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あなたには、人には言えない、そんな秘密がありますか?
誰にだって秘密の一つや二つぐらいあると思う。
もちろんボクにだってーー。
雨が降る。重い雨が。
とある梅雨の日の朝。
雨は絶え間無く、大地へと降り注ぐ。
まるで地上を歩くボクたちを、責めるように。
ボクは雨が嫌いだ。
雨の中歩けば靴が濡れ、下手をすると靴下まで浸水する。これはとても気持ちが悪い。
それに……。
雨の日は大勢の人の良く無いオモイが、見えやすいのだ。
そう考えていた事が悪いのか、一瞬思い描いていたモノが視界を過る。
ボクは直ぐさま、視線を逸らした。
今日は厄日になりそうだ……。
そのまましばらく歩いていると、後ろから、誰かが走ってくる音がした。
「おはよう! ヨウちゃん!」
そう言いながらボクの隣に並んだのは、幼馴染みであるミーちゃんだ。
日本人にしては色素の薄い髪をボブカットにした、華の女子高生である。
二重の目はパッチリとしており、肌もきれい。
幼馴染みの欲目をなくしても、とても可愛い。
そんなミーちゃんがボクは昔から大好きだ。
けれど、ちょっぴり妬ましくもある。
「おはよう、ミーちゃん」
そんなことはおくびにも出さず、ボクはあいさつを返す。
ミーちゃんはボクの顔を見て、少し困ったように微笑んだ。
「そんな顔をしないでよ。いくら雨が嫌いだからって、辛気臭い顔をしていたら、いいことないよ?」
そう言うや否や、ボクのほっぺたをむにっと引っ張った。
鈍い痛みがボクの右頬を襲う。
「や、やめてひょ」
ボクが抗議の声を上げると、ミーちゃんの手は直ぐに離れた。
横目でミーちゃんを睨むと、ニヤニヤと笑っている。
「はい、すまーいる!」
「誰がこんな状況で笑えるの……」
そうこうしているうちに、学校が見えてきた。
雨はまだ止みそうにない。
一話分が短くて申し訳ない……。
誤字、脱字等があれば、報告して頂けると嬉しいです。




