トニーの秘密⑦
森から出るとトニーの父親が待っており駆け寄ってきた。
「本当に本当にありがとうございました!!
森から銃声が何発か聞こえたので、居ても立ってもいられずに来てしまいました…」
トニーは森での出来事を簡単に説明しながらジョンを受け取ってもらった。
ジョンは眠い目をこすりあくびをしている。
「あなたはこの子を見つけることができるなんて本当にすごい。
お名前は何と言われるんですか?」
「ト……トビーです!!」
と咄嗟に嘘をついてしまう。
後ろでメアリーとフランが、ぷっと吹き出したがそれを無視した。
「あなたみたいな子供さんを持てて、ご両親はさぞ誇らしいでしょうね。」
そして笑顔で続ける。
「そうだ!あなたみたいな人は保安官になったらいい。保安官は銃の腕だけでなく他の知識もあった方がいいんですよ!」
胸が熱くなるのを感じながらトニーも口を開く。
「そうですね…いつかあなたと一緒に保安官として仕事が出来たらいいですね…」
声が少し震えている。
「楽しみにしておきます。」
そう言って手を差し伸ばされる。
「はい」と言いながらその手を握り返した瞬間、
幼い頃父と手を繋いだ時のことが鮮やかに蘇る。
今までのことが思い起こされる。
父を目標にして保安官になったこと、いなくなった後もいつか会えることを願っていたこと。
そして、会いたかったこと……
涙が溢れそうになる…
「トビーさん!!行きますよ!」
その言葉にハッとする。
軽く会釈してその場を離れた。
その背を見ながらジョンが言う。
「なんかあのおにいちゃん、パパににてたね」
「そうかぁ〜??金髪で長髪は全部父ちゃんだと思ってるんじゃないかぁ〜?ハハハ」
そしてもう一度、その背中に目をやる。
「…まさか、な…」




