第10話 口寄せ
ミランとは、ゴールデンの前で別れて、宿である銀毛の山羊亭に帰って来た。
ぶらぶらと、寄り道をして帰ったせいか、ゴールデンの荷物がガンツの防具よりも先に宿に届いていた。
セイメイは、久しぶりに自分のステータス確認をした。
安倍晴明20歳
Lv8 ↑7
HP 110/110 ↑80
MP 230/320 ↑200
妖怪使い Lv3 ↑1
アイテムボックス
鑑定
ゴブリン達を倒したせいか、レベルが上がっていた。
スキルの妖怪使いもレベルが上がっている。
これで、馬頭鬼、牛頭鬼が呼び出せる。
それに、どうやら妖怪は呼び出している間、MPを消費するようだった。
それよりも、今はゴールデンで購入した1本の長槍と、3本の日本刀、2本の苦無、2本の忍者刀であった。
試しに、スキルの鑑定を使って見てみると、全て漂流物と表示された。
そして、どうやら、苦無と忍者刀は、それぞれセットであるらしかった。
不思議な気は、いまだに漂い続けて、セイメイが近付くと増す気配がした。
「口寄せは、自分の性分ではないんだがな?」
口寄せとは、青森県にある恐山に居るという、イタコという巫女がすると聞くが、セイメイこと安倍晴明は生前、恐山に行ったことは無かった。
「取り敢えず、いつも呼び出すようにやってみるか」
セイメイは、2本の苦無と、2本の忍者刀を机の上に置くと、妖怪を呼び出すイメージで、力を込めた。
すると、MPがどんどん消費されていくのが感じられて、2つの名前が脳裏に浮かんだ。
「来い!!霞、菫!!」
次の瞬間、光が宿の部屋を覆った。
余りの眩しさに目を閉じたセイメイが次に見た光景は、机の前に立つ2人のくノ一だった。
スキル鑑定で、確認すると、
骸くノ一 Lv3 消費MP50
と出たのだった。
2人は、パッと見て普通の生きている人間の女性にしか、見えなかった。
黒髪を腰まで、伸ばしているのが、霞。
黒髪を後ろで、まとめてポニーテールにしているのが、菫だった。
2人は、初め、自分達が何処に居るのか分かっていない風だったが、セイメイを見つけると、片膝を付いて臣下の礼の格好をした。
「我らを召喚して下さり、ありがとうございます。陰陽師殿」
「我ら、これより身命を賭けて主様を御守り致します」
セイメイは2人の口上に驚いていた。
しっかりと、自分の意思を持ち、状況判断が出来て、喋ることも出来る。
そこまで、高等な妖怪は、セイメイの命を奪った、九尾の狐ぐらいしか、知らなかった。
「陰陽師殿?」
「主様?」
2人が不安そうに、こちらを見て来るが、2人共に、絶世の美女と呼んで良いほど容姿が優れていた。
前世では、妖怪に関すること以外は、コミュ障だったセイメイにはある意味ピンチであった。
「自分のことは、セイメイと呼んでくれれば良い」
「しかし、それでは・・・・」
菫が、抗弁しようとするが、霞が止めた。
「分かりました。陰陽師殿、これより、セイメイ様とお呼びすれば良いですね」
「様も要らないかな?ただ、セイメイとだけ呼んで欲しい」
「「分かりました、セイメイ」」
うん、戦国の時代を生きたであろうくノ一は、理解が早くて助かる。
「しかし、2人を呼び出すのに、MPを100も使ってしまった。
他の刀や、槍から呼び出すのは、また今度だね」
「他にも同輩が居るのですか!?」
どうやら菫は、思ったことが口に出やすい性格らしい。
「うん、と言っても長槍や、刀だから忍びではなくて、侍だろうけどね」
「そうですか、ちなみにセイメイは、他にも式神を使っておいでなのですか?」
霞は、どうやら頭脳派らしい。
「あぁ、言って分かるかは知らないが、骸武者を2人、足軽髑髏を10人、管キツネを4匹使役している」
「16体もの式神を一度に!?呪力は大丈夫なのですか?
しかも、2人に、10人、人扱いですか」
「君らを見ていると自然にね・・・・・。彼らも人だったのだから。
呪力は今のところ少しまだ余裕があるかな?君は知りたがりだね」
「・・・・・っ、すみません、式の身でありながらでしゃばった真似を!!」
「良いんだよ、別に。それよりも、君達の服装をどうにかしないといけないな」
2人は、戦国時代の如何にも貧しい農民の娘ですといった格好に、忍者刀を腰に差していた。
苦無に至っては何処に行ったのやら、しかし、そんな格好が、この中世の西洋風の世界には合わない。
セイメイの服装もかなり奇抜では、あるが冒険者とはそういった職業である。
こちらの世界に合った2人の衣服を手に入れなければならない。
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なんとか今週も投稿出来ました。




