらったんだ……?」


「……そっ……それは……」


 彼女は目を逸らす。


「なあ……! なんで言えないんだ……!! この薬がどれだけ恐ろしいものかは君が身を持って実感したはずだろ……!?」


「………」


 クソッ……なんで二人とも口を割らないんだ……? 俺たちは早く、この元凶を掴まなければいけないのに……!


「ーーーうああああああああ!!!!!!」


 突然、背後から悲鳴が聞こえる。

 振り返ると、教室から大人数の生徒たちが逃げ出していた。そして、その先にいたのはーーー


「……! また魔人……!?」


 教室の扉を突き破って、奴が現れる。

 やはり、学園内で広まっているというのは本当だったのか。


「……っ! 早急に倒す!」


 二度目の注射。連続変身で、身体が悲鳴をあげているのがわかる。だが、戦わないわけにはいけない。


「さあ☆ さっさとヤッちゃおう☆!」


◆◆◆


 二人目の魔人を倒した後、俺とカマルは屋上で、この一連の事件について話合っていた。


「う〜ん……共通点をあげるとするならば、いずれも女性で、皆君と同じ特待生だということくらいか……?」


 人に戻ったカマルが、右手を顎に当てながら喋る。


「……みんな同じ触手の魔人だったけど、魔人の特徴はそう被るものなのか……?」


 俺の方からカマルに問いかける。彼女達は、前の強盗犯とは違う姿をしていた。しかし、その三人は同じ触手を持った姿をしている。


「……確かに……普通はあり得ないな……魔人の特徴は使用者の精神や肉体に依存する。もし私が君と同じ薬を使ったとしても、同じ魔法少女になるとは限らないだろう」


「じゃあ……やっぱり三人の間に何かしらの関係が……」


 でも、これだけじゃ何もわからない……


 キィイーーー


 突然扉が開き、カマルはすぐさま猫に変身する。


「やっぱりここにいたんだ」


 やってきたのはスピカだった。


「まっ……また何かあった……!?」


「え……? あ、いや授業終わったから……ライラちゃんの様子見に行こうと思って……そしたらどこにもいなかったから……」


「あっ……なんだそういうことか……」


「なあ……スピカにも一応聞いてみたらどうだ……?」


 カマルが耳元で喋る。確かに、アクタの親友の彼女なら、何か知っているかもしれない。


「ねぇスピカ……今日魔人になった女の子達と、アクタさんとの間に何か……共通点とか……関係とか無かった……?」


「えっ……! う〜ん……何だろう…………三人とも頭が良くて特待生ってくらい……? 今日の二人は別にアクタちゃんと仲よかった訳でもないし……」


 やっぱりスピカでもわからないか……


「……あっ、でも一つだけ……」


「何……!?」


「アルデバラン先生の研究室で助手してたことかな……?」


「………! アルデバラン先生って……!?」


「あれ……? 知らなかった? ライラちゃんの入学試験で監督してた人だよ」


ーーー『もしよかったら、私の研究室にこないか!?』ーーー


「………!!」


 咄嗟に、カマルと目を見合わせる。そうか……! あいつが何か知っているかもしれない……!


「ありがとう! スピカ!」


「えっ……ど……どういたしまして……」


 俺は屋上を後にして、階段を駆け降りて行った。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「はよ更新しろ!!」


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この物語はフィクションです。薬物の使用を促進する意図は御座いません。


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