第20話 スタートライン
伝説の1週間(1/7)
色々質問した次の日、
今日は神力の特訓のため、ヴェル師匠だけ来てくれた。
本当は治るまで待てとケセフにもヴェル師匠にも止められたけど、神力が興味深く、わがままを言って、今日から特訓を再開してもらった。
「翠少年。神力を手に入れたのだから、ついにオ・ナー...コホン。...特訓法を実施していくことにしよう。
どのようなステップがあったか覚えているか?」
「えーっと確か、『感じる』、『動かす』、『変化させる』でしたよね?俺は今はどこなんだろう?」
「翠少年は神力が宿ったところだから、ステップ0が終わった、というところだな。
つまり、スタートラインに立ったところだ。」
ス、スタートライン、だと...。
俺は約3ヶ月ウォーミングアップをしてたってこと...?
「ということで、今日からはステップ1『感じる』特訓をやっていくぞ。
...本来なら実践的な特訓をするのだが、翠少年は現在、身体を全く動かせない状態だ。
なので、ワタシがこの部屋に塊状にした神力を濃淡別に幾つか放つ。
翠少年はそれを見つけ次第ワタシに報告してくれ。
あぁ、初めは視界上にしか放たないので安心してくれ。」
うあー、わがままを言って申し訳ないです。
だから治ってからって言ってたのか...。
これ多分、俺用にヴェル師匠が考えてくれてるよな。
罪悪感はあるけどレクリエーションゲームみたいでめっちゃ面白そう。
「わかりました、よろしくお願いします!」
「では神力を塊にして放つぞ。」
ヴェル師匠からほわ〜っと光ってる赤色の野球ボールくらいのものが2~3個出てきた。
俺はその玉があるところを伝える。
「本棚の上と、机の下、ヴェル師匠の足元にもひとつ見えます。」
「ほう、正解だ。濃度が高い順に3つだな、あと7個あるぞ?」
あと7個!?嘘だろ全く見えん。
「翠少年、『見る』のではない、『感じる』のだ。
先程見つけたワタシの神力塊をよく観察し、どんな特色があるかを見つけてみなさい。」
ヴェル師匠の神力魂を観察して...?
それって結局見てるのでは?
うーん........あ、なんか温かくて、ぽかぽかするかも。
それに、オーラ掛けてもらった時みたいに安心するというか...。
なるほど!
こんな感覚がするものを探せばいいってことか!
......お!ドアの近くと時計の裏からなんか近しい感覚を感じる!
「ドアの近くと時計の裏側にもある気がします。」
「ほう!よく気がついたな!正解だ。
特に時計の裏は目で見ても気が付かないはずだが、どうやって気がつけた?」
「なんだかその辺が、ぽかぽかと温かくて安心する気持ちになれるな〜と感じたからです。」
「んっ!そそ、そうか、ぽかぽかと安心か...。
そうか、そ、それは良かった。」
なんか、ケセフは居ないのにヴェル師匠が照れているんだが?なにかあったのか?
「...コホン。神力の感じ方には視色派と感情派の2通りあるんだが、どうやら翠少年は感情派らしいな。」
「視色派と感情派ですか?」
「そうだ。視色派は主に神力を色で見ている、その為濃淡で神力の強さを判断できるという強みがある。
感情派は主に神力をどう感じるかで見ている、その為、強さは分かりにくいが、その分神力の性質が視色派よりもわかりやすいという傾向がある。」
「それって、感情派がどう見えるのかは見ている人の主観によりますか?」
「たしかに主観による部分も大きくあるが、初めて見る神力だと大抵同じような感じ方をするらしい。
...ただ、知っている神力だと、そ、『その人をどう思っているか』という要素が含まれてくるらしい...。」
「..................へ?(恥)」
じゃあ今俺はヴェル師匠に向けて突然
〈ヴェル師匠は『頼りになる温かくて安心する存在』ですっ!〉
って伝えた奴みたいになってる...?
いや、まぁほんとにそう思っているけど...!
恥ずかしすぎるだろ!!
そりゃヴェル師匠もあんな反応するよ!!
メダカより人参派の方は評価をよろしくお願いします〜。




