フランとメアリー②
フランは静かな口調でメアリーと出会った時のことを話し始めた。
遡ること3年前。
街外れの古い小屋、周りには草が多い茂り人の気配はない。
フランはギィーッと音を立てて戸を開けた。
「よぉ、遅かったじゃねぇか」
中にはハットを目深に被った髭の中年男性。
「悪い、ちょっと手こずった。」
「今度のターゲットだ」
そう言うと写真をフランの方へ投げた。
投げられた写真を受け取り顔を確認する。
眉がピクリと動く。
「女…?」
髭の男は意地悪そうに笑う。
「やりにくいか?」
「いや…珍しいなと思って」
そう言って背を向ける。
「おい待てよ!その女の情報まだ言ってないぞ!」
フランの足がピタと止まる。
そして振り返らず答えた。
「いらない。死ぬ人間の情報なんか興味ない」
フランの背後から、
舌打ちと
「お前は生きてる人間にも興味ないからな」
と皮肉が聞こえる。
フランはまずターゲットを確認するため足を運んだ。
写真には『メアリー』と書かれている。
数カ所の街を訪れメアリーを見つけた。
丸一日観察し、相手の行動を把握する。
あれのどこが組織の邪魔になるんだ?
今までのターゲットは、組織にとって都合が悪い人間ばかりだった。
女がターゲットになることは滅多にない。
仕留めようと何度か銃を構えてみたが、周りに人が多いため出直すことにした。




