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幻の獣と人の世界  作者: お終い
第0章【プロローグ】
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過去

 物心ついた時から自分が普通の人間じゃないことに気づいていた。小学校の時はそれが理由でいじめられていた。その頃のあだ名は『トカゲ』。中学に入るといじめられることはなくなったが、誰も自分とはかかわらなくなった。皆、このコンプレックスのことを気持ち悪く思ったからだ。中学校では卒業までの三年間先生以外とは話すことはなく、高校は自分のことを知ってる奴なんて居ない、少し遠いこの峰風(みねかぜ)高校に通ってる。現在自分は高一だ。

 とある些細な事がきっかけで、このクラスの人は俺のコンプレックスを知っている。プール掃除の時に水がかかり服が透けてしまったのだ。それでばれてしまったのだ、俺のコンプレックスである右腕の肘から手首に爬虫類の鱗のようなものがあることを。

 その鱗は黄色く少し電気が流れていて触ると少しバチッとする。勿論最初はみんな気持ち悪がった。でも十月になった今ではみんなそんなこと気にしないで接してくれている。とてもありがたいことだ。

 まだ気持ち悪がる人もいるけどそんなの気にしない。鱗を気にしないで接してくれている人がいるから。



 俺には一つ年上の姉がいるが、姉も普通の人間ではなかった。左腕の肩から肘にかけて、羽毛があるのだ。それは朱色でほんのり暖かかった。姉は少し気が強くケンカもそれなりに強かったこともあり小学校の時のあだ名は『鷹』。少しカッコイイ。

 中学では姉は腕のことでクラスの女子四~五人に屋上に呼び出されたが、返り討ちにした。何故か相手の女子は火傷をしていたらしく職員会議になった結果、姉がライターを使って拷問まがいのことをした、という噂が流れ誤解を解くのもめんどくさかったらしく、そんなことで騒ぐ人達と同じ学校に行くのはいやだったこともあり、今俺と同じ高校に通っている。



 うちは四人家族だが父は三年前からタイに単身赴任している。なので家には俺、姉、母の三人だ。因みに父も母も普通の人間だ。鱗も羽毛もない。少しおかしい姉弟だが普通にすごしていた。今日、この日までは………

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