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ランキング外部活活動  作者: ローカロン=ブッセ
9/18

お見通し

刃蛇さんに軽々と持ち上げて移動して数分。


訪れたことが無い高等部の校舎裏でボクは下ろされた。


春先の晴れた空。

太陽に照らされて飛び交う鳥のシルエット。

風に飛ばされた桜の花びら。

写真家はきっとこんな絵を撮りたがるのだろが、

こんな澄んだ空の下でゆっくりと眺めている時間は無い。


今から潜入調査をする。


スパイみたいでカッコいいと思うけど、

ボクの潜入先は政治の偉い人のお家とかじゃなくて暴力団。


「なんだなんだ!俺様は美味しくないぞ!」


警戒した偽手が言う。


「あー…ローちゃん。話は聞いてるからいいよ」


子どもをあやすようにゆっくりと話しだした。


「…で!君とあの子は今どんな感じ!?」

「いきなりなんだよ。お前…あの子って誰のことだ?」


話の先が見えず少し距離を置き偽手が話す。


「ガルちゃんだよ!大きくなって…昔はあんなじゃなかったのに、後ろをピッタリ歩いてなんせ可愛くって」

「無意味に個人情報をばら撒く人と部長を一緒にしないで」

「話通りだね」

「何がしたいの?私たちの目的は潜入調査なんでしょ?」

「君がどう言う人か興味があって…まぁ、仲良くしたいってだけだよ」

「…本質を見失わないで」


淡々と話し出す刃蛇さんに冷たく言い放つ。


「ガルちゃんのお兄さんの友人がこの私」


人差し指を自分に向けて話し出す。


「まだ彼女とは行かないようだけど、未来の伴侶かな?ローちゃんは彼氏とかいないの?」

「それだけ聞くと女の子らしくていいんじゃねーか?」


偽手がボクの前で両手を広げる。

警戒しているからだろう。


「あら、興味なかった?」

「さっさと仕事をしたいだけだ。面倒事に巻き込まれたくない」

「人と話すのを面倒事って…それによく女ってわかったね」

「だってお前…ちんこねーじゃん」


「どこ見てんの!?」


偽手の言葉に思わず声が出た。


「人を取り乱すのが得意でね!」

「だからって…」

「さてさて、俺様とローは二人で一人だ」

「…髪をどうにかしてくれるのでしょう?」


ツインテールを解くと風に乗って金色の髪がサラサラと靡く…。

木陰に置いてあるベンチに座る。


「全部お見通しって感じが取っ付きにくいね」


そう言いながらリボンやヘアゴムを持ってボクの髪をいじり始めた。

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