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先住民⑨
『わたしジネ。であえてよかった』
少女は最後に笑顔でそう告げた。
二人は母親とも固い握手を交わし、日が落ち暗くなっているのを確認し、教えてもらった抜け道から森を抜けることができた。
メアリーが振動で右腕を痛がっているのに気づいたトニーが、背負って行くことを提案したが、
足は大丈夫だからと断り、自らの足で進むことを決めた。
森を抜けた高台に二人が乗ってきた馬も準備されている。
今通ってきた道を振り返ると、先住民の居住地であった場所から火の手が上がっているのが見えた。
「考えたな」
トニーがぽつりとつぶやいた。
「うん、もう私たちを追うより自分たちが逃げることを優先させるだろうから」
「さあ急ごう」
メアリーはそう言うと左手だけで馬に飛び乗り、馬を走らせた。




