トニーの秘密⑤
銃弾はトニーの頬をかすめた。
「あれ~当たんなかったか〜」
頭をポリポリ掻きながら男が近づいてきた。
その後ろにも数人いることがわかる。
他の男も口を開く。
「なんだ女じゃねえのか〜」
トニーは背後にジョンをさっと隠す。
どうする…
おとりになってジョンだけ逃がすか…?
いや、この森の中ではまた迷う可能性が高い…
男達が何かに気づく。
「あれ?お前いつかの保安官じゃねえか!」
ぐいと顔を近づける。
「俺の腕を撃ち抜いたクソガキは一緒じゃねえのか?お陰で片腕使いにくくて不便してんだよ。」
フンと笑い銃を向けられる。
「まあいいや。お前だけでも殺しとくか。」
男が引き金を引こうとした瞬間、その背後からパァンと音がする。
それと同時にドサッという音も聞こえた。
「あ、いたいた〜」
「トニーさん探しましたよ〜」
と二人の明るい声。
「なんだてめえら!!」
「あの時のクソガキ〜!」
次々と二人に銃が向けられる。
トニーも加勢しようと銃を手にとる。
するとすぐさまフランが制止する。
「トニーさんは動かないで!!」
「いや、でもこの人数じゃ…」
「僕らの戦い方知らないでしょ?そんな人が参加しても邪魔になるだけ!!」
メアリーに目をやると、静かにうなずく。
メアリーは、すくそばのフランの腕を掴み、
「フラン…」
と心配そうな表情で何か言いかけた。
フランは何か察したようで、
メアリーの頬に触れ笑顔で
「大丈夫。殺さないから。
…君の前ではね…」
とつぶやくように言った。




