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オモイ  作者: 塩じゃけ
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1

 あなたには、人には言えない、そんな秘密がありますか?





 誰にだって秘密の一つや二つぐらいあると思う。



 もちろんボクにだってーー。



 雨が降る。重い雨が。


 とある梅雨の日の朝。

 雨は絶え間無く、大地へと降り注ぐ。

 まるで地上を歩くボクたちを、責めるように。


 ボクは雨が嫌いだ。

 雨の中歩けば靴が濡れ、下手をすると靴下まで浸水する。これはとても気持ちが悪い。


 それに……。

 雨の日は大勢の人の良く無いオモイが、見えやすいのだ。

 そう考えていた事が悪いのか、一瞬思い描いていたモノが視界を過る。

 ボクは直ぐさま、視線を逸らした。


 今日は厄日になりそうだ……。


 そのまましばらく歩いていると、後ろから、誰かが走ってくる音がした。



「おはよう! ヨウちゃん!」


 そう言いながらボクの隣に並んだのは、幼馴染みであるミーちゃんだ。

 日本人にしては色素の薄い髪をボブカットにした、華の女子高生である。

 二重の目はパッチリとしており、肌もきれい。

 幼馴染みの欲目をなくしても、とても可愛い。

 そんなミーちゃんがボクは昔から大好きだ。

 けれど、ちょっぴり妬ましくもある。


「おはよう、ミーちゃん」


 そんなことはおくびにも出さず、ボクはあいさつを返す。

 ミーちゃんはボクの顔を見て、少し困ったように微笑んだ。


「そんな顔をしないでよ。いくら雨が嫌いだからって、辛気臭い顔をしていたら、いいことないよ?」


 そう言うや否や、ボクのほっぺたをむにっと引っ張った。

 鈍い痛みがボクの右頬を襲う。


「や、やめてひょ」


 ボクが抗議の声を上げると、ミーちゃんの手は直ぐに離れた。

 横目でミーちゃんを睨むと、ニヤニヤと笑っている。


「はい、すまーいる!」


「誰がこんな状況で笑えるの……」


 そうこうしているうちに、学校が見えてきた。



 雨はまだ止みそうにない。


一話分が短くて申し訳ない……。

誤字、脱字等があれば、報告して頂けると嬉しいです。

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