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黄泉夜譚 ヨモツヤタン  作者: 朝里 樹
第 三 話 おにさんこちら
13/206

三 ひとりかくれんぼ

 空は黄昏に染まり、妖気が満ちる。逢魔刻(おうまがどき)、かつて人はこの時間帯をそう呼んだ。

 その青く暗い空の下、屋敷を出た恒は、良介に連れられて広大な庭を横切り、初めて正門を(くぐ)った。屋敷は山の上に建てられているため、そこから見下ろすだけで黄泉国の広い地域を見渡すことができる。

 黄泉国はその中心を川が流れており、それに二分されるようにして町や畑が広がっている。現代的なコンクリートや鉄骨でできた建造物はほぼなく、木造の古めかしい建造物が時代劇のように立ち並んでおり、どこか懐かしい雰囲気を醸し出している。

 恒と良介は山の麓と頂の屋敷を繋ぐように作られた石の階段を下りて、町へと向かった。恒は初めて見るその光景に、しばし目を瞬いた。

「ここは御中町(みなかまち)と言って、黄泉国の中心街だ。初めは違和感があるかもしれないけど、すぐに慣れるさ」

 良介が言った。

 黄泉国の町には、当然のことながら人間は住んでいない。ぽつぽつとある店や家も、全て妖怪のものだ。恒はあまり目立たないように注意しながら辺りを見回した。自分は名も知らない様々な妖怪たちが道を歩いたり、店の前で品物を売ったりしている。何とも不可思議な光景だ。空が暗くなるにつれ、道の端に立てられた灯篭に青や赤の炎が灯っていく。

 石畳の道をしばらく歩いて行くと、多くの妖怪たちが行き交う商店街のような道に出た。良介がそこに入るのに付いて、恒もその店々の間を進む。店に売られているものは、人間界でも普通に売っているものもあれば、見たこともないようなものまで様々だ。

 もう夜になるというのに、商店街は時間が進むにつれて賑わって行くように思えた。

「この時間帯は妖怪にとって、人間でいう朝のようなものなんだ。妖怪は本来、夜に活動するものだからね」

 恒の不思議そうな表情を読み取ったのか、良介がそう説明した。

「僕みたいに半分人間の奴がいても、大丈夫なんですか?」

 少し不安になり、恒が尋ねる。すると良介は優しく微笑んで答えた。

「大丈夫さ。ここの連中はそんなこと気にしないよ。そうじゃなきゃ俺たちも君を黄泉国に住まわせたりしない」

 商店街をしばらく進んだところにある店の前で、良介が立ち止まった。

「ここだよ、美味い店なんだ」

 恒は店の暖簾を見た。そこには「狢の飯屋」とだけ書いてある。どうやら今日の晩御飯はここで食べることになるようだ。

「いらっしゃーい!」

 暖簾(のれん)をくぐると、そんな威勢のいい声が二人を出迎えた。人の姿に、参画の尾と耳を着けたような様子の女性の妖怪が料理をしているのが見える。その奥の厨房には、その女性と同じように耳と尾を生やした、もう少し年齢の行った男女の姿がある。同じ種類の妖怪のようだ。もしかしたら親子なのかもしれない。

「あら良介さん、久しぶりですね。その子は?」

 料理をしていた女性が、手を休めて良介に話しかけた。

「久しぶり、絹江(きぬえ)ちゃん。この子は恒君、美琴様のところで暮らすことになったあの子だよ」

 良介がそう答えると、絹江と呼ばれた狸は「へぇ~この子が」言いながら恒を興味深そうに見たあと、急に恒に手を差し出した。

「はじめまして。私、絹江といいます、よろしく」

「は、はじめまして、池上恒です」

 恒は慌ててその手を握り、握手しながら自己紹介をした。絹江は満足そうに微笑んで、言った。

「恒君のことは小町ちゃんから色々聞いてますよ。友達なんです。あ、ご注文はなんにします?」

「じゃあ焼き魚定食で。恒ちゃんもそれで良いかな」

 恒は黙って頷いた。絹江は「かしこまりました」とだけ言うと、再び厨房へ戻って行った。

「そうそう、恒ちゃん。今朝、幽霊について何か話してたね」

 突然の良介の言葉に、恒は多少驚きながら頷いた。

「はい。良介さんも、やっぱり幽霊は見えるんですか?」

「まあね、基本的に妖怪とされるものたちは幽霊が見えるし、触れる。人間で言えば、霊感があるってことになるのかな。でも、君はそれでずいぶん苦労しただろう?」

 恒は再び頷いた。かつて子供の頃、霊が見えると主張したときの、周りの人間が自分に向けた視線を思い出す。嘘吐きだと罵られ、自分が他の人とは違うと気付いた恒は、そのうちに霊のことは口に出さなくなった。自分にだけ見えているものだから誰にも相談できない。かつて恒が初めて出会った霊は、彼の能力はそんな誰にも見えないものたちを助けることができると言った。でも、そんなことはずっとできていないままだ。

「霊感というのは、一つの才能だ。他人に見えないものが見えるんだからね。しかし、人間は自分たちの中で少数なものを排除しようとする。我々もそうだった」

 しみじみとした調子で、良介が話し始める。

「幽霊というものはね、この世に大きな未練を残したものが、死してなおその想いを遂げようとするからなるんだ。君は、どんな霊に会ったことがある?」

 その言葉から、まず恒が思い出したのは彼にとって初めての霊体験となった、美樹のことだった。

「僕が最初に遭ったのは、近所に住んでいた女の人でした。交通事故で亡くなったあと、僕の前に現れたんです」

「その人は、どうなった?」

「僕と話したあと、光になって消えました」

 良介は柔らかく微笑んだ。

「それは、その人の魂が救われたということなんだ。つまりこの世への未練が消えたといことかな。救われた魂は光となって天に昇る。その手助けをしてあげられるのは、霊感をもっているものだけだ。そして君のような人間がいなければ、その彼女もずっと未練を残したまま現世をさ迷うことになっていたかもしれない」

 恒は祖母の言葉を思い出した。彼女も、そんなことを言っていた。

「救われなかった魂は、どうなるんですか?」

「多いのは、悪霊になってしまうことだね。恨みが肥大化して、生きているものを羨み、憎み始めるんだ。あとは人間の霊能者に強制的に除霊させられてしまったり、封印されたりだ。それが自分自身に影響を与え、人を襲う存在となる。だからそのためにも誰かが霊を救済する必要があるんだよ。霊を救うっていうのは、その霊の声を聞き、望みを叶えること。それができるの人間は霊能者ぐらいなのに、皮肉なもんだ」

 良介はそう言って、店員が運んできた水を一口飲んだ。

 人間界では、霊は基本的に悪として扱われる。それは恒の経験からも明らかだった。テレビでは霊は人に害を与えるものとして画一的に扱われ、霊感を持っているものは、有名な霊能者など一部を除いて気味悪がられる存在だ。そのため、良介の話は新鮮だった。

「今回の事件を起こしている幽霊は、この世にどんな未練があるのでしょうね」

 なんとなく、そんな言葉が口に出た。

「さあな。でも、神隠しなんて事件を起こしている以上、救わずに除霊しなければならないかもしれない。それとも、まだ救うことができるかもしれない。それは、美琴様が決めることだ」

 良介は遠くを見てそう言った。恒はその霊に思いを馳せた。その幽霊はどんな思いを残し、この世に留まり続けているのだろうか。




 美琴と朱音が帰ってきたのは、恒と良介が帰ってきて少し経ってからだった。

 午後七時ごろ、男二人は居間に座り、雑談をしながら適当なテレビを見ていた。おもに話の内容は恒がこの黄泉国について分からないことを質問する形であったが、良介はひとつひとつ丁寧に答えてくれた。

「つまり、黄泉国だけでもひとつの社会が出来上がっているってことですね」

「そうそう。我々のように人間と同じ姿をとることができない妖怪も多いからね。人間界に行かずともここだけで生活が成り立つと、便利なんだよ。ここには色々な店もあるし、診療所や書庫なんかもある。まあ人間が公共機関として管理しているものとは異なるがね」

 そう良介は話をまとめた。恒が彼から聞いたところによると、異界というものは人間界とは全く異なった世界として広がっていて、そこに多くの「国」と呼ばれる社会があある。例えるならばかつての日本の分国が近いのだと言う。

 この黄泉国は異界の中でも大きなものであり、関東地方から繋がる異界としては最大級らしい。そしてその国の一番上に立つのが、美琴ということだった。どうやらこの異界は彼女ありきでなりたっているらしい。そもそも他の妖たちがここに住み始める前から黄泉国で暮らしていたのも美琴なのだと良介は言っていた。

「お、本人たちが帰ってきたようだぞ」

 部屋の向こうから木の板の上を歩く音がこちらに近づいてくる。二人が帰ってきたようだ。程なくして、襖が開いて美琴と朱音が姿を現した。

「おかえりなさいませ」

「ただいま、良介、恒」

 美琴が珍しく洋服のまま居間に座ると、朱音もその横に落ち着いた。

「人間界の食事はどうでした?」

 良介が美琴に尋ねる。

「おいしかったわよ」

 美琴がそう答えると、隣の朱音が少し嬉しそうに笑った。

「また行きましょうね~」

「ええ、気が向いたらね。あと恒、今朝の話だけど」

 急に話題が振られ、恒が驚いた様子で美琴の方を見る。美琴は微笑して続ける。

「妖怪と幽霊の違い、だったわね。この際だからそれに関する重要な事柄を教えておくわ。大事なことだからね」

 恒が頷くと、美琴が再び口を開く。

「まず、肉体と霊体という違いは知っている?」

「……知りません」

 恒は少し自分の無知が気恥ずかしくなりながら、正直に答える。友人の飯田と違い、恒はその特殊な体質ながらオカルトに関する知識には疎かった。しかし美琴は恒を責めるようなことはせず、続ける。

「生きとし生けるものは、全て霊体と肉体という二つの体を持っているの。肉体はそのまま、この肉体。血が流れ、触って感触のあるね」

 そう言いながら、美琴は自分の胸に手を当てた。肉体を指しているのだろう。

「そして霊体というのは、魂よ。普通に過ごしていれば、自分の霊体を見る機会は無いに等しいけど、確かに存在するの。霊体は記憶や感情、思考などの形のないものを司るわ。人間界ではその機能を全て脳が担っていると考えられているけど、そうではないの。生物はこれら二つの肉体を持っていて初めて生きていると言える。例えば霊体が欠けていて、肉体が正常に機能していても、その逆でもそれは生きているとは言えない。そして、後者が一般に言う幽霊に当たるわ」

 美琴の言葉を頭の中で反芻しながら、恒が質問する。

「つまり、肉体は死んでいるけど、霊体だけは活動している状態ですか?」

「そういうことよ。肉体と霊体は幽体と呼ばれるもので完全に繋がっていて、死ぬときに初めて幽体が消失して分離する。この時、肉体はその活動を停止し、霊体は天に昇り、この世から消える。だけど、凄まじい未練を残して死んだ場合、霊体だけが現世(うつしよ)に留まることがあるの。霊体は感情や記憶を司るから。これが幽霊。幽霊は霊体のみの存在で、肉体を持たないから霊力を殆ど持たない普通の人間には見ることができない。霊体は物理的な存在ではないの。そして、逆に妖怪というものは肉体を持つ存在だから、人間の肉眼でも捉えることができる」

 恒は大百足の事件を思い出した。確かに、あの場にいた全員が、妖怪である大百足を視認できていた。

「そしてここで重要になってくるのが、妖力と霊力という二つの力よ。どちらも人間の科学の常識にはないものだけれど。まず妖力というものは、形のあるものに宿る力なの。例えばこの肉体のようにね。妖力はそういったものには直接干渉できるけど、逆に霊体のような形のないものには触れることもできない。妖怪はこの妖力を強く持った存在で、そのために肉体が強く、寿命も長い。そして霊力は妖力の逆。形のないものに宿り、形のあるものには干渉できない。ただ霊体に干渉するにはこの霊力が不可欠になる。だからほとんど霊力を持たない人間たちの間では、幽霊は認知されなかったの。そしてその霊力をなんらかの要因で強く持っていて、幽霊に干渉できることを、人間界では霊感があるというのよ」

 そこで恒はテレビなどの幽霊特集を思い出した。あのような番組で出て来る幽霊は、誰々の体験談として語られ、その体験した本人は霊感などない普通の人間であるということが大半だ。だからこそテレビで取り上げられるのだろう。これはどういうころなのだろうか。

「でも、普通の人間にも見える幽霊の話も聞きますよ」

「まあね、そういう場合には二つの理由が考えられるわ。ひとつは、幽霊を見る人がその幽霊のことを良く知っていること。形のない霊体が人の姿に見えるのはその幽霊の心象によるものが大きいの。つまり自分が思っている自分の姿で現れるのよ。そして見る側がその幽霊について良く知っていたり、意識していたりする場合、つまり互いに互いの存在を認知しようとすると、霊気の波長が合ってしまうのね。そうなると霊感が弱くても相手の存在を認識してしまう。良く家族の霊が見えたり、心霊スポットで幽霊が見えるのはこれが原因よ。そしてもうひとつの理由は、幽霊が妖怪化する場合。まあここは日本だから便宜的に妖怪化と呼んでいるけど、外国ではまた違った呼び方がなされるわ。幽霊も長らくこの世に留まっていると、妖力を持つようになる。でもさっきも言った通り妖力は形のないものには宿らないから、そういった幽霊は新たに肉体を構築するの。こうした幽霊は普通の人間でも肉眼で捉えることができる。もうその場合は幽霊とは呼べないけれどね」

 美琴は説明を終えて、ふぅと息を吐いた。

「こんなところね。あなたには半分妖怪の血が混ざっているから、霊力も妖力も普通の人間より遥かに強い。だけど、それはこっちの世界では普通のことだから安心なさい」

 そこまで言い終わると、美琴は立ち上がった。そして襖の前まで歩き、振り返る。

「分からないことがあったら、あとは良介か朱音に聞きなさい。私はこれから少しやることがあるの」

「一人で行くんですか?」

 立ち上がった美琴に対し、良介が尋ねた。

「ええ。大丈夫よ。問題ないわ」

 そう告げると、美琴は三人を居間に残して立ち去った。残された三人の間に、少しの間沈黙が流れる。

「どうだい、恒ちゃん。分かったかい?」

「はい、まあなんとなくは」

 恒は今得た情報を頭の中で整理しながら答えた。肉体と霊体、妖力と霊力など、今まで聞いたことのなかった概念が、頭の中をぐるぐると回って、しばらくして少しずつ落ち着いてくる。その中で、一つ疑問が沸いた。

「妖力や霊力が無くなると、どうなるんですか?」

「そうですねぇ、まず妖力の場合は、私たちのような妖怪は肉体と相互依存していますから、妖力が完全に失われれば肉体が朽ち、死ぬことになります。そして霊力が失われれば、霊体を維持できなくなり、人格や記憶、感情などが破壊されて、心が壊れることになります。肉体は生きていても、生きているとはいえなくなるでしょうね」

 朱音の返答に、恒は身震いした。肉体が朽ちるというのはなんとなく想像ができるが、心が壊されるというのはどういう感じなのだろう。何を見ても、何を聞いても、何に触れても、何も感じない。感動も怒りもない、肉体は生きていても心が死んでいると、そんな風になるのだろうか。それは確かに生きているとは言えないかもしれない。何にも反応せず、何も感じない。それなのに肉体の生命だけは維持されている。それでは、生き物というよりもただ体の器官を動かすための装置に過ぎない。そんなことを考えながら、ふと時計を見る。針はいつの間にか八時を示していた。




「集まったな」

 夜八時、木久里小学校の前、約束通り弘樹、晶、真菜、洋子の四人は校門の前に集合していた。小学三年生の彼らにとって、こんな時間に子供だけで外に遊びに出るなど、それだけで胸をときめかせる冒険だった。親には明日から休日なのを良いことに友達の家に泊まるとそれぞれ話してあった。

「でも、どうやって入る?」

 当然のごとく校門は閉まっている。それを見て晶が言った。それに花子を呼び出すための道具が入っているのであろう大きなリュックを背負った弘樹が答える。

「学校の裏にフェンスに穴があいてる場所があるんだ。そこからなら入れるぜ」

「さっすが~」

 そう言って、洋子が弘樹の肩を叩いた。弘樹は照れ臭そうに笑うと、三人をその場所へと案内するために歩き出した。

 学校の裏には、確かに子供一人が通れそうな大きさの穴が開いたフェンスがあった。まず弘樹がその穴にリュックを入れ、自身も穴を潜る。続いて晶、洋子、真菜が入る。

「さて、次は学校に入りますかね。俺と晶で今日の昼休み一階の非常口の鍵を開けておいたんだ」

 そう言って、弘樹が非常口と書かれた扉のドアノブを回した。カチャリと軽い音がして、扉は抵抗なく開く。

「やった!」

 小さな声で、晶がそう漏らした。

 四人は興奮しながら夜の学校へ入った。暗い廊下を目を凝らして見回すが、特に人影は見えない。夜とはいえ教師や警備員がまだ残っている可能性はある。見つかったら今日の計画は台無しだ。

 誰もいないことを注意深く確認すると、四人は階段を登った。目指すのは三階の女子トイレだ。そこで降霊術を行えば、今騒がれている花子の霊を呼び寄せることができるのではないかというのが弘樹の提案だった。

「誰もいないみたい」

 階段から顔だけを出して、廊下を観察しながら真菜が言った。四人は警戒を解かずに女子トイレへの進路を急ぐ。この学校には各階にトイレが男女各一つずつしかない。そのため、降霊術を試す必要は一度でよかった。

 夜の学校は言い知れぬ恐ろしい雰囲気を醸し出している。それは昼の明るさからのギャップのせいなのか、学校自体がそう言ったものを最初から持っているのかは分からない。四人は音を立てないように気を付けつつも、急ぎ足で女子トイレの前まで進んだ。澄んだ静けさの中に微かな足音だけが響くのが何とも不気味だった。

「よし、開けるぞ」

 立ち入り禁止の表示を尻目に、晶はトイレの扉を開いた。ぎぃと扉が軋む音とともに、彼らの目的地が姿を現す。

「ねえ、電気点けていい?」

 暗闇の恐怖に耐えられなくなったのか、真菜が呟くような声で言った。他の三人は一度顔を見合わせてから、弘樹が「良いよ」と答えた。彼らもまた、暗闇に怖じ気づき始めていた。

 スイッチを押す音とともに、狭い空間が光に満たされた。四人は少し安堵して、トイレの奥へと入っていく。



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