第1話 きっしょい甲虫
浅野 葉 (平凡帰宅部)
葵 (人外並顔面偏差値高杉くん(...ちゃん?))
「なぁ、葵。暇すぎる。甲虫でも探しに行こうぜ。」
俺は、暇を持て余し過ぎてつい少年のようなことを葵に言ってしまった。葵は一瞬だけ驚いたような表情をした後、すぐに呆れたような目で俺を見ながら正論を突き刺してくる。
「いやいや、葉ちゃん。僕ら今、課題やってるじゃん。部活にも入ってない、彼女もいない帰宅部はせめて勉強ぐらいやらないと。」
「あのなぁ、夏休みの最初も最初で一生懸命になって課題に取り組んでいる高校二年生がどこにいるってんだ。あと言い過ぎだろ、泣くぞ。大声で。
というか、葵。お前、夏休み始まってからずっと俺としかいないけど、恋人とかいねぇの?」
「うん、なんか最近は恋愛対象じゃなくて信仰対象になってるみたい。だから友達扱いしてくれる葉ちゃんは唯一無二の貴重な存在なんだよ〜。」
「やべぇな。(引) さすがに羨ましくないわ。」
葵は人とは思えないほど顔が整っている。(褒め言葉)
白銀の髪にスカイブルーの瞳を持ったまさにソシャゲの神様みたいな見た目で(髭もじゃの方じゃないよ!)中学二年に転校してきてから三年以上一緒にいる俺でも美しすぎて性別が分からない程だ。
てか、性別を葵に聞いても「ん〜、中性かな〜。」
というどこが面白いのか全く解らない答えしか帰ってこないから聞くのを辞めた。どうでもいいし。
「信仰対象になっちゃって、俺以上に恋人が出来なそうな葵くんには可哀想だから俺と一緒に甲虫を探しに行く権利をあげようね。うんうん、嬉しいね〜?嬉しいって言え?」
「わーい、すごく光栄だなー。(棒)
葉ちゃんどれだけかブとむシさがしをしたいの?笑
いいよ、じゃあ僕がかぶトムしを用意してあげるから、葉ちゃんは期限までに探してね。」
?????
何を言ってるんだこの美人は、甲虫探しがどういうものか教えてくれる友達がいなかったのか?
きっとそうだ。嗚呼、かわいそうに。
モテすぎて友達がいなかったんだな。逆に。
嗚呼、かわいそうに。
心優しい俺が、葵の思う甲虫探しに付き合ってやろう。
俺って優しいなぁ。世間は俺の魅力に気づくべきだ。
「わかったよ。じゃあまず葵は甲虫を用意してきてくれ。」
「おっけー。」
そう言った直後、葵は空間をガラスを割るみたいに破壊し、生まれた異空間に躊躇なく手を突っ込んだ。
そして、甲虫らしきシルエットの『何かを』引っ張り出してきた。
「ほい、かブトむシ。」
..............................What's????
何これ?.........いや、何これ??
えーっと、とりあえず........めっちゃきしょいねソレ。
ちなみに、葵は部活勧誘が戦争になりかけたので、
急遽帰宅部が作られ、強制で入部させられました。
葉は部活に入りたくなかったので便乗してます。




