第5章 : 野外学習 4
◆◇◆
夕暮れ時になり、温泉に入る時間になった…。小学校時代で一番好きだったのは、男女一緒に入浴できたことだった。
私たち4年生は、女子と一緒に温泉に入ることができた。合宿中だったので、入浴時間は学年ごとに分かれていた。
午後8時、私たちの4年生の番になった。
「あぁ…気持ちいい。」
体を洗い流した後、いよいよお湯に浸かる時間だ。男女の浴場を隔てる竹垣のそばに座って、お湯に浸かった。
「…気持ちいいって言うけど…お湯のせい?それとも何か別の理由?」
ヒロくんがからかってきた…でも、私は気にしなかった。
なぜかって?
「はは…わあ!お湯が熱い!」
「すごい…くいなちゃん、肌がツルツルだね!どんなクリーム使ってるの?」
なぜなら、この瞬間、一番大切なのは、少女たちの澄んだ美しい声を聞くことだったからだ。
えっ!?…覗いてないの?そんなことする人いる?犯罪だよ!男としての名誉にかけて誓う、絶対にそんなことはしない――
「おい…ここに穴が開いてるぞ!」
「あっち行け!」
もう一度言う…絶対にそんなことはしない…犯罪だ…それに、俺みたいな善良な人間がそんなことをするはずがない…
「わあ…清美ちゃん、肌がすごく白いね。」
「えっ?…あのカンニングするクラス委員長…どうして一人で見てたんだ?」
「そうだよ、それに俺たちも君たちより先にここにいたんだ。」
確かに…まさか。
「ごめん…」
私は歩み寄り、二人にそっと囁いた。
「君たち、誰を覗いてたんだ?」
「心配しないで、クラス委員長…北原さんをスパイしていたわけじゃないよ。」
「ああ、彼女は理想の女の子ってわけじゃないし…クラスの可愛い子たちってことだよね?」
うーん…清美が聞いたらきっとショックを受けるだろうな。でも幸いなことに、こいつらは誰を覗き見ればいいか、というか、誰に視線を集中させればいいかを知っている。
「例えば…チャーリーちゃんとか?」
「そうだよ!金髪の女の子と温泉…あり得ない組み合わせに見えるかもしれないけど、実は最高の組み合わせなんだ。」
えっと…チャーリーちゃんはクラスで一番可愛い子、というか、学校全体で一番可愛い子だよ。それに、お金持ちでもあるしね。
彼女と付き合える人は、とてつもなくラッキーだろうね。
「そうだね…お嬢様っぽい金髪の女の子は確かに可愛いけど、残念ながら、清美の方がずっと可愛いよ。」
念のため言っておくけど、僕は女たらしじゃないよ。
「わあ…クラス委員長ってかっこいい…」
僕は二人に微笑みかけ、細い胸を張った。
「よし、兵士たち…重要なのは、目立たずに溶け込むことだ。だから…作戦を提案する。」
「はい!」
「温泉から脱出する必要がある…時間から判断すると、この任務を完了できる時間はたった20分しかない。」
「じゃあ、急がないとね?」
「そうだ…よし、あの丘が見えるか?あそこに忍び込むんだ…双眼鏡を持ってきた。こっちへ。」
「了解…」
私たち3人は、誰にも知られずに秘密の任務に出発した。
まずは着替える。双眼鏡3つは私が持って行く…
旅館の隣の山で待ち合わせ…それから木の柵を飛び越えて頂上まで登った。疲れたけれど、その甲斐は十分にあった。
女湯の明るい明かりのおかげで、懐中電灯は全く必要なかった。
「おお…」
二人は少女のこの上ない美しさに目を輝かせた。
「ほら…君たち、これを使うといいかも。」
双眼鏡で女湯を覗き込んだら…真っ白な…
全身…あの笑顔…
「いる?」
誰かが水を差し出してくれたので、喜んで受け取って飲んだ。
「……ちょっと待って。」
双眼鏡から目を離すと…ヒロくんも寝転がって双眼鏡を覗いていた。
「あああああ!」
あまりの驚きに思わず叫んでしまった…ヒロくんと他の10人くらいの男の子たちが私の口を塞いだ。
「正気かよ!女の子たちに聞かれたら、俺たち全員死んじゃうぞ!」
「待って…どうやってここに来たんだ!?」
私が尋ねると、シンジくんはリラックスした表情で答えた。
「秘密任務中だし…秘密任務にはたくさんの協力が必要だよね…?」
「うん…」
数十人の男子の声が、暗闇にかすかに響いた。
「…………じゃあ、一つだけお願いがある。」
「北原さんと長岡さんを覗き見しないで。分かった?」
「ああ、もう二人とも恋人がいるからな…。あ…くいなちゃんは、見たい人はどうぞ…でも、見つからないようにね…。背中を蹴られたの、見た?」
私は何か変なものを見ているかのように、五本の指をひらひらと動かした。皆が頷いた。
「あいつ、可愛いな…いのちゃん。」
「何言ってんだよ…安田さんが一番可愛いだろ。」
「まあ、そばかすのある女の子が好きなんだろ…?」
奇妙な秘密任務は順調に進んでいた…
しかし…
「あれ…どうして清美がそこに立っているの…?」
彼女の視線を追うと…くいなちゃんに止まった。
ガシャーン!!!!!!!!!
オーラ…まさか!これはまるでハンター×ハンターのネフェルトの召喚獣のようだ!
少女から発せられる嫌悪のオーラが、私に向かって広がっていく。
「うっ!」
「どうしたの、西尾くん!!」
「逃げろ!」
「えっ!?」
「逃げろ!!!」
私は仲間を押し退け、その瞬間…タオルを巻いた、短いウェーブのかかった髪と宝石のように赤い瞳の少女が、超人的なスピードで竹垣をよじ登り、空中で回転した。
その時…憎しみに満ちた視線が私に向けられた…振り返ろうとしたが、もう遅かった。
ヒュッ!
何かがまっすぐ私に向かって飛んできた…ものすごいスピードで…体育の成績がいつも優秀な私ですら、避けられなかった…
それは…木製のボウルだった。
「痛っ!」
まるで投げた人が元特殊部隊員だったかのように、完璧な精度で私の頭に命中した。
いや…特殊部隊員でもこんなことはできない。
私は宙を舞い…そして…温泉の湯にずぶ濡れになった。
ドスン!くいなちゃんがスーパーヒーローのような着地を決め…軽蔑の眼差しで私を見た。
「ご列席の皆様。この男は……世界中の紳士を侮辱しようとしている男です。」
わあ…ここは…天国?
でも、どうしてみんな私をそんな目で見るの?
「さあ、お嬢さんたち…どんな罰を与えようか?」
「…………ごめんなさい。」
あの日は、おそらく人生で一番大きな声で叫んだ日だったと思う。




