ゲームをすると現れる
バチン!
「ちょっとおかーさん!掃除機かけるなら先に言ってよ!」
ブレーカーが落ちた。
夕暮れに染まる空から光が落ちてきていた。
「真っ暗にならなくてよかった」
ミカは玄関の近くにあるブレーカーを上げに行く。
パチン!
「よし。これで電源が戻った。ゲームは消えちゃったけどね」
タタタタタタタタタ!
何かが通り抜ける音がした。
「何?ネコ?まさか……虫!?」
ミカは怖くなって台所に駆け込んだ。
確か殺虫剤は……あった。これで大丈夫なはず。
強力な殺虫剤があった。床に吹きかけておけば、上を虫が通っただけで退治できるやつだ。
「最近の市販の殺虫剤はプロ仕様にだって負けないんだからね」
その日、物音がすることはもうなかった。
◇
「怪現象と日常の閾値が混ざり合っているわね。とても危険な兆候よ」
念のためにミコト教授に電話をかけてみた。
予想外に強い調子で言われてミカは少し怖じ気づいた。
「一度怪現象に出会った人はその後の人生で別の怪現象に出会う確率が上がるの」
約3倍以上と言うのが肌感覚なんだそうだ。
「足音がした時の前後の様子をもっと聞かせてくれるかしら?」
「はい。お願いします」
◇
今日は夜更かししてゲームをしちゃったな。
早く寝てしまおう。
タタタタタタタ……
足音だ。間違いない。この前と同じ……
ミカの部屋は2階にある。今日は自室でゲームをした。PCゲームだ。
廊下の音が止まない。
タタタ、タタタタ……
「気になる!眠れない!」
ミカは布団から起き上がって部屋の扉を開ける。
すると廊下には……
「何もいない?」
ニャアン
なんだ猫か。猫……?
うちはペットを飼っていないのに?
ドタドタドタ!
音がした。隣の姉の部屋からだ。
「シーーッ!バレるでしょ!!」
「何しているのお姉ちゃん?」
「ああ、バレちゃったか」
◇
どうやら音の犯人は姉が拾ってきた野良ネコだったらしい。
野良なんだから放してきなさいと言っても姉は聴かなかった。
「やだ。うちで飼うんだから」
「魔除けになるならいいか……」
タタタタ!
「え?いまの音は?」
姉の部屋に姉と自分、そして猫が居た。
謎の足音は再び恐怖の対象となった。
「ミコト先生!助けて!」
「今すぐに行くわ。いつものスプレーを持って、ね」




