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非存在観測部隊の怪現象譚~ミコト教授のケースログ~  作者: LostCun
ケース10

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18/23

鏡の中には誰もいませんよ~深夜に映る血みどろの未来

鏡の中には誰もいませんよ


「ねえ。こんな話を知っている?」

そう言って始まった深夜の怪談話に世界が大きく揺さぶられることになる。



草木も寝静まるころに布団に入りながらYoutubeの画面を見ていた。

ショート動画をスワイプしながら流し見していると、とある配信に目がとまる。

10物語、語り終えるまで寝られません。

10?100じゃないんだ……と思わず心の中でツッコミを入れてしまった。


「はいはーい。9話まで読み上げたよ!あと1話!最後までついてきてね」

深夜だというのに元気がいいな。声はしっとりとしていて耳にまとわりつかないいい声だが。

「ねえ。こんな話を知っている?」


場所は深夜の小学校。

2階から3階へ上がる階段の途中に設けられた巨大な姿見が存在していた。

その学校には怪談があった。

深夜2時にその鏡を覗けば自身の未来が映り込む……と。

「じっさいそんなことしたら警察に相談されて不法侵入で捕まっちゃうかもね!」

と配信者が茶化したように笑う。

「で、その鏡を覗こうとした男女のカップルの話なんだけど……」

小学生にして未来を誓い合った2人は未来でも2人でいるはずだと鏡を覗きに行ったらしい。

「お熱いことですなあ」


深夜。歩くたびにリノリウムの床が独特の音を出している。

カツン、コツン

足音が嫌に反響していた。

入り口から入ったカップルが鏡にたどり着くまであと100m……

カツン、コツン

何の変哲もない深夜の学校だが、仄かに生活臭がかおるとそれが神経を逆なでしてくる。

昼間は子供たちが元気に遊びまわっているだろう廊下を今は2人きりだ。

カツン……

あと20m……

コツン……

あとはこの階段を上るだけ……


そうしてたどり着いた鏡。正面に立とうとする。

「ねえ?本当にいいの?いまならやめることもできるよ?」

少女が言う。すると少年はこう返した。

「未来でも一緒って言ったじゃないか。必ず2人の幸せな姿が映るはずだよ」


2人で鏡の正面に立つ。するとそこには……

「な、なんだよこれ……!」

「きゃーーーーーーーー!」


健康的な少年と、血みどろの少女が映っていた。

真っ赤な色に染まった少女の顔は口が引きつるほどの笑顔だった。

それが恐怖をさらに駆り立てた。


「ごめんね……わたし、未来には行けないみたい」

「気にすることはないさ。こうして会いに来てくれたのだから」

「思い出したみたいね」

「ああ、全部……全部ね」


彼女は数日前に車に衝突されて大怪我で入院していた。

「ありがとう……さようなら」

「さよなら!」

スゥ……っと少女が影のように消えていく。真の姿を観測されたせいでこの世にいられなくなったのだろう。




後日

「ただいま!ケガ、治ったよ!」

「え、ええ??」


あいつ誰だったんだよ。

少年は背筋がゾゾゾっとして寒気が止まらなかった。

「なんだよ。失礼だな。元気な私をみて何か感想はないの?」

「お、おう。これからもよろしくな」

「あたりまえだよ!よろしくね!」



「と言う話が昨日ネットの配信で流れてたんですよ」

「それは……横恋慕ね。彼女が居る少年を好きになった霊の仕業よ」


そ、そうですか……

今日は資料整理の助手に来ていたタツが昨夜行われていたネット配信の話を持ち出してきた。

「ちなみに、鏡に血みどろの未来が映るのは……鏡の裏の金属が錆びている説が濃厚よ」

「はあ……ロマンもへったくれもないですね」

「そういうものよ。非存在の観測って言うのは」


はあ……と適当な相槌を打ちながら資料整理にいそしむタツだった。

あの配信、結構人が集まっていたな……

今度また覗いてみよう。


深夜のホラー配信、貴方も見つけてみてはいかがでしょうか。


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横恋慕ーーーー! じゃまするヤロウーw
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