#32 レムリアに終焉のロゴスが響き渡る
レムリア大陸を沈めた、と言っても直接破壊活動を行ったのは第一ヒエラルキーの神々ではない。
沈めた張本人は何を隠そう「火の力」を遺憾なく行使したレムリアの人間たちである。
彼らの「火の力」は動物の生殖と創造に関与していたことに留まらず、地球の鉱物や植物の生態系の創造の眼であり手足として地上的な秩序の形成を実務的に担っていたことから、その逆もしかり可能なのであった。
レムリアのアダムはディヤニとピトリスによってマナスを含めた人間が地球紀で進化することのできるほぼすべての実質を獲得していたが、実際その肉体に反映されていた意識は自我以外のすべてを誰か自分以外の上位存在に代理的に肩代わりされている状態であった。
レムリア人の霊的実質体(蓋然体) ※低次な器ほど高次元な存在が関与
肉体:第一ヒエラルキーの眷属が殻となって組織化
生命:第二ヒエラルキーの眷属が殻となって組織化
魂:第三ヒエラルキーの眷属が殻となって組織化(不完ピトリスが受肉)
自我:レムリア人の自我はルシファー原理の「早熟」の影響を受けて早期に受肉
霊我:高次ルナリスがレムリア人にマナス体のお手本として干渉中
生命霊:ソラリスの蓋然体アラハトがレムリア人の魂を各ピトリスと結び付ける
霊人:ソラリスがレムリア人の魂に霊体を用意しているが受肉も干渉も不可
レムリア晩年のアダム人間の身体・生命・魂の各機能は人間実質のすべてを構成しているものの、その秩序を維持する主体は人間自身ではない段階である不均衡の段階であったため自我だけが先行して受肉しているレムリア人たちは自分で統御できる範囲を超えた力をまだ自分のものとして扱えなかった。
ルシファー原理によって自我だけが先行的に早熟しているながら霊的な自己認識の模範であるマナスをはじめ、更に高次元から働きかけようとしている外部からの作用に、まったく反応も反映もなされないという非対称性が生まれる。
その非対称性こそが天上の葛藤であり神々の代理戦争の切り口となる。
どの時代でもそうだ。
葛藤とは常に神的な非対称から生じている神々の闘争の火蓋なのである。
レムリアではそれが「火の力」を組織していた肉体を舞台に行われた。
「火の力」とは産み出す権能のことである。
かつて熱的なエーテル状態であった地球に姿を与えた火の霧が濃縮して凝縮して圧縮されるが如く産み出された熱の結晶に第二ヒエラルキーの眷属にして惑星神霊であるディヤニが高次元神霊からの形成の叡智をもって地球を硬質化させた。
その地球と同じ素材でレムリアのアダム人間は創られている。
地球を宇宙進化の中心に据えたあらゆる神霊権能の顕現である宇宙空間の諸力として注がれてきた天体と同じ素材と諸力が人間の肉体であるアダム人間には備わっている、それが「火の力」であるという意味から地球の人間の肉体及びその存在の青写真である進化過程のあらゆるシーンはすべて根源の現身が根源への可能性そのものなのである。
その宇宙プロジェクトの可能性を絶えず発信しているのが第一ヒエラルキーの神々なのである。
第一ヒエラルキーとは神聖位階一位から三位で構成される上級神霊が属する階層である。
〇第一ヒエラルキー
第一位:熾天使=愛の霊・神的な目的を受け取る働き
▶根源的な三位一体に由来する世界体系全体の目的や理念を受け取る
個々の生命や魂をどう形成するかという局所的な問題よりもそもそも宇宙が何を実現するのかという最も包括的な方向性に関わる
第二位:智天使=智の霊・宇宙構想を展開する働き
▶熾天使が受け取った世界の目的を宇宙として実現できるよう叡智によって展開する
いわば世界の理念を宇宙進化の構造へと具体化する働きである
第三位:座天使=意志の霊・根源的な現実をもたらす働き
▶叡智によって展開された世界構想を現実の生成へと移す
古い土星紀の始まりは座天使たちが自らの実質を捧げた「熱」が実質となった
彼らは根源叡智の目的を受け取り、その叡智を展開し、意志によって実現する。
その実現もまた供儀ではあるのだが、第一ヒエラルキーによる供儀は第二ヒエラルキー以下のナメクジと殻が一体化したカタツムリの生体の生命秩序に例えられるものではない。
なぜなら、同じカタツムリでも第一ヒエラルキー存在たちは自らの本体であるナメクジ部分から「殻」を切り離しても、「殻」は殻内部の機能だけではなくナメクジの意志と叡智を保ち、ナメクジもまた殻に詰まっている生命機能を失ったように見えてもナメクジのままカタツムリであり続けることができる。
要は永遠の存在が永久機関として宇宙と霊界の相互を調和しているのである。
だから創造主である第一ヒエラルキー存在と被造物である「殻」を切り離してもカタツムリとしての本質を一切損なわない。
つまり、宇宙空間に彼ら第一ヒエラルキー存在たちは存在しないが関与はしている、ということだ。
ゆえに逸脱と退化と堕落による不調和といった彼らの意志ではない宇宙の進行も知覚している。
この第一ヒエラルキー存在にまで宇宙の進行状況を伝えているのが「時間の回転の霊」と呼ばれる周期霊である。
いわゆるクロノスだ。
ギリシア語で「時間」を意味し、それを神話で擬人化した存在を「クロノス」と呼ぶ神格化されたその本質は、宇宙そのものを周期させることで宇宙を一つの転生で完結させないために存在している第一ヒエラルキーの眷属である。
クロノスは頂上の神々が不在の宇宙実現を時間的な統括を行っている。
一つの宇宙として段階的に階層的に神霊たちがその宇宙を展開させている精神を進化させるための作用となるべく、彼ら宇宙の神々にも人間に似たような季節の移り変わりや生と死による転生と進化、世代や時代の変化が惑星の周期に現れている。
その変化の流れは須らくクロノスの影であることの投影を私たちは天文学という座標に見ている。
その無限にも等しい転生と階層を重ねてきた夜空のことを宇宙空間と私たちは呼んでいる。
惑星が時間の影だとしたら真空空間こそが時間の本質にあたる。
限りなく絶対零度に等しい時間も凍り付くような無の領域から時間はまるで重力のように波打つことで水の波紋のように伸縮しながら漂うことで宇宙に密度という概念が遍在するようになる。
この宇宙の時間が伸縮、濃縮、凝縮することで密度へと変遷する作用を「時間の回転の霊」であるクロノスが神霊の階層化として手掛ける際に、同じく第二ヒエラルキーの眷属である惑星神霊が第一ヒエラルキーの意志という時間的作用の「殻」だけを受け取り、宇宙の枠組みをその「殻」に込められた愛と智と意志に基づいて第三ヒエラルキーの神霊たちが転生を管理することで常に新しく形成していく。
注目すべきなのはクロノスの司る時間は神霊たちにとっても常に新しい点である。
階層ごとに時間の流れや密度は違い、個体や天体の特性によっても時間への感受性はそれぞれ違う中で、宇宙全体の進化を司る力を進行させている時間には主に三つの概念が複合している。
一つは、根源叡智という完成された存在への可能性を拡張的に刻む神霊たちの創り出す時間。
もう一つ、は根源に反旗を翻すべく逸脱した存在への可能性を閉鎖的に刻む悪神たちの創り出す時間。
そして、三つ目が神霊と悪神の創り出す時間の階層を自由自在に行き来する人間の自我が創り出す時間である。
これらそれぞれに違ったベクトルを持った時間的な進行が一つのものとして宇宙創造の進路を形成できている背後にいるのがロゴスとしての「キリスト原理」である。
宇宙を創造している神霊たちの権能は各特性の存在概念に応じたロゴスによっている。
彼ら神霊の思考や叡智の意志が言語となって権能が作用するよう原初から機能しているのがロゴスそのもののことを「キリスト原理」と呼び、私たち人類が崇拝しているキリスト・イエスのキリストという名称が救世主として崇められているのは、高次元のロゴスとしての権能を人間にもたらしてくれる救済を望んでの呼称だと思っていい。
ロゴスであるキリスト原理の反映は人間の民族ごとに異なる無数の言語体系の在り方そのものでもある。
これは神霊たちが各位階ごとの権能を支配力として秩序を構築しているその多様性と個々の個性とが人間の世界の言語にキリスト原理が間接的に作用することによって生じている一端であるとも言える。
また、人間の言語が多様にして複雑であるにもかかわらず、違う民族間でも人間が伝えようとしている概念を普遍のものとして翻訳可能な相互作用を持つのも、言語の大元である人間ロゴスを「キリスト原理」が地球紀の人間の魂に働いているからなのである。
つまるところ、「キリスト原理」とは統一と統合の上で均衡の働きを個別化する「自我原理」のことだ。
この自我は地球紀の創造主である形態の神霊が宇宙に初めてもたらしたことになっている。
しかし、地球紀の人間の自我は土星紀の始まりからすでに用意されていたが、霊界から宇宙に顕現できる状態になるまでに太陽と月の時代を通過する必要を要し、地球という物質天体を中心とした宇宙秩序を完成させるまで人間自我の宇宙への降臨は待たなければならなかった。
その膨大な宇宙過程の進行を担っていたクロノスの背後より「キリスト原理」のロゴスは数々の始まりと葛藤と終焉を繰り返す中で、地球紀の人間の使命である「自我原理」の実現可能な未来へと導けるよう、三位一体の根源叡智の意志から生じた「愛と自由」を体現する人間存在の創造に神霊のヒエラルキーの外から関与する。
「キリスト原理」とはルシファー原理、アリマフィック原理と同様に原理をもたらす原理なのである。
いわゆる神霊による宇宙創造の上位存在によるシステムとでも呼ぶべき仕様が創造神たちに及んでいる、ということだ。
この原理をもたらす原理の根源領域に存在する三つのロゴスのことを三位一体と呼んでいる。
父・第一ロゴス:根源・未顕現・存在の可能性
▶あらゆる存在が分化する以前の根源のアルファにしてオメガの到達者
子・第二ロゴス:言葉・自己顕現・宇宙に意味を与える働き
▶キリスト原理、ルシファー原理、アーリマン原理等の進化の調停者
聖霊・第三ロゴス:霊的な働きの顕現・形成・秩序化
▶神霊ヒエラルキーによる各宇宙紀の原理と叡智による秩序の創造者
これら三位一体を一つにした根源たる神界の神が根源叡智である。
またすべてが一つだった存在の原点のことを新プラトン主義では「一者」、古代ギリシャ哲学では「アペイロン」、ヴェーダで知られるインド哲学では「パラブラフマン」などの境界も限定も根拠すらない超越的な境域が第1ロゴスである父の背後に渦まき、あらゆる可能性のための根源叡智として始まりと終わりを知る到達者たちの知恵の次元がこの世界には存在する。
彼らの現身が「父」にして、神界の始源の務めを果たす究極の代理存在であり、根源叡智のロゴスそのものとして顕現することなく、原理と形成のロゴスをキリストのような原理存在や創造神である神霊に渡すことで、分化した根源の断片は熱として存在を意志として顕現させるようになる。
その熱とは三つのロゴスそのものであり、その始まりの宇宙の中に「人間がいた」という宇宙の進行を私たちは進化と呼んでいる世界で生命として、魂として、自我としての多様に重なった状態の肉体条件に人間は生きている。
地球紀のレムリア人の肉体はそんなロゴスとロゴスの代理戦争の依り代として戦場となる。
肉体には肉体の意志がある。
レムリアの時代の人間の意志とは「火の力」がある種の才能であり、能力として第一ヒエラルキーの権能が「殻」となって、息をするようにレムリア人の肉体からは超越的な創造を進行させている地球との親和性による魔術的作用を地上に垂れ流していた。
また人間の生命には記憶が意志となってある。
レムリア人の記憶には第二ヒエラルキーの形態の神霊の分霊であるデュヤニの意志が元素霊、あるいは自然霊となって人間自身の肉体の形態を持続させるだけでなく、地球創造の役割もまた人間の生命体とその太古の記憶をシステムにしながら動植物の魂を形態化を月紀と太陽紀の記憶をもとに実現させていく。
この肉体と生命体が第三ロゴス「聖霊」の神霊たちによる根源叡智の正統たる導きだとしよう。
するとレムリア人の魂の第二ロゴスの「子」らが働きかける第三ヒエラルキーの神霊たちを取り合い、虚実織り交ぜて、人間の心象世界の領域に結びつくことでその思考が概念、言語、思念として個体化していく過程を経過させていく。
その経過には第二ロゴスの三位一体である自己化のルシファー、固定化のアーリマン、その均衡と愛による個別化のキリストの原則による三つの時間軸が一つのものとなったものがクロノスを介して宇宙へと流れていく中で、その理解度のベクトルのバランスと速度差等の格差と段階の違いによる神々の葛藤の負債が不完のルナリスというルシファー原理の受肉体という顛末を導く。
その人間の魂には「私」という肉体とも生命体とも魂とも意志を隔てた意志である自我がある。
レムリア人にはまだ自我の芽生えはない。
月紀に人間段階であったルナリスにも地球人のような自我はない。
あるとしてもルシファー存在が不完のルナリスに運んできた早熟にして未熟な仮初の自我に過ぎない。
仮初の自我とは人間の赤ちゃんだからと言って自我がないわけではないのと同じことだ。
現代の未成熟な幼児の自我には天使の神霊が、レムリア人に搭載された自我の芽生えはルシファーがキリストから奪い取った成果を不完のルナリスに委ねられることで、仮初の自我は人間と深淵をつなぐ一端となって顕れる。
霊的な自我も同じで、今無いからと言って、ずっと無いものではないのだ。
魂を見ることのできるマナスは既に存在しているのだが、まだその段階に至れていない自我を認識しているのが私たちであり、この自我の作用は闇を本質として生前から生後にも及ぶ。
更にスケールを極大化するとこの自我には第一ロゴスである「父」の作用が及んでいる。
それも根源世界より途切れることなるカタツムリを構成する全体の力として直接働いている。
思考する力のことだ。
三位一体の根源叡智とは広くあらゆる思考の根源そのもの。
根源とは闇であり、思考こそが根源であり、その闇の無限の可能性に付与されたロゴスが思考する「自由」、未顕現の宇宙創造を可能にする作用の断片を有している存在、それが地球紀の自我人間の存在の本質なのである。
第二ロゴスのキリストは「父」からこの根源たる自我原理を人間に愛をもって届けている。
そして、その本質から逸脱した被造物として創造されたのが人間もどきの猿人だった。
早期に自我を引き釣り降ろしたルシファー原理とクロノスによる正規の進化を生命の営みとして守護しようとするキリスト原理との間で、制御不能な「火の力」を乱用する半人半魚のレムリア人が動物も人間も分別のつかない無意識に従ったために混沌とした闇の中から逸脱群霊の魂を自らの拙い自我とが非対称な進化形態を有してつなぎ始める。
地球のアストラル体である群霊と結びついていた魑魅魍魎にも似た動植物たちの原型的な魂の一部とルシファーの意志に感応している不完にして低次のルナリスの欲望する魂とがキリスト存在の均衡を突き破ってのことだった。
その神々の抗争が私たちにはロゴスの非対称による葛藤に見える。
その葛藤が「火の力」に投影されることで新たな人間創造の力で猿人を産み出す。
自我無き人間もどき。
最古の猿人サヘラントロプスの祖先とも言える人間もどきの魂的原型である。
彼らは猿たちとも異なる群霊から多くの部分が切り離された被造物、思考する自由を持たないまるでゾンビや深刻な泥酔状態の酔っ払いのような精神が創り出した、人間の魂に直接受肉した不完のルナリスと神の真似事の産物たちが地球の「火の力」と結びつく。
レムリア人もまた天上の意志に従い「火の力」を誤った「火の力」に向けて行使される。
連鎖的に地球もまた人間及びロゴスの意志に共鳴するように「火の力」を火山へと変えていく。
地球上のすべての「火の力」が地脈となって地上の大部分を火山として次々と隆起させることで、現在の地殻変動であるプレートテクトニクス原理を地球の火山帯を線としてつないだ稜線が四つの点で結合して形成された、四面体が宇宙から投げ込まれた四つの部分を結び目に地球はやや不完全でありながらも現在に近い球体の天体へと進化を形態化させていく。
これらの破局への道は直接的にはレムリア人たちが行使をしてはいるが、その行為の本質は人間の階層を司っていた神々の都合によってレムリア人たちが利用される関係によって、天上の清算として世界が洗い流される次元の境界であり転機として執行された。
こうしてレムリアという第三根源人類紀は終焉の炎によって地の底へと礎となっていったのだった。




