綺羅探し
綺羅を探しに走っていた二人だったが、綺羅は中々見つからなかった。
「三年生の教室にいると思ったんだけどなー。」
四条が困った顔をして言った。
「ほかに当てなんてないですよ。どうしますか?」
同じく真田も困った顔をしていった。
ほどなくして綺羅探しは行き詰ってしまった。
三年生の教室の前で立ち往生していると生徒会長の早川が教室の横を通った。
取り敢えず早川に聞けばわかるかもしれないと思った四条は早川に綺羅の居場所の当てがないか聞くことにした。
「会長ー」
「どうした、四条君?」
「綺羅さんがどこに行ったか知らないですか?」
早川は少し考えていくつか候補を上げてくれた。
「そうだなぁ。綺羅はトイレが好きでよくいるのと後は屋上くらいかな。」
「ありがとうございます。真田、取り敢えずトイレをくまなく探してみよう。」
「分かりました。」
四条と真田はトイレに探しに行くことにした。
「じゃあ頑張れよ。」
早川は後輩たちにそっと微笑みながら言った。
「はい!」
二人の息の揃った返事を聞いてさらに早川は微笑んだ。
そして二人は早川の助言のもと二手に分かれて綺羅を探した。
しかし綺羅はどこのトイレにもいなかった。
二人は会議室の前ですれ違った。
「どこのトイレにもいなかった。そっちは?」
「こっちもです。どこにいるんでしょう。」
二人はまた行き詰った。
しかし真田は思い出した。
「四条さん。屋上まだ言ってなくないですか?」
真田の言葉で四条もハッとして早川が言っていたことを思い出した。
「そうか。屋上にいるかもしれないな。」
「それじゃあ行きましょう。」
二人は階段を駆け上がって屋上に行った。
屋上のドアを開けると一人の青年がいた。
間違いなく綺羅だと二人とも思った。
やっと見つけたという謎の達成感に満たされながら、二人は綺羅のもとに向かった。
綺羅のそばに行くと綺羅のほうから話しかけてくれた。
「君たちよくここが分かったな。」
「あ、いえ。早川さんが教えてくれたんですよ。」
四条は思ったよりも気さくな人だなと思った。
「早川がね。あいつも面倒見のいいやつだよ全く。それはそうと、あれだろ。選手宣誓の文章の相談とかできたんだろ。」
「そうでしゅ。」
緊張してつい噛んでしまった。
四条はとても恥ずかしくなった。
「そんな緊張することないよ。文章の方も俺が一通り作ってあるからそれを覚えてくれたらいいよ。」
二人とも少し驚いた。
もう完成さしてしまっていたことに。




