~夢を見せる約束は、 俺に最後を魅せる~
アリスに訊いたところ、現実の世界での俺は寝たきりの状態らしい。
だが、俺はそれを聞いて安心した。 『それでいいんだ・・・』って、俺は安心した。
――そうやって、俺は心の底に“悲しき現実”というものを仕舞い込む。
だって、そんなもの見たくもないんだ。 俺はもう、辛い思いなんかしたくない。
俺はもう、心が引き裂かれるようなあんな感覚・・・もう二度と味わいたくなんかないんだ!
でも、 確かに 現実の俺は独りぼっちで、傍から見たら寂しい人かもしれない。
だけど、今俺がいる世界には、 誰からも理解はしてもらえないが、間違いなく雛菊がいる。
俺は、この世界では独りぼっちじゃないんだ。 ・・・そのことだけが、俺にとっての救いだった。
そんな俺を苦しみから解き放つために、アリスは言った―――――。
アリス;「夢を長い間 見るためには、代償として命を支払わなければいけないの」っと。
それを俺は4つ目の夢の中で聞かされた・・・だけど、俺はさほど驚かなかった。
っというよりも、良い思いが出来たんだ。 少しのリスクが伴うことは仕方がない。
心を満たされた俺はもう、どこも痛くなんかない。 苦しくなんかない・・・。
そうやって、俺という人間は―――――上条聖馬という男は、死んでいったのだった。
- /お わ り/ -




